スプリームス
アメリカ合衆国の女性歌手グループ
ザ・スプリームス︵The Supremes︶は、アメリカ合衆国の4人組ガールズ・グループ[5]。1959年結成、1977年解散。長い活動期間の中で所属レコード会社や音楽性は何度か変わっているが、その全盛期は1964年ごろから1969年までである。
スプリームス | |
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左からフローレンス・バラード、メアリー・ウィルソン、ダイアナ・ロス | |
基本情報 | |
別名 |
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出身地 |
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ジャンル | |
活動期間 | 1959年 - 1977年 |
レーベル |
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旧メンバー |
歴史
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1959年、ザ・プライメッツ︵The Primettes︶として結成。オリジナルメンバーは、ダイアナ・ロスとメアリー・ウィルソン、フローレンス・バラードにベティ・マグロウンの4人。ベディはすぐバーバラ・マーティンに替わり、そのバーバラも抜けて1961年、ザ・スプリームス[1]と改名してモータウンと契約した頃には3人組となっていた。
スプリームスは、モータウンの社長ベリー・ゴーディ・ジュニアの強力なプッシュを受け、ホーランド=ドジャー=ホーランドの作曲・プロデュースの下でヒットを連発した。1963年10月の﹁恋のキラキラ星﹂で初めてビルボードTop40内にチャートイン。そして、1964年6月の﹁愛はどこへ行ったの﹂が、初の全米No.1となったのを皮切りに、シングルが5作連続全米No.1を記録、スプリームスは一躍全米のアイドルグループとなる。その他の60年代の代表的なヒット曲には﹁ストップ・イン・ザ・ネイム・オブ・ラヴ﹂﹁恋はあせらず﹂﹁恋ははかなく﹂﹁ベイビー・ラブ﹂﹁ラブ・チャイルド﹂などがある。66年のアルバム﹃シュープリームス・ウイスキー・ア・ゴーゴー﹄はガール・グループのアルバムが、アルバムチャート1位になった最初の例だという[7] 。
その後、1969年のダイアナ脱退前の最後のシングルとなった﹁またいつの日にか︵Someday We'll Be Together︶﹂まで、合計﹁12作の全米No.1ヒット﹂を生み出した。
1967年、ダイアナだけを前面に押し出したベリーの売り方に不満を募らせ、アルコール中毒に陥ったフローレンスが解雇され、シンディ・バードソングが加入。グループ名も、ダイアナ・ロス&ザ・スプリームス︵Diana Ross & the Supremes︶となった。1969年には、ダイアナ・ロスが独立しソロに転向[注1]。替わりのリード歌手としてジーン・テレルが加わる。
ダイアナの抜けた70年代以後のザ・スプリームスは、ベリーの強力な後ろ盾を失ったことで次第にヒット・チャートからは遠ざかったものの、メアリーをリーダーとしてメンバーを入れ替えながら活動を続けた。1972年には、シンディの代わりにリンダ・ロウレンスが参加。1973年、ジーンとリンダが脱退し、再参加となるシンディとシェリー・ペインが加入。1976年には、再びシンディが抜け、代わりにスーゼイ・グリーンが参加した。フローレンスは、その後ソロ歌手として2枚のシングルを出したがヒットせず、1976年に32歳で死去している︵この悲劇を脚色して描いたのが、ミュージカル﹃ドリームガールズ﹄である︶。
1977年、最後のオリジナルメンバーであったメアリーが独立を決意し、ロンドンでフェアウェル・コンサートが行われた。一般的には、この時点でスプリームスの歴史は幕を閉じたとされている。
1986年、元メンバーであるジーンとシェリー、リンダの3人が集まり、新たにスプリームスとして活動を再開する。オリジナルメンバーのいないこのスプリームスは、The FLOS︵The Former Ladies of the Supremes 、﹁元・スプリームスの淑女たち﹂の略︶と呼ばれて、オリジナルとは区別されている。ジーンの引退など、若干のメンバーチェンジを経て、このグループは現在も活動を続けている。
一方、全盛期のメンバーであるダイアナとメアリー、シンディの3人での再結成の動きもなくはなかったが、1983年、NBCテレビの特番での騒動をきっかけに、ダイアナとメアリーの不仲が表面化し、マスコミで報じられた。
1988年、ロックの殿堂入りを果たした。
