川口久雄
略歴
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1937年、東京文理科大学国文科卒。陸軍予科士官学校教授、金沢高等師範教授を経て、金沢大学法文学部教授を務めた[1]。1969年、任期満了の助手を一方的に履免しようとしたことで、金沢大学法文学部に大学紛争のきっかけを作った[2][3]。当時、金沢大学法文学部文学科に在籍していた木越治によれば、履免理由は助手が﹁学生に好意的すぎるという理由﹂だったという[3]。木越は、川口を﹁学者としてはとても優秀な人。ただし、私は当時から今に至るまで大嫌いです﹂と評している[3]。
平安朝漢文学を専攻としたが、漢文学そのものからヨーロッパにまで関心が広がり、やがてロシア、イギリスなどにおける日本文学の受容にまで関心が及び、比較文学の領域に踏み込んだ。﹃西域の虎﹄は、和漢比較文学の名著として知られる。また没後、敦煌に関する著作が数多く刊行された。また新発見の﹃古本説話集﹄もいち早く紹介した。知識は博大で、西洋文芸にも通じていた[要出典]。1961年中日文化賞受賞[4]。
著書
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●﹃平安朝日本漢文学史の研究︵上下︶﹄明治書院、1959-1961
●﹃大江匡房﹄吉川弘文館︿人物叢書﹀、1968、新装版1989
●﹃西域の虎 平安朝比較文学論集﹄吉川弘文館、1974
●﹃花の宴 日本比較文学論集﹄吉川弘文館、1980
●﹃絵解きの世界 敦煌からの影﹄明治書院、1981
●﹃平安朝の漢文学﹄吉川弘文館、1981
●﹃漱石世界と草枕絵﹄岩波書店、1987
●﹃日本列島の原風景1.山岳まんだらの世界﹄名著出版、1987
●﹃日本列島の原風景2.風土と美意識の系譜﹄名著出版、1989
●﹃源氏物語への道 物語文学の世界﹄吉川弘文館、1991
●﹃平安朝漢文学の開花 詩人空海と道真﹄吉川弘文館、1991
●﹃敦煌よりの風1.敦煌と日本文学﹄明治書院、1999
●﹃同2.敦煌と日本の説話﹄明治書院、1999
●﹃同3・4.敦煌の仏教物語︵上下︶﹄明治書院、1999
●﹃同5.敦煌の風雅と洞窟﹄明治書院、2000
●﹃同6.敦煌に行き交う人々﹄明治書院、2001
編著
編集校注等
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●﹃古本説話集﹄岩波文庫、1955
●﹃日本古典文学大系73和漢朗詠集 梁塵秘抄﹄岩波書店、1965。後者は志田延義担当
●﹃日本古典文学大系72菅家文草・菅家後集﹄岩波書店、1966
●若林力共編﹃菅家文草・菅家後集詩句総索引﹄明治書院、1978
●藤原公任﹃和漢朗詠集 全訳注﹄講談社学術文庫、1982
●藤原明衡﹃新猿楽記﹄平凡社東洋文庫、1983、ワイド版2008
●奈良正一共著﹃江談証注﹄勉誠堂、1984
●﹃幕末・明治海外体験詩集 海舟・敬宇より鴎外・漱石にいたる﹄大東文化大学東洋研究所、1984
●本朝麗藻を読む会﹃本朝麗藻簡注﹄勉誠社、1993