ピアノソナタ第7番 (シューベルト)
ピアノソナタ第7番[注釈 1] 変ホ長調 作品122, D 568 は、フランツ・シューベルトが1817年に作曲したピアノソナタ。
概要
編集曲の構成
編集D 567(変ニ長調)
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●第1楽章 アレグロ
変ニ長調、4分の3拍子、ソナタ形式。
冒頭は "As - F - As - Des - F - As" の単純な主題。ユニゾンの力強い低音によるもの。第2主題は属調変イ長調の優雅なもの。展開部は簡単に済ませている。
●第2楽章 アンダンテ
嬰ハ短調、4分の2拍子。
3連符の多い緩徐楽章。
●第3楽章 アレグレット
変ニ長調、8分の6拍子、ソナタ形式。
ロンドにも近い繊細な楽章。短調と長調の対比が美しく、そこに半音階を入れた秀作だが未完となっている。校訂版では、D 568を基に補われる。
D 568(変ホ長調)
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●第1楽章 アレグロ・モデラート
変ホ長調、4分の3拍子、ソナタ形式。
ほぼD 567と同様。ただ再現部でシンコペーションをつけるなどわずかに修飾している。
●第2楽章 アンダンテ・モルト
ト短調、4分の2拍子。
ほぼD 567に同様だが、調性を同主短調から3度上に変更している。
●第3楽章 メヌエット‥アレグレット
変ホ長調、4分の3拍子。
この楽章だけはD 567にはなく、結果として3楽章ソナタから4楽章へと規模を拡大させている。意表をつく転調が多い。中間部は変イ長調。
●第4楽章 アレグロ・モデラート
変ホ長調、8分の6拍子、ソナタ形式。
ほぼD 567と同様だが完成されている。
脚注
編集- ^ “Wie fälsche ich richtig?”. www.augsburger-allgemeine.de. augsburger-allgemeine (2011年6月3日). 2023年11月7日閲覧。
注釈
編集- ^ マルティーノ・ティリモ校訂によるウィーン原典版ではD 567が第7番、D 568が第8番としてナンバリングされている。