バッグス・バニー
アニメ『ルーニー・テューンズ』に登場する架空のキャラクター
バッグス・バニー︵Bugs Bunny︶は、ワーナー・ブラザースのアニメーション作品、ルーニー・テューンズに登場する架空のウサギで、アメリカの文化の象徴の一つとされる。ワーナー・ブラザースにおけるマスコットキャラクターでもある。
日本では当初、バックス・バニーと表記されていた時期がある。
1940年、テックス・アヴェリーの﹃野生のバニー﹄︵原題‥A Wild Hare︶でデビュー[1]︵元になったキャラクターである﹃ハッピー・ラビット︵Happy Rabbit︶﹄の頃の時代を含めば1938年公開のベン・ハーダウェイとカル・ダートンの﹃ポーキーのウサギ狩り﹄︵原題‥Porky's Hare Hunt︶まで遡る︶。
経歴
編集
彼の経歴は、1950年6月17日公開の﹃どったのセンセー?︵What's Up Doc?︶﹄で詳しく語られている。
切手
自分がウサギであるにもかかわらず何故か人間社会で生まれ、幼少期に玩具のピアノで音楽の才能を発揮し両親の教育でショービズの道を志し、ダンス学校にも通っていた。卒業後に舞台出演のオファーが殺到するが、デビューした頃の仕事はコーラスでのショーの案内役︵いわゆる前説︶ばかりだった。病気で倒れた主役の代役を務めるも不評に終わり、その責任を取る形でコーラスに再度降格されたことに嫌気がさして活動を休止。その後、同業者の俳優が多く失業するなどショービズ業界は不況を迎えるが、大スターのエルマー・ファッドのスカウトを受けて、彼の引き立て役として各地のショーを巡回。しかし彼に与えられた役はいずれもエルマーにいじられる役だったため、またもその待遇に嫌気がさし、ニューヨークでの公演中にバッグス曰く﹁芸風を変える﹂ためにアドリブでエルマーを打ち負かす。その直後エルマーに銃で脅され、苦し紛れに発した﹁どったのセンセー?﹂が観客に大受けし、一躍人気者になる。その後エルマーと共にワーナー・ブラザースにスカウトされ、現在に至る。また、1944年公開の﹃未来のバニー︵The Old Grey Hare︶や1980年に放送された﹃Portrait of the Artist as a Young Bunny﹄では、幼少期にエルマーに会っている描写がある。
性格・言動
編集出演作品
編集短編映画
編集- ポーキーのウサギ狩り(Porky's Hare Hunt、1938年)(ハッピー・ラビットとしての初出演作)
- それっ、やっ、はやがわり(Prest-O Change-O、1939年)
- ハーレム=スクラム(Hare-Um Scare-Um、1939年)
- Naughty Neighbors(1939年)(カメオ出演)
- カメラはもうこりごり(Elmer's Candid Camera、1940年)
- 野生のバニー(A Wild Hare、1940年)(バッグス・バニーとしての初出演作、1940年度アカデミー賞短編アニメーション部門ノミネート)
- だまされてポーキー(Patient Porky、1940年)(カメオ出演)
- Elmer's Pet Rabbit(1941年)
- カメ、ウサギに勝つ(Tortoise Beats Hare、1941年)
- Hiawatha's Rabbit Hunt(1941年)(1941年度アカデミー賞短編アニメーション部門ノミネート)
- イタズラなウサギ(The Heckling Hare、1941年)
- ウサギシチューはいかが(All This and Rabbit stew、1941年)
- ウハギのイタズア(Wabbit Twouble、1941年)
- バッグス・バニーと遺産相続(The Wabbit Who Came to Supper、1942年)
- Any Bonds Today?(1942年)(戦意高揚の為に特別に作られたプロパガンダ映画)
- バッグス・バニーと金鉱掘り(The Wacky Wabbit、1942年)
- Hold the Lion,Please(1942年)
- 間抜けなハゲタカ(Bugs Bunny Gets the Boid、1942年)
- お願い聞いて!(Flesh Hare、1942年)
- バッグス・バニーと催眠術(Hare-Brained Hypnotist、1942年)
- バニーと魔術師(Case of the Missing Hare、1942年)
- カメがうさぎを超えた日(Tortoise Winds by a Hare、1943年)
- スーパーウサギ(Super-Rabbit、1943年)
- Jack-Wabbit and the Beanstalk(1943年)
- ハワイアン・ウサギ(Wackiki Wabbit、1943年)
- 名曲の喧しい夕べ(A Corny Concerto、1943年)(The 50 Greatest Cartoons選定作品)
- バニーの大墜落(Falling Hare、1943年)
- やっかいな赤ずきん(Little Red Riding Rabbit、1944年)
- バニーにアカデミー賞を!(What's Cookin' Doc?、1944年)
