本項では自転車における変速機(へんそくき)について解説する。自転車においては操作機構も含めて説明することが不可欠であるため、それについても本項にて取り扱う。

概説

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歯数比とトルクの関係を示した模式図。
後ろ側スプロケットを大きく(あるいはチェーンホイールを小さく)すると変速比が小さくなり、出力トルクは大きくなり回転毎の進む距離が短くなる。
後ろ側スプロケットを小さく(あるいはチェーンホイールを大きく)すると変速比が大きくなり、出力トルクは小さくなり回転毎の進む距離が長くなる。







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232030

歴史

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前史

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ペニー・ファージング型自転車
 
安全型自転車

19

1921使


フリーホイールの登場

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1920





1869

変速機の登場

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ロードスター

1900[1]1936AW-3使使1937

AW-3

外装変速機の進化

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Cyclo1971252018MTB12

使使調

技術革新

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19731970使[?]

SIS19831986SIS

SIS調

1989STI1991

姿

電動・コンピュータ制御化

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1979PC5FFP1980PC61993ZMS202000

2001Di2Digital Integrated Intelligence[2]2002NEXAVEDi22009Di22010[3]TiSO201212[4]

2015[5]SRAMUCI[6]

NEXAVE

内装変速機の進歩

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5712AW-37SRAM14120mm調使8

変速機

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内装式変速機の内部構造

自転車の変速機ではクランクまたはリヤハブスプロケットに取り付けられた歯数の異なる歯車にチェーンを架け替えるか、ハブなどに内蔵された遊星歯車機構のギヤ比を変更することによって変速する。前者を外装式、後者を内装式と呼んで区別する。

内装変速機

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90951.032[7]

外装変速機

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リアディレイラー
フロントディレイラー

[8]









[?]





1112MTBMTB

95200[7]

FF
   
ディレイラーガード
ディレイラーハンガー

[9]

外装変速機の歴史

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古い外装変速機。2つのレバーでチェーン掛け換えと、車軸をずらしてテンション調整を行う。

241960沿1980

外装+内装変速機

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古典的な内装3段変速と外装変速を合体させた変速機。主に折り畳み自転車など自転車競技用以外のもの、または二人乗り自転車やリカンベントのような、チェーンが通常より長く途中にアイドラスプロケットを有し、大きく脱線させることが難しい自転車に使われる。チェーンテンションがある程度一定でキャパシティを求められないことと、フロントディレーラーを併用せずともリヤディレーラーのみで変速段数を稼ぐことができるために、リカンベントへの採用が多い。「デュアルドライブ」はSRAMの商標、「インテゴ」はシマノの商標である。

シフター

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使SIS

ドロップハンドル向け

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ダウンチューブシフター

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専用台座を介して装着されたシマノSL-R400

278007900

調調使

STIW[10][?]


デュアルコントロールレバー

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デュアルコントロールレバー

1991使DURA-ACE Di22010使SRAMSTISTI

バーエンドコントローラー

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バーエンドシフター

使TT使+

使[11]使[12]

コマンド

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姿910 A0507

トップチューブシフター

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トップチューブ前方のボックスから自動車のフロアシフトのようにレバーが伸びている。車種は「モンテカルロ コンポデジメモ」(1981)

少年用スポーツサイクルを中心に、トップチューブ上にシフターを取り付けていた。自動車のレンジセレクターとフロアシフトを模したレバーであった。シフトインジケーターが搭載されており、単にレバーの位置に目盛りが付いている物や、機械式のバーが窓の中に表示されるもの、電子式のインジケーターなどがあった。特長としては、ダウンチューブシフターより操作しやすく、ポジションの確認が容易である。欠点としては、ハンドルに取り付けたシフターより操作しにくいことと、トップチューブ上にレバーがあるため乗車や降車時に邪魔になる事である。また、事故時に股間や腹部の怪我の原因になりやすい問題もあった。

