トヨタ・スプリンタートレノ
スプリンタートレノ(SPRINTER TRUENO)は、トヨタ自動車がかつて生産・販売していた小型クーペ型の乗用車である。カローラレビンとは車台と内外装のほとんどを共用する姉妹車である。
トヨタ・スプリンタートレノ | |
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![]() 7代目 BZ-R(後期最終型) | |
概要 | |
製造国 |
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販売期間 | 1972年-2000年 |
ボディ | |
ボディタイプ |
2ドアノッチバッククーペ(初代-2代目、4代目-7代目) 3ドアハッチバッククーペ(4代目) 3ドアハッチバック(3代目) |
駆動方式 |
FR(初代-4代目) FF(5代目-7代目) |
初代 TE27型(1972年 - 1974年)
編集トヨタ・スプリンタートレノ(初代) TE27型 | |
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概要 | |
製造国 | 日本 |
販売期間 | 1972年3月 - 1974年 |
ボディ | |
乗車定員 | 5名 |
ボディタイプ | 2ドアセミファストバッククーペ |
駆動方式 | FR |
パワートレイン | |
エンジン |
2T-G型:1.6L 直4 DOHC 2T-GR型:1.6L 直4 DOHC 2T-B型:1.6L 直4 OHV |
最高出力 |
2T-G型:115ps/6,400rpm 2T-GR型:110ps/6,000rpm 2T-B型:105ps/6,000rpm |
最大トルク |
2T-G型:14.5kgm/5,200rpm 2T-GR型:14.0kgm/4,800rpm 2T-B型:14.0kgm/4,200rpm |
変速機 | 5速MT |
前 |
前:独立懸架ストラット式 後:非対称半楕円リーフスプリング |
後 |
前:独立懸架ストラット式 後:非対称半楕円リーフスプリング |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,335mm |
全長 | 3,965mm |
全幅 | 1,595mm |
全高 | 1,335mm |
車両重量 | 865kg |
その他 | |
生産台数 |
不明(スプリンターと合算のため)[1] ※2代目スプリンターの販売終了前月までの新車登録台数の累計は31万2042台[2]。 |
1972年3月、トヨタ・スプリンタークーペ「SL」、「SR」に対し、よりスポーティなホットモデルとして登場した。当時、スプリンタークーペには「普通」のモデルも存在したため、グレードでの区別を超えた、あくまで高性能バージョンとして用意されたサブネームが「トレノ」であった。搭載エンジンは、上位車種であるセリカ1600GTと同じ2T-G型1.6L DOHCエンジンが搭載された。外観上の特徴として、当モデルと姉妹車のレビンには、トヨタ製の市販乗用車として唯一のオーバーフェンダーを装備している。また、1973年4月のマイナーチェンジの際に追加された「トレノJ(ジュニア)」には、2T-B型1.6L OHVエンジン (105ps) が搭載されており、こちらはDOHC仕様に対し低中速域までのトルク特性を優先させた廉価モデルであった。
2代目(前期)TE47型(1974年 - 1975年)
編集トヨタ・スプリンタートレノ(2代目) 前期TE47型 | |
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概要 | |
製造国 | 日本 |
販売期間 | 1974年4月 - 1975年 |
ボディ | |
乗車定員 | 5名 |
ボディタイプ | 2ドアファストバッククーペ |
駆動方式 | FR |
パワートレイン | |
エンジン |
2T-G型:1.6L 直4 DOHC 2T-GR型:1.6L 直4 DOHC |
最高出力 |
2T-G型:115ps/6,400rpm 2T-GR型:110ps/6,000rpm |
最大トルク |
2T-G型:14.5kgm/5,200rpm 2T-GR型:14.0kgm/4,800rpm |
変速機 | 5速MT |
前 |
前:独立懸架ストラット式コイルスプリング 後:非対称半楕円リーフスプリング |
後 |
前:独立懸架ストラット式コイルスプリング 後:非対称半楕円リーフスプリング |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,370mm |
全長 | 4,070mm |
全幅 | 1,600mm |
全高 | 1,300mm |
車両重量 | 925kg (GT 935kg) |
2代目(中期)TE61型(1977年 - 1978年)
編集トヨタ・スプリンタートレノ(2代目) 中期B-TE61(衝撃吸収バンパー装着車)型 | |
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概要 | |
製造国 | 日本 |
販売期間 | 1977年1月 - 1978年 |
ボディ | |
乗車定員 | 5名 |
ボディタイプ | 2ドアファストバッククーペ |
駆動方式 | FR |
パワートレイン | |
エンジン | 2T-GEU型:1.6L 直4 DOHC |
最高出力 | 110ps/6,000rpm |
最大トルク | 14.5kgm/4,800rpm |
変速機 | 5速MT |
前 |
前:ストラット式コイルスプリング独立懸架 後:非対称半楕円リーフスプリング |