- バニーと熊の親子(Bugs Bunny and the 3 Bears、1944年)
- Bugs Bunny Nips the Nips(1944年)(戦意高揚の為に特別に作られたプロパガンダ映画。ニップは第二次大戦当時使われた日本人への蔑称)
- バニーの水中遊泳(Hare Ribbin'、1944年)
- 吹雪の夜の知恵くらべ(Hare Force、1944年)
- バニーは大どろぼう(Buckaroo Bugs、1944年)
- 未来のバニー(The Old Gray Hare、1944年)
- 総統と遭遇(Herr Meets Hare、1945年)
- The Unruly Hare(1945年)
- Hare Trigger(1945年)
- デパート戦争(Hare Conditioned、1945年)
- バニーのウサギ病(Hare Tonic、1945年)
- バッグスの野球狂時代(Baseball Bugs、1946年)
- バニーのホラー体験(Hair-Raising Hare、1946年)
- アクロバット・バニー(Acrobatty Bunny、1946年)
- ビッグ・スヌーズ(The Big Snooze、1946年)
- ラビット狂騒曲(Rhapsody Rabbit、1946年)
- バニーは都会っ子(A Hare Grows in Manhattan、1947年)
- 速すぎたバニー(Rabbit Transit、1947年)
- バニーのアルバイト(Easter Yeggs、1947年)
- 今夜のメニューは?(Slick Hare、1947年)
- 我が愛しのゴリラ(Gorilla My Dreams、1948年)
- 酋長のウサギ狩り(A Feather in His Hare、1948年)
- バニーと海賊サム(Buccaneer Bunny、1948年)
- 西部のバニー(Bugs Bunny Rides Again、1948年)
- バニーの宇宙旅行(Haredevil Hare、1948年)
- 脳に電気で能天気(Hot Cross Bunny1948年)
- 恋の爆弾ニンジン(Hare Spritter、1948年)
- バニーの魔法のランプ(A-Lad-In His Lamp、1948年)
- いとしのバニー(My Bunny Lies over the Sea、1948年)
- 劇場の大ハンティング(Hare Do、1949年)
- ミシシッピーバニー(Mississippi Hare、1949年)
- バニー断固抗議する(Rabel Rabbit、1949年)
- ホップ・ステップ・ザップン!(High Diving Hare、1949年)
- こんなん出てますバニー(Bowery Bugs、1949年)
- ハチャメチャコンサート(Long-Haired Hare、1949年)
- 対決!バニーVS.ナイト(Knights Must Fall、1949年)
- 恋のドッグレース(The Gray Hounded Hare、1949年)
- 赤頭巾ウサギに気をつけろ(The Windblown Hare、1949年)
- 南極への旅(Frigid Hare、1949年)
- バニーのジャングル体験(Which Is Witch、1949年)
- ラビット・フッド(Rabbit Hoodr、1949年)
- 夢は音楽家(Hurdy-Gurdy Hare、1950年)
- バニー号の反乱(Mutiny On The Bunny、1950年)
- 家なきウサギ(Homeless Hare、1950年)
- バッグスの大脱走(Big House Bunny、1950年)
- どったのセンセー?(What's Up, Doc?、1950年)
- 泣くなペンギン(8 Ball Bunny、1950年)
- シャル・ウィ・スクエア・ダンス(Hillbilly Bunny、1950年)
- バッグスの独立戦争(Bunker Hill Bunny、1950年)
- バッグス オーストラリアへ行く(Bushy Hare、1950年)
- セビリアのラビット理髪師(Rabbit of Seville、1950年)(The 50 Greatest Cartoons選定作品)
- 新大陸を見つけよう!(Hare We Go、1951年)
- 月曜日にはウサギを(Rabbit Every Monday、1951年)
- バッグス、リングで燃えろ(Bunny Hugged、1951年)
- マイホームは誰のもの(The Fair-Haired Hare、1951年)
- 標的は誰だ(Rabbit Fire、1951年)
- 料理の達人(French Rarebit、1951年)
- 地球サイズの大スター(His Hare-Raising Tale、1951年)
- 新市長は誰だ(Ballot Box Bunny、1951年)
- オレがスターだ(Big Top Bunny、1951年)
- コヨーテ 天才の証明(Operation: Rabbit、1952年)
- どっちがうわて?(Foxy by Proxy、1952年)
- ここ掘れゴールド(14 Carrot Rabbit、1952年)
