音部記号
音部記号(おんぶきごう)は西洋音楽の五線記譜法による楽譜に用いられる音楽記号の一種。五線の左端に記し、五線上の位置と音の高さとの関係を指定する。
音部記号の種類
編集![音部記号の一覧](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/5/56/Onbukigo001.png)
ト音記号
編集小ヴァイオリン(フレンチヴァイオリン)記号
編集ヴァイオリン(トレブル)記号
編集ヘ音記号
編集バリトン記号
編集ヘ音記号を五線の第3線に置く。古くバリトンパートを表すのに使われたが、現代ではあまり見られない。
バス記号
編集ヘ音記号を五線の第4線に置く。古くからバスパートを表すのに使われた。一般にヘ音記号と言えば、この記号を指す。現在においてはヴァイオリン記号の次によく使われる記号で、低音域を記すために使う。またドラムセットの記譜や、合唱や重唱における男声のパートを示すのにも使われる。大譜表の2段のうちの一方に用いられる記号でもある。
低バス記号
編集ヘ音記号を五線の第5線に置く。すべての音部記号の中で最も低い音を示すのに適した記号であるが、滅多に使われることはない。
ハ音記号
編集ソプラノ記号
編集ハ音記号を五線の第1線に置く。古典派以前の楽譜で、ソプラノパートを示すのに使われる他、今でも音楽理論の学習やスコア・リーディングに使われる。バロック時代の鍵盤楽器音楽の楽譜の高音部はしばしばこれを用いて書かれる。
メゾソプラノ記号
編集ハ音記号を五線の第2線に置く。古典派以前の楽譜で、女声のパートを示すのに使われる。
アルト記号
編集ハ音記号を五線の第3線に置く。古くアルトパートを表すのに使われたが、現代では多くはトレブル記号に取って代わられている。しかしオーケストラではヴィオラやアルト・トロンボーンの楽譜は主としてこの記号を用いるほか、ロシアの作曲家の間にはテナー・トロンボーンの楽譜もアルト記号で書くという慣習も見られる。イングリュッシュ・ホルンやホルンのための楽譜を実音で書く作曲家が、その音域によってはアルト記号を使用することがある。
テノール記号
編集ハ音記号を五線の第4線に置く。古くテノールパートを表すのに使われたが、現代ではその多くはアマチュアの吹奏楽スコアのようにバス記号または低音用のトレブル記号に取って代わられている。ただし現代の楽譜でも、オーケストラではテナー・トロンボーンの楽譜に主としてこの記号を用いるほか、ファゴットやチェロの高音域を書き表すのに使われる。ワーグナーのオペラのテノール・パートの自筆譜はこれで書かれている。
バリトン記号
編集ハ音記号を五線の第5線に置く。古くバリトンパートを表すのに使われたが、現代ではあまり見られない。
文字コード
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記号 | Unicode | JIS X 0213 | 文字参照 | 名称 |
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𝄞 | U+1D11E |
- |
𝄞 𝄞 |
musical symbol g clef |
𝄟 | U+1D11F |
- |
𝄟 𝄟 |
musical symbol g clef ottava alta |
𝄠 | U+1D120 |
- |
𝄠 𝄠 |
musical symbol g clef ottava bassa |
𝄢 | U+1D122 |
- |
𝄢 𝄢 |
musical symbol f clef |
𝄣 | U+1D123 |
- |
𝄣 𝄣 |
musical symbol f clef ottava alta |
𝄤 | U+1D124 |
- |
𝄤 𝄤 |
musical symbol f clef ottava bassa |
𝄡 | U+1D121 |
- |
𝄡 𝄡 |
musical symbol c clef |