イフリート
イフリート︵アラビア語: عفريت, ʻAfrīt, Ifrit, efreet, ifreet, afrit, afreet、複数形‥عفاريت, ʻAfārīt、女性形‥イフリータ︶は、ジン︵魔人、悪魔、精霊︶の一種。イスラム教の聖典コーラン︵クルアーン:スーラ アン・ナムル︵An-Naml︶︶第27章39節に﹁ジンの中のイフリート﹂と記載されている[1]。ジン︵魔神︶、巨人、堕天使。
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イフリートに抱かれるマクハン︵ペルシア細密画・1648年︶
性格は獰猛かつ短気で、厳つい顔をしている。様々な魔術を操る事ができ、変身能力など人間にはない力を持つ。特に、炎を自在に操れると言う。西洋の文化圏では、異教の神々を悪魔︵デーモン︶とする事があり、その恐ろしげな姿も手伝ってか、悪魔とされる。
イメージ的には﹁炎の魔人﹂﹁炎の精霊﹂﹁炎の魔獣﹂として知られるが、これはテーブルトークRPG﹃ダンジョンズ&ドラゴンズ﹄で炎属性のキャラクターとして登場したことによる影響が大きい。イフリートも含めジンは、煙の無い火から生まれた種族だとされているため、関係がないというわけではないが、元々は炎という属性だけに限定されるものではない。
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/a/a6/MakhanEmbracedByAnEfreeti.jpg/170px-MakhanEmbracedByAnEfreeti.jpg)
『アラビアン・ナイト』に登場するイフリート
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﹃アラビアン・ナイト﹄にも多くのジンやイフリートが登場する。その中で代表的なもの﹃漁師と鬼神との物語︵第3夜 - 第9夜︶﹄を記す。
ある日、漁師が網を引いていると、そこにひっかかっている壺があった。その壺の蓋を開けてみると、煙と共にイフリートが出てきた。その恐ろしげな巨人は、出してくれた漁師を食い殺そうとする。長い間、壺に閉じ込められていたイフリートは、そのことに怒りを覚え、最初に壺の蓋を開けた者を食い殺そうと決めていたのだ。しかし、イフリートは漁師に本当に壺に入っていたのか証拠を見せろと問われ、自ら壺の中に入って見せた。すると漁師に蓋を閉められてしまい、結局は再度壺の中へ閉じ込められてしまう。
また、﹃アラジンと魔法のランプ﹄に出てくるランプの精や指輪の精もイフリートである。
脚注
編集- ^ “アラブの怪談――ランプの魔人「ジーニー」とは何者か?”. シノドス (2013年10月10日). 2022年5月31日閲覧。