ガス欠
走行中に燃料切れを起こしてエンジンが停止すること
ガス欠に至る過程
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燃料切れそのものの原因としては、下記のものがあげられる。
●内燃機関によるガソリンの消費
●放置によるガソリンの気化
●タンクや経路の劣化故障による燃料漏れ
特に、燃料漏れについては、引火爆発の危険があるため、普段の燃費と稼働時間や走行距離とを照らしてあきらかに異常なときは、機械から離れ、ガソリンが溜まってないか、匂いがしないかなどを確認し、119番通報する。
燃料の残量が規定値以下となった時は燃料警告灯が点灯する[3]。また、電気自動車ではリチウムイオンバッテリーの残量が低下するとバッテリー残量警告灯が点灯する[3]。
走行中に燃料切れを起こす原因としては燃料計や燃料残量警告灯などの見落としなどがある[4]。
稼働中にガス欠が起こった場合、エンジンの出力が低下してゆく、また回転数も上がらなくなり、そのままエンストする。停止後は給油するまで始動しない。
特に自動車の場合、強烈なエンジンブレーキが掛かったり、走行中にエンストすることで、ブレーキの効きが悪くなり、パワーステアリングが切れ、動作しづらくなり、走行制御が出来無くなる場合がある。
ガス欠時の対処
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不意にガス欠に陥ってしまった場合は、ガソリンを補給するしかない。JAFや各保険会社のロードサービスで、燃料を給油してもらう方法のほか、自分でガソリンスタンドまで行き、給油地点まで走行できるだけの燃料を、自動車に持参する方法がある[5]。なお日本ではガソリンの携行には、ガソリン携行缶が必要であり[5]、条例でセルフサービスのガソリンスタンドでは、自動車やバイク以外への給油が禁じられている場合があり、法令に注意する必要がある[5]。
ガス欠を起こすと、燃料ポンプやインジェクターまで燃料通路がすべて空になっており、給油してもすぐには行き渡らずエンジンは始動しないため、燃料通路にガソリンが充たされるまで、スターターを長く回してクランキングする必要がある[1][5]。
なお電気自動車の電欠の場合、充電スタンドを持参することができないため、牽引する必要がある[5]。
ガス欠による影響
編集ガス欠の予防・対応
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ガス欠の予防としては、こまめに給油すること、燃料計に注意して、給油出来る時に補充することである。
自動車の場合、燃料計が燃料切れ警告表示しても、しばらくは走行できる程度のガソリンが残されている場合も多い。スバル・360や初期のシトロエン・2CVなど一部の燃料計がない車種は、燃料コックをリザーブにあわせることで、暫定的に走行可能となるため、この間に燃料を給油できるガソリンスタンドを探すこと。
高速道路では、サービスエリアでのガソリンスタンドの設置間隔が、100キロメートル以上も離れていることがあり[6]、ガソリンスタンドは廃業や夜間休業となっている場合もあるので、事前に確認を要する[4]。
これらに加え、無駄に燃料を消費しない経済速度での運転を心がけることも重要である。
参考文献
編集- 「JAFのこんなときどうすれば!?」2003年版
脚注
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(一)^ abcdefghi“ガス欠の後遺症が原因でおこるトラブルとはなんですか?”. 日本自動車連盟. 2015年11月4日閲覧。
(二)^ 三省堂例解新国語辞典﹁ガス欠﹂の項
(三)^ ab“警告灯が点灯した場合の対処法を教えてください”. 日本自動車連盟. 2015年11月4日閲覧。
(四)^ ab“SA・PAを利用するときの注意点とは?”. 日本自動車連盟. 2015年11月4日閲覧。
(五)^ abcde“ガス欠の対処方法とは?”. 損害保険ジャパン日本興亜. 2015年11月4日閲覧。
(六)^ 清水草一 (2016年7月10日). “なぜ多い高速のGS空白 大都市圏にも懸念、求められるさらなる対策”. 乗り物ニュース 2017年11月2日閲覧。