愛知県と岐阜県にまたがる美濃三河高原の一部であり、標高500メートルから700メートルのなだらかな地形がひろがっている[2]。作手高原の東側には、本宮山断層崖による直線状の急斜面が形成されており、その東側には豊川が形成する幅の広い谷が形成されている[2]。作手高原と豊川の谷の高度差は500メートルもあり、断層運動によって作手高原を乗せた岩盤が大きく上昇したことが理由である[2]。作手高原の平均標高が550メートルであることから、平均気温は12.5℃と冷涼である[1]。年間降水量は2,300ミリメートルと多く、夏季低温多雨という特殊な気象条件となっている[1]。
かつての作手高原には、完新世に形成された沖積層の大野原湿原があり、泥炭が堆積して底なし沼の状態になった湿原だった[2]。1960年代には農業基盤整備事業がすすめられ、かつて農業に用いるのが困難だった湿原は一般的な水田となった。この過程で、50ヘクタールあった大野原湿原はほぼほぼ消滅し、ごく一部が清岳向山湿原として残っている[1]。清岳向山湿原を含む作手地区の中間湿原群は、2001年︵平成13年︶に環境省の﹁日本の重要湿地500﹂に選定された[1]。
- ^ a b c d e “作手中間湿原群”. 愛知県. 2019年12月5日閲覧。
- ^ a b c d e f g h 河村愛・河村善也「作手高原の地形と生いたち」『新城市の自然誌 地学編』新城市鳳来寺山自然科学博物館、2015年、203-222頁
- 『新城市の自然誌 地学編』新城市鳳来寺山自然科学博物館、2015年