伊予鉄道600系電車(いよてつどう600けいでんしゃ)は、1958年に製造されかつて伊予鉄道に在籍していた鉄道線電車である。

伊予鉄道600系電車
伊予鉄道600系電車
基本情報
製造所 ナニワ工機(601・602)
日本車輌製造(603)
主要諸元
編成 3両
軌間 1,067mm
電気方式 直流 600/750 V
架空電車線方式
編成定員 420 人
車両定員 140 人
車両重量 31t(601)
30t(602)
32t(603)
編成重量 93t
全長 18,800mm
全幅 2,700mm(601・602)
2,744mm(603)
全高 4,100mm(601)
3,721mm(602)
4,150mm(603)
台車 日本車輌製造ND-104(601・602)
住友金属工業FS-504(603)
主電動機 直流直巻電動機
三菱電機MB-3032-C(601・602)
三菱電機MB-3054-D2(603)
主電動機出力 75kW×2(601・602)
75kW×4(603)
駆動方式 WN平行カルダン
歯車比 97/16=6.06(601・602)
98/15=6.53(603)
編成出力 450kW
制御装置 抵抗制御
三菱電機ABF-104-6ED改
(601:単位スイッチ式)
三菱電機ABFM-104-75MDA
(603:電動カム軸式)
制動装置 AMAR-D (ARD)発電ブレーキ併用自動空気ブレーキ
保安装置 ATS
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モハ602 窓のない妻面に広幅貫通路を備える。連結器左側に元空気溜管とブレーキ管を通し、左右に制御線や補機への電力供給用母線、それにサービス系統など多数のジャンパ線を機能別に分散してペアとなるモハ601へ渡しており、典型的なMM'ユニット構成車であることが見て取れる。

日本国有鉄道や大手私鉄でもカルダン駆動の新性能車がようやく量産化されようとしていた時期に、四国地区で初めての鉄道線向け新性能電車として登場し、注目を浴びた形式である。

概要

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調1958702

600601
(Mc)

600602
(M'c)

197911001102602

600603
(Mc)

モハ601・602

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600/750V141C4M1,500VMM'WNMT1:1[1]

19m16m31t60131t60230t

車体

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19m



d1D(1)4D(1)3(1)D2dD(1)H12

H123

便




主要機器

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主電動機

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MB-3032-C[2]2

WN97:16(6.06)

MB-303219562000MB-3032-A22201,067mmWN

主制御器

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主制御器は単位スイッチ式間接自動制御器である三菱電機ABF-104-6EDをモハ601に搭載する。

台車

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台車はウィングばね式軸ばねとペデスタルを組み合わせた軸箱支持機構を備える、日本車輌製造ND-104を装着する。この台車は型番(ND)が示す通り、日本車輌製造の名古屋本店が設計製作を担当しており、国鉄DT21形台車を基本とするこの時期の私鉄向け高性能電車用台車の典型例の一つである。

ブレーキ

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AAMAR-D(ARD)

HSC-D

モハ603

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WN6001M303304[3]

車体

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19m762mm便2,700mm6016022,744mm44mm[4]

110111516026013

d3D3 3D332




主電動機

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MB-3054-D2[5]24WN98:15(6.53)

1977303304MB-305430001000MB-3032[6]197075kWWN

主制御器

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303304ABFM-104-75MDA

2303304602

台車

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新設計のダイレクトマウント式軸ばね台車である住友金属工業FS504を装着する。

この台車はやはりモハ303・304用として設計された住友金属工業FS397の姉妹形式にあたり、心皿以下は完全に共通設計[注 7]であるが、連結相手であるモハ601・602が金属ばね台車であったためか[注 8]枕ばねがダイアフラム形空気ばねではなく、複列配置のコイルばねとオイルダンパを組み合わせたものとされており、このため下揺れ枕より上はボルスタアンカー部を含め別設計となっている。

ブレーキ

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連結相手のモハ601・602に合せて電空併用のAMAR-D(ARD)ブレーキを搭載する。

空気圧縮機 電動発電機

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モハ303・304ではC-1000型電動空気圧縮機を搭載しているが、連結相手のモハ601・602に合せてDH-25電動空気圧縮機を搭載している。電動発電機は東洋電機製造製TDK366-A(定格出力5.5kVA)を搭載している。

運用

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1970

1960323

19796036022D(1)4D(1)3(1)D23



800600800調19956101995115117[1]

6032

20088102601103120使

602111820

脚注

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注釈

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(一)^ 2210000

(二)^ 300V175kW1,290rpm

(三)^ WN603

(四)^ 19652,744mm

(五)^ 375V175kW1,492rpm

(六)^ 1960300MB-3032-S219651000MB-3054-B

(七)^ 

(八)^ 

出典

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  1. ^ 寺田裕一 『ローカル私鉄車輌20年 西日本編』 JTBキャンブックス 186 - 188ページ

参考文献

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  • 『世界の鉄道'76』朝日新聞社、1975年、pp.114-118・166・167
  • 『鉄道ピクトリアル No.430 1984年4月号』、電気車研究会、1984年
  • 『鉄道ピクトリアル No.509 1989年3月臨時増刊号』、電気車研究会、1989年
  • 『鉄道ピクトリアル No.726 2003年1月号』、電気車研究会、2003年