- 雨の日の悪夢Water, Water Every Hare、1952年)
- 約1匹ワンちゃん(The Hasty Hare、1952年)
- ちゃっかりウサギ狩り(Rabbit Seasoning、1952年)(The 50 Greatest Cartoons選定作品)
- 恐怖のティータイム(Rabbit's Kin、1952年)
- 悲しきハイジャッカー(Hare Lift、1952年)
- 進め三月ウサギ(Forward March Hare、1953年)
- カモにされたカモ(Duck Amuck、1953年)(カメオ出演)(アメリカ国立フィルム登録簿登録作品、The 50 Greatest Cartoons選定作品)
- 危険な勝利(Upswept Hare、1953年)
- サムと共に去りぬ(Southerm Fried Rabbit、1953年)
- グラニーを救え(Hare Trimmed、1953年)
- オーレ!!は闘牛ウサギ(Bully for Bugs、1953年)
- 何のシーズン?(Duck! Rabbit, Duck!、1953年)
- 巨大な国のバッグス(Lumber Jack-Rabbit、1953年)(3D作品)
- ウサギ退治ロボ(Robot Rabbit、1953年)
- バッグス対海賊サム(Captain Hareblower、1954年)
- バニーよ、銃をとれ(Bugs and Thugs、1954年)
- 立ち退き戦争(No Parking Hare、1954年)
- デビル参上(Devil May Hare、1954年)
- 魔女にイチコロ(Betwitched Bunny、1954年)
- バニーのアメリカ旅行(Yankee Doodle Bugs、1954年)
- ドロボ~ベイビー(Baby Buggy Bunny、1954年)
- ダックと豆の木(Beanstalk Bunny、1955年)
- サハラでハラハラ(Sahara Hare、1955年)
- エルマー、バニーになる!?(Hare Brush、1955年)
- ウサギにうさばらし(Rabbit Rampage、1955年)
- これも人生?(This Is a Life?、1955年)
- 恐怖の館(Hyde and Hare、1955年)
- 中世の悪夢(Knight-Mare Hare、1955年)
- ローマのレギオンウサギ(Roman Legion-Hare、1955年)
- 変身大作戦(Bugs' Bonnets、1956年)
- 醜いのがお好き(Broom-Stick Bunny、1956年)
- ラビットソン・クルーソー(Rabbitson Crusoe、1956年)
- ナポレオンVSバッグス(Napoleon Bunny-Part、1956年)
- 荒野の一匹ウサギ(Barbary Coast Bunny、1956年)
- 旅は道づれ(Haif-Fare Hare、1956年)
- スターはつらいよ(A Star Is Bored、1956年)
- テレビで仕返し(Wideo Wabbit、1956年)
- バニーとコヨーテ(To Hare Is Human、1956年)
- アリババ・バニー(Ali Baba Bunny、1957年)
- デビルににらまれたウサギ(Bedeviled Rabbit、1957年)
- 登山でさんざん(Piker's Peak、1957年)
- オペラ座の狩人(What's Opera Doc?、1957年)(アメリカ国立フィルム登録簿登録作品、The 50 Greatest Cartoons選定作品)
- 犯人は半人前(Bugsy and Mugsy、1957年)
- ショービズはキビシ(Show Biz Bugs、1957年)
- バニー結婚決まる!?(Rabbit Romeo、1957年)
- 夫婦でウルフ(Hare-Less Wolf、1958年)
- マーヴィン・アタック(Hare-Way to the Stars、1958年)
- 珍赤頭巾ちゃん(Now Hare This、1958年)
- 歌う剣を取り戻せ(Knighty Knight Bugs、1958年)(1958年度アカデミー賞短編アニメーション部門授賞作品)
- エルマー原人ルーツをさぐる(Pre-Hysterical Hare、1958年)
- ハエと奏でるクラシック(Buton Bunny、1959年)
- 芸の道はキビシイ~(Hare-Abian Nights、1959年)
- 赤ちゃんにご用心(Apes of Wrath、1959年)
- バッグスのオザーク山の一日(Backwoods Bunny、1959年)
- ガマンのガンマン(Wild and Wolly Hare、1959年)
- さすらいの成金ウサギ(Bonanza Bunny、1959年)
- 魔女はジュリエット?(A Witch Tangled Hare、1959年)
- バニーな人々(People Are Bunny、1959年)
- 平和大好き!(Horse Hare、1960年)
- インタビュー・ウィズ・バッグスバニー(Person to Bunny、1960年)
- 天才コヨーテ三たびあらわる(Rabbit's Feat、1960年)
