Heat Race1123

1819

実例

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1775年8月22日にレディングバークシャー州)の競馬場で行われたヒート競走。

 
(出典)『レーシングカレンダー 第3巻』
馬名 第1ヒート 第2ヒート 第3ヒート 第4ヒート 結果
Wafer 2着 3着 1着 1着 優勝
Pastime 1着 同着 3着 辞退
Cockspur 3着 同着 2着 失格
Fantail 5着 4着 辞退
Wolsey 4着 5着 辞退
第1ヒートではパスタイム(Pastime[注 1])が1着、第2ヒートではパスタイムとコックスパー(Cockspur)が同着となった。ここまで最下位とブービーが続いたファンテイルとウォルジーは、第3ヒートへの出走を断念して出走辞退(取消)。第3ヒートではウェファー(Wafer)が1着となり、コックスパーが2着、パスタイムは3着。パスタイムはこれで次ヒートへの出走を諦めて出走辞退(取消)。第4ヒートはウェファーとコックスパーの2頭で争われ、ウェファーが1着、コックスパーはウェファーより240ヤード以上遅れたために失格となり、ウェファーの優勝となった。

この競走では1ヒートは4マイル(約6437メートル)で行われており、第4ヒートまで進んだ2頭は合計16マイル(約25.8キロメートル)走って優勝を争った。

「dr」はdrawnすなわち出走辞退。「dſ」(ds)は失格を表す略語。

ヒート競走の諸規則

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王室賞の規定の例

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17世紀からイギリスの各地で王室賞(キングスプレート)という競走が行われていた。これは王室から賞金・賞品が下賜されるもので、あらかじめ所定の競走規則が定められて公示された競馬の競走としては最古のものである[注 2]。王室賞は伝統的にヒート競走で行われた。その施行規則には次のような規定がある。

I Every horse, mare or gelding that runneth for the said Plate shall carry twelve stone; fourteen pounds to the stone, three heats.
  王室賞に出走する牡馬牝馬騸馬の負担重量はいずれも12ストーン(1ストーンは14ポンドとする)。競走は3ヒート戦で行う。(注:1ポンドは約0.45グラム、1ストーンは約6.3キログラム、12ストーンは約76.2キログラム)
III (一部抜粋)and to be allowed half an hour between each heat to rub.
  (訳)各馬は、馬体の手入れのために、ヒートとヒートの間に30分の休憩を認める。
V (一部抜粋)that winneth any two heats, winneth the Plate; but if three several horses(中略)win each of them a heat, then those three, and only they, to run a fourth heat; ant the horse(中略)that winneth the fourth heat, shall have the Plate.
  2つのヒートを勝った馬が優勝とする。もしも3つのヒートの勝馬がそれぞれ異なる場合には、その3頭だけによる決勝戦として第4ヒートを実施する。この場合は第4ヒートの1着馬を優勝とする。
レーシングカレンダー 第3巻』(1775年版)より

下記は1721年4月13日にニューマーケット競馬場で行われた「His Majesty's Plate」(王室賞)の実例である。優勝賞金は100ギニー、6歳以上の牡馬による、4マイルのヒート戦。各馬の負担重量は12ストーン(約76.20キログラム)。

(王室賞の例)
 
(出典)『Baily's Racing Register 第1巻』
馬名 第1ヒート 第2ヒート 第3ヒート 結果
Fox 2着 1着 1着 優勝
Hip 1着 2着 2着
Terror 3着 辞退    
第1ヒートではヒップ(Hip)1着、フォックス2着、テラー3着。このうちテラーは第2ヒートの出走を辞退し、残り2頭で第2ヒート・第3ヒートが行われ、どちらもフォックス1着となり、優勝が決定した。

失格

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1240219.5[1][2]240[1]240distance poledistance240[2][3]

1[4][5]17695342[1]240[1] ()#Eclipse first, the rest nowhere.

勝負なし(「デッドヒート」)

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ヒート競走では、着差が僅差であった場合、同着のため当該ヒートは「勝負なし」とされ、その1ヒート走った分は徒労に終わったということになり、これを「デッドヒート」 (dead heat) といった。

(デッドヒートの例)1775年5月4日にチェスター競馬場で行われた「City Plate」(チェスター市賞)
 
(出典)『レーシングカレンダー 第3巻』
馬名 第1ヒート 第2ヒート 第3ヒート 第4ヒート 結果
Intrepid 2着 同着 1着 1着 優勝
Young Panglos 1着 同着 2着 2着 負け
第1ヒートではヤングパングロス (Young Panglos) が1着、イントレピッド (Intrepid) が2着だった。第2ヒートは同着となり、デッドヒート。第3ヒートと第4ヒートでイントレピッドが1着となり、1着2回によって決勝した。



dead heat1[6]1930[7][8][6]

2015dead heat closeracegamecontest[9][4]

ヒート競走の興亡

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1794年10月2日のバラブリッジ競馬場でのヒート競走。1ヒートは3マイル。第3ヒートがデッドヒート(勝負なし)となり、決着は第5ヒートまでもつれ込んだ。最終ヒートまで争った3頭は合計15マイル(約24キロメートル)を走ったことになる。

18646[12][12]18退[13]

2464378131842[14]19[15]

56使1[13][14]

17803124141[16][5]1Dash Race191

4[15]194姿[13]

19[13]418787[17][6][7]

124311

脚注

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注釈

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(一)^ ſss

(二)^ 22

(三)^ 2 miles and a distance2240distancedistanced[2]2010distance240distance[2][3]

(四)^ Oxford Advanced Learner's Dictionaryespecially British Englishfinish at exactly the same timeduring a race at the same level[10]neck and neck[11]

(五)^ 11609517841[16]

(六)^ Ten Broeck[17]

(七)^ 2019301[18]

出典

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(一)^ abcd1976pp.79-80

(二)^ abcd2008pp.105-106

(三)^ 2002612015610ISBN 978-4-7674-1016-6p.707distance

(四)^  1986p.70

(五)^ 2003p.97

(六)^ ab1990p89

(七)^ JapanKnowledge

(八)^  imidas 2018JapanKnowledge

(九)^ 2002612015610ISBN 978-4-7674-1016-6p.630dead heat

(十)^ Oxford Advanced Learner's Dictionarydead heat2021425

(11)^ JapanKnowledge

(12)^ ab1976p.69

(13)^ abcd1976p.216

(14)^ ab1976p.85

(15)^ ab1976p.144

(16)^ ab1976pp.86-88

(17)^ ab1976p.226

(18)^ 1976p.286