ノルム (体論)
体論において、ノルム (norm) は、体の拡大(とくにガロア拡大などの代数拡大)に付随して現れる写像の一種で、拡大体の元をもとの体の元に移す性質を持つ。
定義
編集例
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L を複素数体 C, Kを実数体 Rとすると、R の代数閉包は Cであり、R を固定する Cの自己同型は恒等写像と複素共役をとる写像の2つであるから、任意の複素数 α = a+ ibに対して
が拡大 C/ Rに関する α のノルムである。
性質
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●拡大 L/ Kについて、L の任意の元 α に対し、NL/K(α) は Kの元になる。
●拡大 L/ Kと Lの元 α, β に対し
●拡大の列 L/ M/ Kと Lの元 α に対し
●拡大 L/ Kについて Lを K-ベクトル空間と見ると α∈L に対しα倍写像‥L → Lは K-線型写像であるが、この写像を行列表示したときの行列式は体の拡大のノルムと一致する。
●ヒルベルトの定理90: 体の拡大 L/ Kが有限次巡回拡大でそのガロア群が σ で生成されるとき、以下の2つの条件が同値である。
(一)NL/K(α) = 1.
(二)α = β / σ(β) を満たす Lの元 β が存在する。