後 |
前:ストラット式コイルスプリング独立懸架 後:非対称半楕円リーフスプリング |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,370mm |
全長 | 4,070mm |
全幅 | 1,615mm |
全高 | 1,310mm |
車両重量 | 950kg (GT 955kg) |
2代目(後期)TE65型(1978年 - 1979年)
編集トヨタ・スプリンタートレノ(2代目) 後期E-TE65(衝撃吸収バンパー装着車)型 | |
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概要 | |
製造国 | 日本 |
販売期間 | 1978年4月 - 1979年2月 |
ボディ | |
乗車定員 | 5名 |
ボディタイプ | 2ドアファストバッククーペ |
駆動方式 | FR |
パワートレイン | |
エンジン | 2T-GEU型:1.6L 直4 DOHC |
最高出力 | 115ps/6,000rpm |
最大トルク | 15.0kgm/4,800rpm |
変速機 | 5速MT |
前 |
前:ストラット式コイルスプリング独立懸架 後:非対称半楕円リーフスプリング |
後 |
前:ストラット式コイルスプリング独立懸架 後:非対称半楕円リーフスプリング |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,370mm |
全長 | 4,245mm |
全幅 | 1,615mm |
全高 | 1,310mm |
車両重量 | 965kg |
1978年4月に登場。昭和53年排出ガス規制をクリアして型式変更したもの。この時期、レビンはTE55型、スプリンタートレノはTE65型を名乗ることになる。型式は変わっているが外観はTE61型と大差はない。車両重量はTE27型を110kg上回り965kgとなったうえ、年を追うごとに強化される排出ガス規制のあおりを受け、TE27型のようなスポーツ性とは程遠いものとなった。
3代目 TE71型(1979年 - 1983年)
編集トヨタ・スプリンタートレノ(3代目) E-TE71型 | |
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概要 | |
製造国 | 日本 |
販売期間 | 1979年3月 - 1983年4月 |
ボディ | |
乗車定員 | 5名 |
ボディタイプ | 3ドアファストバッククーペ |
駆動方式 | FR |
パワートレイン | |
エンジン | 2T-GEU型:1.6L 直4 DOHC |
最高出力 | 115ps/6,000rpm |
最大トルク | 15.0kgm/4,800rpm |
変速機 | 5速 MT |
前 |
前:ストラット式コイルスプリング 後:ラテラルロッド付4リンクコイルスプリング・スタビライザー |
後 |
前:ストラット式コイルスプリング 後:ラテラルロッド付4リンクコイルスプリング・スタビライザー |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,400mm |
全長 | 4,255mm(トレノS 4,190mm) |
全幅 | 1,625mm |
全高 | 1,325mm |
車両重量 |
975kg(後期 990kg) トレノS 955kg |
その他 | |
販売終了前月までの新車登録台数の累計 | 40万2727台(スプリンターと合算)[4] |
1979年3月、フルモデルチェンジが行われた。ボディはハッチバック機構を用いた3ドアファストバッククーペのみで、最後の2T-G型エンジン搭載モデルとなる。#E7系へのモデルチェンジに伴い、乗用車系のリアサスペンションが同じリジッド方式ながらリーフリジッドから4リンクコイルへと進化し、操縦性のアップに貢献した。スプリンターのセダン及び2ドアハードトップやリフトバックにも2T-G型エンジン搭載グレード「GT」が設定され、また1981年8月より発売の後期型からはトレノ単体にもサンルーフを標準装備した豪華装備の「アペックス」及び、衝撃吸収バンパーをDXなどに装着されていた単純構造のバンパーへ変更するなどし軽量化を図るとともに、機械式LSDを標準装備した「S」というグレードが設定された為、「トレノ」という名称の意味が変化し出したモデルでもある。
4代目 AE85/86型(1983年 - 1987年)
編集1983年5月フルモデルチェンジ。この代より4ドアノッチバックセダンと5ドアリフトバックセダンはFFレイアウトを採用し、レビン・トレノに関しては後輪駆動(FR)レイアウトといった“2本立て”でリリースすることを決定した。シャシーは先代TE71型のものをベースとしているが、改良が行なわれ、TE71のネックだった重量は大幅に軽減された。エンジンは「4A-GE」型を新規開発する。ボディは2ドアノッチバッククーペと3ドアファストバッククーペの2本立てで、トレノではリトラクタブル式ヘッドライトを採用し、レビンとの差別化を図った。また、レビン・トレノとして最後に販売された後輪駆動車である。なお、北米向けモデルは、1988年度まで販売が継続された。
AE86型
編集AE85型
編集通称「ハチゴー」と呼ばれる。いわゆる廉価モデルである。A型エンジン3A-U型 1.5L SOHCエンジン搭載モデル(AE85型)では、3ドアモデルは「トレノSR」、2ドアモデルは「トレノSE/リセ/XL」として販売された。
5代目 AE91/92型(1987年 - 1991年)
編集トヨタ・スプリンタートレノ(5代目) E-AE91/92型 | |
