土圭
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土圭 (とけい)とは、大辞林によると、中国周代に用いられた、立てた棒の影の長さを測る粘土製の緯度測定器[1]。大辞泉によると、方角や日影を測るための磁針を指す昔の中国の表現[2]。
日本の辞典﹃精選版 日本国語大辞典﹄では、その中国の器具を指して、方角、あるいは土地の暑さ寒さを︵日影︵にちえい︶太陽の影︵すがた︶や陰︶を使って測定する器具[3]、あるいは太陽を使い時間を測定する器具︵つまり日時計︶といったこと、を説明[3]。
中国の﹃周礼﹄に土圭という言葉は見られ、日本の﹃菅家文草﹄(900年ころ︶にも見られる[3]。
なお機械時計は土圭とは表記しない。そちらの表記はあくまで時計である。中国で機械式で鐘を打って時を知らせる装置が現れた時にはあくまで自鳴鐘という表記が用いられた。日本でも方角を測る機能でなりたつ日時計を指すには土圭という表記でよかった。だが1551年にフランシスコ・ザビエルによって機械式で鐘を鳴らす時計、いわゆる﹁時打ち時計﹂をもたらされたとき、それを指すのには土圭という表記は使われなかった。それらは別物だからである。あくまで機械式時計の表記には当時﹁時器﹂﹁時辰儀﹂﹁時辰表﹂などが使用されたにすぎない[3]。やがて機械式時計は時計と表記されるようになっていった。つまり日本語の選択の経緯をふまえても、土圭と時計はしっかりと別物だと考えたほうがよい。
脚注
編集関連項目
編集- 表 (道具) - 緯度を観測するための道具。