- 禁じられた叫び(From Hare to Heir、1960年)
- 宇宙戦士!ヨセミテ・サム(Lighter Than Hare、1960年)
- 恐怖の雪男(The Abominable Snow Rabbit、1961年)
- 不屈の男天才コヨーテ(Compressed Hare、1961年)
- ヨセミテ・バイキング(Prince Violent(劇場公開版)、Prince Varmnit(テレビ版)、1961年)
- もっとウォーター!(Wet Hare、1962年)
- 究極のメニュー(Bill of Hare、1962年)
- 王様の料理人(Shishkabugs、1962年)
- エンマ・サム大王(Devil's Feud Cake、1963年)
- 早とちりの百万(The Million Hare、1963年)
- バニー、ロードランナーになる!!(Hare-Breadth Hurry、1963年)
- 捜査官の悩み(The Unmentionables、1963年)
- マッド・バッグス(Mad as a Mars Hare、1963年)
- 恐怖のお化けやしき(Transylvania 6-5000、1963年)
- バニーとサムの1917(Dumb Patro、1964年)
- デビル博士とバニー氏(Dr.Devil and Mr. Hare、1964年)
- 取れぬウサギの皮算用(The Iceman Ducketh、1964年)
- 危険なお誘い(False Hare、1964年)
- キネマ・パニック(Box Office Bunny、1991年)
- キャロットブランカ(Carrot Branca、1995年)
- 宝の箱でお払い箱(From Hare to Eternity、1996年)
テレビスペシャル
編集- バッグス・バニーのクリスマス(Bugs Bunny's Looney Christmas Tales、1979年)
長編映画
編集- ロジャー・ラビット(Who Framed Roger Rabbit、1988年)(ディズニー映画(カメオ出演)ミッキーマウスと共演している。
- グレムリン2 新・種・誕・生 (Gremlins 2: The New Batch, 1990年)(カメオ出演)
- スペース・ジャム(Space Jam、1996年)
- ルーニー・テューンズ:バック・イン・アクション(Looney Tunes: Back in Action、2003年)
- スペース・プレイヤーズ(Space Jam: A New Legacy、2021年)
テレビ放送
編集- タイニー・トゥーンズ(Tiny Toon Adventures、1990年 - 1995年)
- ベビー・ルーニー・テューンズ(Baby Looney Tunes、2002年 - 2006年)
- ルーニー・テューンズ・ショー(The Looney Tunes Show、2011年 - 2014年)
- バッグス! ルーニー・テューンズ・プロダクション(Wabbit!、2015年 - 2020年)
- ルーニー・テューンズ・カートゥーンズ(Looney Tunes Cartoons、2020年 - )
- バッグス・バニー ビルダーズ(Bugs Bunny Builders、2022年 - )
キャスト
編集
1938年から1989年までは、メル・ブランクが演じた[3]。
ブランクの死後はジェフ・バーグマン、ビリー・ウェスト、グレッグ・バーソン、エリック・バウザが担当。1990年代後半から2016年まではジョー・アラスキーが演じることが多い。
﹃ベビー・ルーニー・テューンズ﹄ではサムエル・ビンセントが演じた。
﹃スペース・プレイヤーズ﹄ではジェフ・バーグマンが演じた。
日本語版吹き替えの声優は初代から3代目︵バックス・バニー劇場︶は横山道代︵現‥横山通乃︶→久里千春→中村メイコ、4代目は︵﹃マンガ大作戦﹄︶が高橋和枝、5代目︵﹃バッグス・バニーのぶっちぎりステージ﹄、﹃スピルバーグのアニメ タイニー・トゥーン﹄[4][5]︶が富山敬、6代目の現在は山口勝平となっている。
﹃ロジャー・ラビット﹄では鈴木勝美。ただし機内上映版では、富山敬も存在する。また、IVCの﹁アンティーク・アニメ・コレクション﹂では、山崎たくみが、大陸書房版の﹁ピラミッド名作アニメシリーズ バックス・バニー﹂では、古谷徹が務めた。
DVD
編集IVCアンティーク・アニメコレクション「バッグス・バニー」
B-25ギャラリー
編集-
第379爆撃飛行隊
脚注
編集
(一)^ Adamson, Joe (1990). Bugs Bunny: 50 Years and Only One Grey Hare. Henry Holt. ISBN 0-8050-1855-7
(二)^ ﹃ルーニー・テューンズ・カートゥーンズ﹄など。
(三)^ “Mel Blanc”. Behind the Voice Actors. 2013年2月5日閲覧。
(四)^ ﹃声優事典﹄キネマ旬報社、1994年、112頁。ISBN 4-87376-089-5。
(五)^ ﹃声優事典 第二版﹄キネマ旬報社、1996年、204頁。ISBN 4-87376-160-3。