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GT-Z(前期型) | |
概要 | |
製造国 | 日本 |
販売期間 | 1987年5月 - 1991年 |
ボディ | |
乗車定員 | 5名 |
ボディタイプ | 2ドアノッチバッククーペ |
駆動方式 | FF |
パワートレイン | |
エンジン |
5A-F型:1.5L 直列4気筒 5A-FE型:1.5L 直列4気筒 5A-FHE型:1.5L 直列4気筒 4A-GE型:1.6L 直列4気筒 4A-GZE:1.6L 直列4気筒 スーパーチャージャー |
最高出力 |
5A-F型:85ps/6,000rpm 5A-FE型:94ps/6,000rpm 5A-FHE型:105ps/6,000rpm 4A-GE型:140ps/7,200rpm 4A-GZE型:165ps/7,200rpm |
変速機 |
5速MT 4速/3速AT |
前 | 前後:ストラット式コイルスプリングスタビライザー付 |
後 | 前後:ストラット式コイルスプリングスタビライザー付 |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,430mm |
全長 | 4,270mm |
全幅 | 1,680mm |
全高 | 1,300mm |
車両重量 | 1,070kg |
その他 | |
生産台数 | 9万5321台[5] |
1987年5月に登場。この代からFF化され、ボディも3ボックススタイルの2ドアノッチバッククーペに1本化された。FF化も販売面では功を奏し、トレノとしては未曾有の販売台数を記録した。販売時のキャッチコピーは「黒のトレノが躍り出る」であった。
AE92型
編集AE91型
編集6代目 AE100/101型(1991年 - 1995年)
編集トヨタ・スプリンタートレノ(6代目) E-AE100/101型 | |
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GT APEX(後期型) | |
概要 | |
製造国 | 日本 |
販売期間 | 1991年6月 - 1995年 |
ボディ | |
乗車定員 | 4名 |
ボディタイプ | 2ドアノッチバッククーペ |
駆動方式 | FF |
パワートレイン | |
エンジン |
5A-FE型:1.5L 直4 4A-FE型:1.6L 直4 4A-GE型:1.6L 直4 4A-GZE型:1.6L 直4 SC |
最高出力 |
5A-FE:94ps/6,000rpm 4A-FE:115ps/6,000rpm 4A-GE:160ps/7,400rpm 4A-GZE:170ps/6,400rpm |
最大トルク |
5A-FE:13.1kgm/3,200rpm 4A-FE:15.0kgm/4,800rpm 4A-GE:16.5kgm/5,200rpm 4A-GZE:21.0kgm/4,400rpm |
変速機 |
5速MT 4速AT |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,465mm |
全長 | 4,285mm |
全幅 | 1,695mm |
全高 | 1,305mm |
車両重量 | 1,110kg |
その他 | |
販売終了前月までの国内新車登録台数の累計 | 4万6448台[6] |
AE101型
編集AE100型
編集7代目 AE110/AE111型(1995年 - 2000年)
編集トヨタ・スプリンタートレノ(7代目) E/GF-AE110/111型 | |
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BZ-G(前期型) | |
XZ(後期型) | |
概要 | |
製造国 | 日本 |
販売期間 | 1995年6月 - 2000年8月 |
ボディ | |
乗車定員 | 4名 |
ボディタイプ | 2ドアノッチバッククーペ |
駆動方式 | FF |
パワートレイン | |
エンジン |
5A-FE型 1.5L 直4 4A-FE型 1.6L 直4 4A-GE型 1.6L 直4 |
最高出力 |
5A-FE型:100ps/5,600rpm 4A-FE型:115ps/6,000rpm 4A-GE型:165ps/7,800rpm |
最大トルク |
5A-FE型:14.0kg・m/4,400rpm 4A-FE型:15.0kg・m/4,800rpm 4A-GE型:16.5kg/5600rpm |
変速機 | 4速AT/5速MT/6速MT |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,465mm |
全長 | 4,305mm |
全幅 | 1,695mm |
全高 | 1,305mm |
車両重量 | 990kg - 1,110kg |
その他 | |
生産台数 |
不明(スプリンターと合算のため)[7] ※8代目スプリンターの販売期間中の新車登録台数の累計は21万2690台[8] |
系譜 | |
後継 | なし |
AE111型
編集- マイナーチェンジによりヘッドライト、テールランプがブラックアウト化された。
AE110型
編集通称は「ヒャクトオ」、「イチイチマル」。
FZ というベーシックグレードのみの展開で1.5L 5A-FE型16バルブハイメカツインカムエンジン搭載。最高出力は100ps/5,600rpm。
車名の由来
編集出典
編集関連項目
編集- トヨタ自動車
- トヨタ・86 → トヨタ・GR86 - 車名を継承
- トヨタ・スプリンター - ベース車
- トヨタ・カローラレビン - 姉妹車
- トヨタ・スプリンターマリノ
- トヨタ・スプリンターカリブ