2000年、ダイアナは、スプリームス再結成ツアーの計画にメアリーとシンディを誘ったが、プロモーターの提示するダイアナとの待遇の違いから2人は固辞、代わりにFLOSからリンダとシェリーが加わったが、高価なチケット代金に加えて全盛期のメンバーでない2人への風当たりは強く、この中途半端な再結成プロジェクトは、ツアー半ばで打ち切られた。
2021年2月8日、メアリー・ウィルソンがラスベガスの自宅にて死去[8][9]。死因は明らかにされていない。76歳没。
メンバーの変遷
編集![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/ja/timeline/csnwuzin5d76sl8zlc669x5y0vxgzeg.png)
ミュージカル化と映画化
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彼女達をモデルとしたミュージカル﹃ドリームガールズ﹄が、1981年に初演。2006年には、映画版﹃ドリームガールズ﹄が公開された。ダイアナをモデルとしたディーナ・ジョーンズ役に、ビヨンセ・ノウルズ、フローレンス・バラードをモデルとしたエフィ・ホワイト役にジェニファー・ハドソン、メアリー・ウィルソンをモデルとしたローレル・ロビンソン役にアニカ・ノニ・ローズ、シンディ・バードソングをモデルとしたミシェル・モリス役にシャロン・リールが配役。 なお、スプリームスを売り出した、モータウンの創設者ベリー・ゴーディ・ジュニアをモデルとしたカーティス・テイラー・ジュニア役にジェイミー・フォックスが配役されている。
他にも、スプリームスから着想を得た作品としては1976年の音楽映画﹃スパークル﹄がある︵2012年に﹃ホイットニー・ヒューストン/スパークル﹄としてリメイクされている︶。ただし、こちらは﹁1950年代から1960年代にかけてのデトロイトを舞台にした黒人女性ボーカル3人グループの物語﹂というだけで、スプリームスの実話とは無関係の完全なフィクションである。
主なヒット曲
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●When the Lovelight Starts Shining Through His Eyes︵1963︶ - 邦題﹁恋のキラキラ星﹂。3人組として初のヒット曲。
●Where Did Our Love Go︵1964︶ - 邦題﹁愛はどこへ行ったの﹂
●Baby Love︵1964︶ - 邦題﹁ベイビー・ラヴ﹂
●Come See About Me︵1964︶ - ﹁カム・シー・アバウト・ミー﹂﹂
●Stop! In the Name of Love︵1965︶ - 邦題﹁ストップ・イン・ザ・ネイム・オブ・ラヴ﹂。イギリスのグループ、Holliesがカバーしてヒットさせた。
●Back in My Arms Again︵1965︶ - 邦題﹁涙のお願い﹂
●I Hear a Symphony︵1966︶ - 邦題﹁ひとりぼっちのシンフォニー﹂
●You Can't Hurry Love︵1966︶ - 邦題﹁恋はあせらず﹂
︵フィル・コリンズがカバーし、83年にヒットさせた。︶
●My World Is Empty Without You︵1966︶ - 邦題﹁二人だけの世界﹂
●Love Is Like an Itching in My Heart︵1966︶ - 邦題﹁乱れるハート﹂
●You Keep Me Hangin' On︵1966︶ - 邦題﹁ユー・キープ・ミー・ハンギン・オン﹂
日本ではヴァニラ・ファッジのカヴァーの方が知られていた時期が長かった。またキム・ワイルドが87年にヒットさせている。
●Love is Here and Now You're Gone︵1967︶ - 邦題﹁恋ははかなく﹂
●The Happening︵1967︶ - 邦題﹁恋にご用心﹂
●Love Child︵1968︶ - ﹁ラブ・チャイルド﹂
●I'm Gonna Make You Love Me︵1968︶‥テンプテーションズと共演したヒット曲。ケニー・ギャンブルが作曲に関わっている。
●I'm Livin' in Shame︵1969︶ - 邦題﹁スラムの小鳩﹂
●Someday We'll Be Together︵1969︶ - 邦題﹁またいつの日にか﹂
これ以降は、ダイアナ脱退後の楽曲。
●Stoned Love︵1970︶
全米7位を記録した、ダイアナ脱退後のスプリームスの代表曲。
●I'm Gonna Let My Heart Do the Walking︵1976︶
ディスコグラフィ
編集スタジオ・アルバム
編集- 1 Peaked at number six on Billboard magazine's Top Holiday Albums chart.
- 2 Diana Ross & the Supremes with The Temptations.
- 3 The Supremes with the Four Tops.
