和声におけるテンション

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調調使 tension note 

テンション・ノートの見つけ方

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  1. テンション・ノートになる非和声音の条件
    1. 和音の構成音と短 9 度をなす音はテンション・ノートになり得ない(ドミナント・セブンス・コードの場合はこの限りでない)。
    2. 和音の進行を阻害する音はテンション・ノートになり得ない。
  2. テンション・ノートの見つけ方
    1. テンションを見つけたい和音にアベイラブル・ノート・スケールを設定する。
    2. 「テンション・ノートになる非和声音の条件」に従う非和声音を見つける。

長調のダイアトニック・コードのテンション

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調[1]

C調[2]

I諸和音のテンション

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IM7のテンション
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IM7C: CM7D9thFE9A13th[2]

FCM7EFF[2]
 
長調のIM7のテンション
I6のテンション
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I6C: C6IM76th[1]6A13thI66thDFIM7[2]
 
長調のI6のテンション C.T. = Chord Tone = 和音の構成音

IIm7のテンション

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IIm7C: Dm7E9thG11thB[2]

BDm77CBB[2]
 
長調のIIm7のテンション

IIIm7のテンション

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IIIm7C: Em7)において、F音は構成音Eと短9度をなすためアヴォイド・ノートである。A音は11thのテンションである。C音は構成音Bと短9度をなし、またこれが響くとCM7(IM7)を感じさせ、IIIm7の色彩が失われるため、アヴォイド・ノートである。[2]

 
長調のIIIm7のテンション

IV諸和音のテンション

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IVM7のテンション
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IVM7C: FM7)において、G音は9thのテンション、B音は♯11thのテンション、D音は13thのテンションである。[2]

 
長調のIVM7のテンション
IV6のテンション
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IV6C: F66th[1]6D13thIV66thGBIM7[2]
 
長調のIV6のテンション

V7のテンション

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V7C: G7A9thCE13th[2]

CG7BC[2]
 
長調のV7のテンション

VIm7のテンション

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VIm7C: Am7B9thD11thFE9FM7IVM7VIm7[2]
 
長調のVIm7のテンション

VIIm7(♭5)のテンション

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VIIm7(♭5)C: Bm7(♭5))において、C音は根音B音と短9度をなすためアヴォイド・ノートである。E音は11thのテンション、G音は♭13thのテンションである。[2]

 
長調のVIIm7(♭5)のテンション

短調のダイアトニック・コードのテンション

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調[1]

調3使調

C調[2]

Im諸和音のテンション

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3

Im[2]

D9thF11thAG9AM7VIM7Im[2]
 
短調のIm諸和音のテンション

IIm7(♭5)のテンション

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自然短音階上にできるダイアトニック・コードである。

E♭音は根音Dと短9度をなすためアヴォイド・ノートである。G音は11thのテンション、B♭音は♭13thのテンションである。[2]

 
短調のIIm7(♭5)のテンション

IIm7のテンション

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旋律的短音階にできるダイアトニック・コードである。

E♭音は根音Dと短9度をなすためアヴォイド・ノートである。G音は11thのテンション、B音は和音の機能を阻害するためアヴォイド・ノートである[2]

B音が和音機能を阻害する説明:Dm7の第7音Cは次にB音へ進行することを期待させるため、あらかじめB音が響いているとそれを妨げてしまう[2]

 
短調のIIm7のテンション

♭III諸和音のテンション

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自然短音階上にできるダイアトニック・コードである。

♭IIIM7のテンション
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F音は9thのテンション。A♭音は第3音Gと短9度をなすためアヴォイド・ノートである。C音は♭III6(C: E♭6)のコード・トーンと捉える。[2]

 
短調の♭IIIM7のテンション
♭III6のテンション
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III6C: E6IIIM76th[1]6C13thIII66thFAIIIM7[2]
 
短調の♭III6のテンション
♭IIIaugM7のテンション
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和声的短音階上にできるダイアトニック・コードである。

この和音はほとんど用いられない[4]ため割愛する。

IVm7およびIVm6のテンション

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自然短音階にできるダイアトニック・コードである。

G音は9thのテンション、B♭音は11thのテンションである。D音はIVm6の構成音である第6音(6th)として捉える。[2]

 
短調のIVm7およびIV6のテンション

IV7のテンション

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旋律的短音階にできるダイアトニック・コードである。

G音は9thのテンション、B音は♯11thのテンション、D音は13thのテンションである[2]

 
短調のIV7のテンション

Vm7のテンション

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自然短音階にできるダイアトニック・コードである。

A♭音は、根音Gと短9度をなすためアヴォイド・ノートである。C音は11thのテンションである。E♭音は第5音Dと短9度をなし、また♭IIIM7(E♭M7)を感じさせ、Vm7の色彩を損ねるためアヴォイド・ノートである。[2]

 
短調のVm7のテンション

V7のテンション

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[3]9[2]

AG99thC3BED913th[2]
 
短調のV7のテンション

♭VIM7のテンション

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B9thD11thFVI6A6[1][2]
 
短調の♭VIM7のテンション

VIm7(♭5)のテンション

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B9thD11thF13th[2]
 
短調のVIm7(♭5)のテンション

♭VII7のテンション

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自然短音階にできるダイアトニック・コードである。

C音は9thのテンションである。E♭音は第3音Dと短9度をなすためアヴォイド・ノートである。G音は13thのテンションである。[2]

 
短調のVII7のテンション

VIIdim7のテンション

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和声的短音階にできるダイアトニック・コードである。

主として短調のV7の代理和音として用いられるため、#V7のテンションを参照のこと[2]

 
短調のVIIdim7のテンション

VIIm7(♭5)のテンション

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旋律的短音階にできるダイアトニック・コードである。

この和音は短調ではほとんど用いられない[2]ため、説明は省く。

 
短調のVIIm7(♭5)のテンション

関連項目

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脚注

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注釈

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(一)^ abcdXXM7X6[3]

(二)^ 稿3使

(三)^ 7

出典

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(一)^ ab5 調Key Relationship調Modulation1︿JAZZ THEORY WORKSHOP19801092-105 

(二)^ abcdefghijklmnopqrstuvwxyzaaabacad6 Available Note Scale  Tension1︿JAZZ THEORY WORKSHOP19801092-105 

(三)^ 6 Chord1︿JAZZ THEORY WORKSHOP198010 

(四)^ 3 調TonalityChordfunction1︿JAZZ THEORY WORKSHOP198010