カーディル(947年 - 1031年)は、アッバース朝の第25代カリフ(在位:991年 - 1031年)である。
第24代カリフであるターイーと女奴隷との間に生まれた。学識豊かで、品行方正、人格者で貧者への施しを好んだ。父親はブワイフ朝の完全な傀儡でバッハー・ウッダウラの怒りを買って退位させられ、991年に44歳で即位した。ブワイフ朝から嫁をもらい、逆らわず、よく身を守ったため40年間、在位した。
1000年には、ガズナ朝のマフムードに、﹁栄誉の賜衣︵ヒルア khil`a ︶﹂が贈り、併せて﹁王朝の右手︵Yamīn al-Dawla︶﹂の尊号が与えた。︵程なくして﹁宗門の後見人︵Amīn al-Milla︶という尊号も与えている︶。