不同意わいせつ罪(ふどういわいせつざい)は、刑法176条規定されている犯罪である。

不同意わいせつ罪
法律・条文 刑法176条
保護法益 性的自由
主体
客体
実行行為 わいせつ行為
主観 故意犯
結果 結果犯、侵害犯
実行の着手 -
既遂時期 「暴行・脅迫」、「アルコールや薬物を摂取させる」「経済的・社会的地位に基づく影響力によって不利益を心配させる」など8つの行為によって、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、わいせつな行為をした時点、被害者が16歳未満(当該16歳未満の者が13歳以上である場合については、その者が生まれた日より5年以上前の日に生まれた者が加害者の場合に限る。)の者の場合は、状況にかかわらずわいせつな行為をした時点
法定刑 6ヶ月以上10年以下の懲役
未遂・予備 未遂罪(第180条)
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概説

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2023176[1][2][1]

[2]

176365235=6399[4]3212210110

2023

犯罪類型

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不同意わいせつ罪

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「暴行・脅迫」、「アルコールや薬物を摂取させる」「経済的・社会的地位に基づく影響力によって不利益を心配させる」など8つの行為によって、困難な状態にさせ若しくはその状態にあることに乗じてわいせつな行為をしたした者は、6ヶ月以上10年以下の懲役に処する。

状況にかかわらず16歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も同様とする(刑法第176条)。

未遂はこれを罰する(刑法第180条)。

2023年の改正で従前の準強制わいせつ罪が不同意わいせつ罪に統合された。

監護者わいせつ罪

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18歳未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じてわいせつな行為をした者は、第176条の例による(刑法第179条1項)。

未遂はこれを罰する(刑法第180条)。

2017年(平成29年)7月13日施行改正刑法により新設。立法趣旨については「不同意性交等罪」を参照のこと。

不同意わいせつ致死傷罪、監護者わいせつ致死傷罪

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不同意わいせつ若しくは監護者わいせつ罪又はそれらの未遂罪を犯し、よって人を死傷させる罪で、不同意わいせつ罪の結果的加重犯である(刑法第181条1項)。法定刑は無期又は3年以上の懲役である。

過去の類型

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2023年改正前では、「強制わいせつ罪」として、13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者、また13歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者を6ヶ月以上10年以下の懲役に処すると規定していた(刑法旧第176条)。

さらに「準強制わいせつ罪」として、人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、わいせつな行為をした者は、強制わいせつ罪と同様の法定刑を適用する規定していた(刑法旧第178条1項)。いずれも未遂処罰規定あり(刑法第180条)。

2023年改正により両罪とも「不同意わいせつ罪」へ移行した。

また上記2つの罪、監護者わいせつ罪のいずれかの罪またはそれらの未遂罪を犯し、よって人を死傷させた場合は、無期又は3年以上の懲役に処するという結果的加重犯が規定されていた(刑法旧第181条1項、「強制わいせつ致死傷罪」、「準強制わいせつ致死傷罪」「監護者わいせつ致死傷罪」)。

2023年改正により、強制わいせつ致死傷罪、準強制わいせつ致死傷罪については、不同意わいせつ致死傷罪へ移行した。

脚注

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注釈

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(一)^ 29

(二)^ 177176(1934)230(1938)773(1950)139(1965)312(1981)713(2002)183 4(2015)673(2015)146(2016)106[3]

出典

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(一)^ 西  199984

(二)^    199991

(三)^ 西702-3西20209359-399CRID 1051975278420332160hdl:10112/00021370ISSN 0437648XNAID 12000689748820231030 

(四)^    1990490

関連項目

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