仏足石歌

薬師寺の仏足跡歌碑に刻まれた21首の歌、およびそれと同じ歌体を持つ和歌

仏足石歌(ぶっそくせきか)は、仏足石(仏足跡)の歌とも呼び、薬師寺仏足跡歌碑に刻まれた21首の歌、およびそれと同じ歌体を持つ和歌を言う。

仏足跡歌碑 拓本

薬師寺の仏足石歌

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174

7535

6656

仏足石歌体

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1

     

     

   鹿  163884 

   鹿  

       

     

2
  • 増鏡そこなる影にむかひ居て見る時にこそ知らぬ翁に逢ふ心地すれ(拾遺和歌集、雑下、旋頭歌。躬恒集にも見える)
  • 東路の八重の霞を分け来ても君にあはねばなほ隔てたる心地こそすれ(千載和歌集、雑歌下、旋頭歌、源仲正
  • 東路の野島が崎のはま風にわがひも結ひしいもが顔のみおもかげに見ゆ(千載和歌集、雑歌下、旋頭歌、左京大夫顕輔

仏足石に刻まれた歌

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1番歌

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万葉仮名(原文)

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美阿止都久留 伊志乃比鼻伎波 阿米尓伊多利 都知佐閉由須礼 知々波々賀多米尓 毛呂比止乃多米尓

平仮名置き換え

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みあとつくる いしのひびきは あめにいたり つちさへゆすれ ちゝはゝがために もろひとのために

漢字混じり文(参考)

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御足跡作る 石の響きは 天に至り 土さへ揺すれ 父母が為に 諸人の為に

  • 「御足跡(みあと)」は単に「御跡」と表記されることも多い。

2番歌

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万葉仮名(原文)

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平仮名置き換え

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みそちあまり ふたつのかたち やそくさと そだれるひとの ふみしあとゝころ まれにもあるかも

漢字混じり文(参考)

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三十余り 二つの相 八十種と 備れる人の 踏みし足跡処 希にも有るかも

17番歌

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万葉仮名(原文)

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於保美阿止乎 美尓久留比止乃 伊尓志加多 知与乃都美佐閇 保呂歩止曽伊布 乃曽久止叙伎久

  • 「曽」と「叙」は現代の平仮名では共に「ぞ」と表記されるが、奈良時代には別の発音であった。

平仮名置き換え

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おほみあとを みにくるひとの いにしかた ちよのつみさへ ほろぶとぞいふ のぞくとぞきく

漢字混じり文(参考)

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大御足跡を 見に来る人の 去にし方 千代の罪さへ 滅ぶとぞ言ふ 除くとぞ聞く

関連項目

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