フラットハンドル向け

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ラピッドファイヤー、トリガーシフター

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SHIMANO ST-EF50

ラピッドファイヤーは2本のレバーにシフトアップとダウンがそれぞれ振り分けられており、これを1本にまとめた物がトリガーシフターである。フラットハンドル向けでは圧倒的な支持を得ているため単にシフトレバー若しくはシフターと呼んだ場合、フラットハンドルにおいてはこのタイプを指すことが多い。なお「ラピッドファイヤー」という名称はシマノの、「トリガーシフター」はSRAMの商標である。

ちなみに、初期のラピッドファイヤーは下項目のエクスプレスシフターと同様、シフトアップとダウンの両方を親指で行う方式であったが、その後「ラピッドファイヤープラス」として登場した現在の形式に置き換わった。登場から20年を経て熟成され、後から登場したデュアルコントロールレバーをも淘汰するほど根強い人気を誇った。

デュアルコントロールレバー

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フラットハンドル向けにもデュアルコントロールレバーは存在する。ブレーキをかけながら変速できるのが最大の特徴であるとして発売されたが、もともと操作性の良かった「ラピッドファイヤー」や「トリガーシフター」を凌ぐほどではなかったためユーザーから人気が得られず、なおかつブレーキレバーとシフターの単品を組み合わせるよりも高価であったことから販売不振が続き、リア10速コンポーネントから廃止された。発売していたのはシマノのみで、こちらも「STI」と呼ばれることがある。

エクスプレスシフター

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サンツアーが発売していたシフトレバー。2本のレバーにシフトアップとダウンがそれぞれ振り分けられているのはラピッドファイアーと同じだが、現在のラピッドファイヤーが片方のトリガーを人差し指で引く動作であるのに対し、エキスプレスシフターは、初期のラピッドファイヤーと同様、両方のレバーを親指で押す動作で行う。

グリップシフト

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ブリヂストンサイクルとマエダ工業が共同開発したシフター。可動グリップと固定グリップに分割したことを特徴としそれが基本特許となっている。シフトは可動グリップをひねることによって行う。グリップの根本に取り付けて使うため、専用の短い固定グリップが必要となる。利点としてはシフト時に指を離すことなくシフト出来るため安定感が非常に高いことが上げられる。欠点としては、ブレーキを引きながら手首を捻るのが難しいためブレーキ中シフトが行いにくいこと、一度に多段変速しようとすると手首の移動量が大きくなりブレーキから指が離れてしまうことが上げられる。現在はシマノレボシフトという名前で同様機構のものを製作しているが、SRAMもシマノ用のグリップシフターを用意している。レボシフトについてはフロントフリクション(とはいえ、無段階ではなく細かいクリックがある)、リアインデックスの組み合わせ。

   
シマノ レボシフト
SRAM グリップシフト

サムシフター

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ハンドルに取り付けられた一本のレバーを左右に回転させることにより変速する形式。主に親指で操作したことからこの名前がある。フラットハンドル用としては最も古く、その構造はシンプルで、ダウンチューブシフターを専用台座でハンドルに取り付けた物に近い。SIS開発前(1970年代後半には既に存在した)から流通しているタイプなので、サムシフターに限りフリクションで使えるものもある。レバー部分がY字形になった「ウィッシュボーンシフター」というバリエーションも存在していた。

脚注

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(一)^  1902 

(二)^  - WIRED.jp2001821

(三)^  - ciclowired.jp20101110

(四)^ TISO12 - THE BIKE JOURNAL20121213

(五)^ ? - cyclingtime.com2013419

(六)^ AG2R - cyclowired2015119

(七)^ ab[1] - Human Power Number52, 2001 summer

(八)^ DerailleurDerailleurDerailleur (Derail) Derailer使

(九)^ 

(十)^  2003pp.42 - 43

(11)^ Pamela Blalock, Bikes for Randonnees, The Blayleys.

(12)^ . 20095212009514

外部リンク

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