ライブ・アルバム
編集発売年 | タイトル | 最高位 | ||||
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US | US R&B |
UK | ||||
1965 | The Supremes at the Copa | 11 | 6 | — | ||
1968 | Live at London's Talk of the Town | 57 | 6 | 6 | ||
1970 | Farewell | 46 | 31 | — | ||
1973 | The Supremes Live! In Japan 1 | — | — | — | ||
"—" denotes the album failed to chart or was not released |
- 1 Japan-only; released in the US by Motown in 2004
コンピレーション・アルバム
編集発売年 | タイトル | 最高位 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
US | US R&B |
UK | ||||
1967 | Greatest Hits | 1 | 1 | 1 | ||
1969 | Greatest Hits Vol. 3 | 31 | 5 | — | ||
1974 | Diana Ross & the Supremes Anthology (version one) | 66 | 24 | — | ||
1977 | 20 Golden Greats 1 | — | — | 1 | ||
1978 | At Their Best | — | — | — | ||
1984 | 20 Greatest Hits – Compact Command Performances | — | — | — | ||
1985 | Diana Ross & the Supremes: 25th Anniversary Collection | 112 | 61 | — | ||
1986 | Diana Ross & the Supremes Anthology (version two) | — | — | — | ||
1987 | The Never-Before-Released Masters 2 | — | — | — | ||
1988 | Love Supreme 1 | — | — | 10 | ||
1991 | The Supremes ('70s): Greatest Hits and Rare Classics 1 | — | — | — | ||
1995 | The Best of Diana Ross & the Supremes: Anthology (version three) | — | — | — | ||
1997 | The Ultimate Collection | — | — | — | ||
1998 | 40 Golden Motown Greats 1 | — | — | 35 | ||
2000 | The Supremes 3 | — | — | — | ||
20th Century Masters: The Best of Diana Ross & the Supremes, Vol. 1 | — | — | — | |||
20th Century Masters: The Best of Diana Ross & the Supremes, Vol. 2 | — | — | — | |||
2001 | Diana Ross & the Supremes Anthology (version four) | — | — | — | ||
2002 | The '70s Anthology | — | — | — | ||
2003 | Diana Ross & the Supremes: The No. 1's | 72 | 63 | 15 | ||
2004 | Joined Together: The Complete Studio Duets 4 | — | — | — | ||
There's a Place for Us 5 | — | — | — | |||
2005 | The Supremes: Gold 6 | — | — | — | ||
2006 | This Is the Story: The '70s Albums, Vol. 1 – 1970–1973: The Jean Terrell Years 7 | — | — | — | ||
2007 | Diana Ross & the Supremes Remixes 8 | — | — | — | ||
2008 | Let the Music Play: Supreme Rarities 9 | — | — | — | ||
The Definitive Collection | — | — | — | |||
2009 | Magnificent: The Complete Studio Duets 10 | — | — | — | ||
2010 | Icon: Diana Ross & the Supremes | — | — | — | ||
2011 | Let Yourself Go: The '70s Albums, Vol 2 – 1974–1977: The Final Sessions 11 | — | — | — | ||
50th Anniversary: The Singles Collection 1961–1969 | — | — | — | |||
"—" denotes the album failed to chart or was not released |
- 1 UK-release.
- 2 A compilation of previously unreleased songs including a majority of songs from the unreleased Disney Classics sessions.
- 3 A four-disc box-set.
- 4 A compilation of all recordings from Diana Ross & The Supremes & The Temptations made during the 1960s.
- 5 Originally scheduled for release in 1965 as a studio album.
- 6 A compilation of Greatest Hits, Greatest Hits Vol. 3 and At Their Best.
- 7 A compilation of Right On, New Ways but Love Stays, Floy Joy, Produced and Arranged by Jimmy Webb and the previously unreleased Promises Kept sessions, together with three non-album tracks.
- 8 Japanese collection containing remixes of Supremes and solo Diana Ross recordings.
- 9 A compilation of unreleased recordings and rarities.
- 10 A compilation of all recordings from The Supremes & the Four Tops made during the 1970s.
- 11 A compilation of The Supremes, High Energy and Mary Scherrie & Susaye with several unreleased and alternate versions.
サウンドトラック・アルバム
編集発売年 | タイトル | 最高位 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
US | US R&B |
UK | ||||
1968 | TCB 1 | 1 | 1 | 11 | ||
1969 | G.I.T. on Broadway 1 | 38 | 4 | — | ||
"—" denotes the album failed to chart or was not released |
- 1 Diana Ross & the Supremes with The Temptations.
脚注
編集注釈
編集- ^ 「タッチ・ミー・イン・ザ・モーニング」「マホガニーのテーマ」など、ソロとしても多数のヒット曲を発表した
出典
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(一)^ abcdefKellman, Andy. The Supremes Biography, Songs, & Albums - オールミュージック. 2022年6月7日閲覧。
(二)^ Hoffmann, Frank W. (2005). Rhythm and Blues, Rap, and Hip-hop. Facts On File, Incorporated. p. 256. ISBN 0816069808
(三)^ 木崎義二、赤岩和美﹃ロック&ポップス名曲徹底ガイド―名曲184決定版CD776﹄音楽出版社、2005年、191頁。ISBN 4861710049。
(四)^ Wallenfeldt, Jeff, ed (2010). Britannica Educational Publishing. p. 297. ISBN 1615301763
(五)^ “シュープリームス”. CDJournal. 音楽出版社. 2022年6月7日閲覧。
(六)^ “DISCOGRAPHY”. The Supremes |シュープリームス. UNIVERSAL MUSIC JAPAN. 2020年7月19日閲覧。
(七)^ “'The Supremes A' Go-Go' Reissue: Mary Wilson, Lamont Dozier Look Back on the Landmark Girl Group Album ”. 2020年7月7日閲覧。
(八)^ “Mary Wilson, Co-Founder of the Supremes, Dies at 76”. variety.com. (2021年2月8日) 2021年2月9日閲覧。
(九)^ “シュープリームスのオリジナル・メンバー、メアリー・ウィルソンが76歳で急逝”. 2021年2月9日閲覧。
関連項目
編集- R&B
- ソウル・ミュージック
- テンプテーションズ
- スモーキー・ロビンソン
- 矢島美容室 - 日本のバラエティ番組「とんねるずのみなさんのおかげでした」の番組内音楽プロジェクトでザ・スプリームスのパロディとして結成された。