一致性 (統計学)
統計学における信頼区間の計算や仮説検定の実施などの手順の一致性︵いっちせい、consistency︶は、その手順を適用するデータセットの項目数が無制限に増加したときの挙動に求められる特性。無制限のデータを対象とした手順の結果、根本的な真実を特定するものでなければならない[1]。1922年、ロナルド・フィッシャーがこの用語の使用を提唱した[2]。
統計において、一致性という用語は、本質的に同一の手順を任意の数のデータ項目に適用できる場合に用いられる。統計の複雑な応用例では、データ項目の数が増え方が複数ある場合もある。例えば、ある地域の降水量の記録は、﹁期間を追加する﹂﹁測定地域内の測定地点を増やす﹂﹁測定地域を拡大する﹂といった形で増える可能性がある。一致性が成立するかどうかは、データの増え方によって変わる場合もある。
推定量
編集仮説検定
編集一致性のある仮説検定とは、偽の仮説の検定の検出力が、データ項目が増加するに伴って、1まで増加する検定のことである[3]。
分類
編集統計的分類では、一致性のある分類器とは、トレーニングセットが与えられた場合に正しい分類ができる確率が、トレーニングセットのサイズが大きくなるにつれて、母集団の分布が完全にわかっている場合に理論的に可能な最高の確率に近づくものである。
スパース性
編集
ベクトル
のサポート
を次のように定義する。
ただし、
は
の
番目の要素
スパース性は、サンプル数が無制限に増加するにつれて、推定量のサポートが真のサポートに収束するという特性である[4]。より正式には、
- ただし、 は の推定量
関連項目
編集- 一致推定量
- 均質性(統計)
- 内部の一貫性
- 信頼性(統計)
脚注
編集- ^ Dodge, Y. (2003) The Oxford Dictionary of Statistical Terms, OUP. ISBN 0-19-920613-9 (entries for consistency, consistent estimator, consistent test)
- ^ Upton, G.; Cook, I. (2006) Oxford Dictionary of Statistics, 2nd Edition, OUP. ISBN 978-0-19-954145-4
- ^ Dodge, Y. (2003) The Oxford Dictionary of Statistical Terms, OUP. ISBN 0-19-920613-9ISBN 0-19-920613-9 (entries for consistency, consistent estimator, consistent test)
- ^ “Consistency, Sparsistency and Presistency” (英語). Normal Deviate (2013年9月11日). 2021年1月24日閲覧。