ムーバブルフレーム
ロボットアニメの用語
重戦機エルガイム
編集ガンダムシリーズ
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﹃ガンダムシリーズ﹄では﹃機動戦士Ζガンダム﹄において初めて﹁ムーバブル・フレーム﹂という、モビルスーツ(MS)のフレーム構造の設定が登場した。
RX-78ガンダムを含む従来のMSは外骨格︵モノコック構造︶で設計されており、装甲も骨格の一部として機体を支える構造をとっていた。そのため、大型機械であるMSを安価に生産できる反面、運用効率には課題を残していた[2]。また、ビーム兵器の普及により、重装甲化が有用ではなくなり始めた事を受け、運用は防御力より運動性を重視するものにシフトした[3]。こうして開発されたムーバブル・フレームは機体骨格と装甲を二分した構造をとり、整備性や運動性の向上に寄与した[3]。同時に、このフレームの採用により装甲そのものは第1世代MSのような骨格との兼用から純粋な装甲板へと変遷し、可動装甲板︵フローティング・アーマー︶となったことで可動域も向上した[4]。加えて、ガンダリウムγの採用によって、装甲そのものは軽量かつ剛性が高いものとなっている[4]。この技術の原型となったのはコア・ブロックシステム[3]やマグネットコーティングである[2]。
宇宙世紀0083年頃より可変モビルアーマー(MA)の開発が始まると[5]、その変形機構においてムーバブル・フレームは大いに活用され、機体サイズの小型化と剛性の強化を両立させた[5][注1]。
このムーバブル・フレームの実用化は地球連邦軍が先んじて成功し[5]、ガンダムMk-IIで初の導入が行われた[2][注2]。
時を同じくして、ティターンズの意向によりガンダムMk-IIの開発に参加できなかったアナハイム・エレクトロニクスはエゥーゴと協力し、独自に試作型のムーバブル・フレームを開発しリック・ディアスへの採用に漕ぎ付けている[5]。しかし、ガンダムMk-IIのそれよりも完成度は低く、一連のΖ計画の過程でデルタガンダムの開発に失敗していた。そこに、エゥーゴのガンダムMk-II強奪によって完成度の高い技術がもたらされ、Ζガンダムといった可変MSを実用化する事にも成功した[5]。
一方で、宇宙世紀0111年にフォーミュラ計画が発動されると、MSの骨格や装甲には、サイコフレームで培われた技術をベースとしたMCA構造が取り入れられるようになった[6]。
機甲戦記ドラグナー
編集脚注
編集注釈
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(一)^ なお、アクシズではムーバブルフレームに依らない独自の可変モビルスーツ、ガザシリーズを比較的早期に開発しているが、これは独自のブロック移動方式によるものである[5]。
(二)^ ただし、腕部等の限定的な導入はジム・クゥエルにその先駆型が導入されている[3]。
出典
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(一)^ 永野護著、角川書店編﹃重戦機エルガイム﹄1-2、ザ・テレビジョン・アニメシリーズ、角川書店、1984-1985年
(二)^ abc﹃ENTERTAINMENT BIBLE 機動戦士ガンダムMS大図鑑 PART.8 SPECIALガンダム大鑑﹄バンダイ、1993年2月、36-37頁。(ISBN 978-4891892067)
(三)^ abcd﹃パーフェクトグレード RX-178 ガンダムMk-II︵エゥーゴ︶﹄バンダイ、2001年11月、説明書。
(四)^ ab﹃ENTERTAINMENT BIBLE 機動戦士ガンダムMS大図鑑 PART.2 グリプス戦争編﹄バンダイ、1989年3月、72頁。(ISBN 978-4891890186)
(五)^ abcdef﹃ENTERTAINMENT BIBLE 機動戦士ガンダムMS大図鑑 PART.2 グリプス戦争編﹄バンダイ、1989年3月、38-42頁。(ISBN 978-4891890186)
(六)^ ﹃ENTERTAINMENT BIBLE35 機動戦士ガンダムMS大図鑑PART5 コスモ・バビロニア建国戦争編﹄バンダイ、1991年6月、60-61頁。ISBN 4-89189-157-2。
(七)^ ﹃Bクラブスペシャル ドラグナー モデル&設定集﹄バンダイ、1987年9月10日、42頁。ISBN 4-89189-324-9。