マイクロフォーマット
ワールドワイドウェブが準拠する小さなマークアップで、意味の表現に使う。タグはHTML︵またはXHTML︶のため、その他のメタデータ、RSSなどの他のコンテクストと併用できる。
背景
編集
そもそも、ウェブのマークアップ言語であるHTMLは文書を表現するために開発された。しかし、ウェブが発展してくると、様々な種類の情報を共有するニーズが現れ、HTMLの意味マークアップ能力では力不足だと考えられるようになった。HTMLは情報を文書単位に構造化するので、例えば医療機関の電話番号を知りたいと思っても、現在一般的なWWW検索エンジンでは単語などの単位でしか検索できず、使いにくい。
マイクロフォーマットはこの問題に対して漸進的なアプローチを取り、HTMLに現実のニーズに応じた意味拡張を施すことを目指している。
マークアップ例
編集例として、連絡先情報を記述する hCard のマークアップを示す。
<address class="vcard">
<span class="fn">山田 太郎</span><br>
<span class="org">株式会社マイクロフォーマット</span><br>
<span class="tel">604-555-1234</span><br>
※<a class="url" href="http://facebook.com/yamada.tarou">フェイスブック</a>もご覧下さい。
</address>
一覧
編集マイクロフォーマットとその用途の不完全な一覧を載せる。
- hAtom(仕様) - 標準のHTML内にAtomフィードをつくる
- hCalendar(仕様) - イベント情報
- hCard(仕様) - 連絡先情報
- hReview(仕様) - 書評などのレビュー
- hResume(仕様) - 履歴書
- rel-directory(仕様) - 分散ディレクトリ
- rel-tag(仕様) - 分散型のタギング(フォークソノミー)
- xFolk(仕様) - ソーシャルブックマーク
- XFN - 友人関係など社会的ネットワーク
- XOXO - リストとアウトライン
この他にも提案されているマイクロフォーマットがいくつもある。詳細は外部リンク先を参照されたい。
マイクロフォーマットの利用
編集HTMLとともにマイクロフォーマットを使うことで、アプリケーションから使える意味ある情報をもたらすことが出来る。これらは、ウェブクローラのようなオンラインデータを収集するアプリケーションや、電子メールクライアント、スケジュール管理ソフトなどといったデスクトップアプリケーションなどが該当するだろう。
Tails Export[1] や Operator[2] といったブラウザ拡張により、HTML中のマイクロフォーマットを検出し、Microsoft Outlook のような情報管理、カレンダーソフトウェアでも使えるフォーマットへ変換することが出来るようになっている。
マイクロフォーマットの作成
編集
既存のマイクロフォーマットの多くは、microformat wiki[4] で作成でき、ウェブ上の実例を収集する過程で、メーリングリストと連携していた。他のマイクロフォーマット︵unAPI、rel=pavatar など︶は、他の場所で提案、開発中である。