二核菌糸というのは、主として担子菌類に見られる菌糸の状態で、菌糸の細胞が常に二つの核を含んだ状態で成長するものを指す。二次菌糸とも。

シイタケの柄の部分の菌糸
中央にかすがい連結が見える

概説

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担子菌類の多くは、担子胞子が発芽すると菌糸間の、あるいは菌糸と分生子の接合が行われるが、それによって特別な接合子が形成されるものはほとんどない。多くのものでは菌糸の状態で成長が続けられる。その際、その菌糸の内部には接合によってもたらされた二系統の核が入っており、成長して細胞分裂する際にも、特別な方法によって新たにできた細胞にも二核が入っている状態を維持する。これを二核菌糸という。この状態は、たいていは子実体の中の子実層で核の融合が行われるまで続き、それに続いて減数分裂が行われ、それぞれの群に特有な胞子が形成される。

担子菌類の場合、接合後の菌糸はすぐに子実体形成に結び付くとは限らず、むしろ栄養体菌糸として基質中に広がって成長する例が多い。このような二核菌糸からなる菌糸体を二核菌糸体と言う。子実体を形成している菌糸はすべて二核菌糸である。

分裂の方法

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二核菌糸における分裂の仕組み





(clamp connection)

生活環における位置付け

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nn2nnnn使

(Taphrina )

参考文献

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  • ジョン・ウェブスター/椿啓介、三浦宏一郎、山本昌木訳、『ウェブスター菌類概論』,(1985),講談社
  • C.J.Alexopoulos,C.W.Mims, & M.Blackwell,INTRODUCTORY MYCOLOGY 4th edition,1996, John Wiley & Sons,Inc.