強磁場激変星
強磁場激変星[1]またはポーラーは、非常に強い磁場を持つ激変星の連星系の分類である。
白色矮星の公転と自転が同期しているものをポーラー(polar)、同期していないものを中間ポーラー(intermediate polar)と分類している[2]。ポーラーはヘルクレス座AM型星︵略号AM[3]︶、中間ポーラーはヘルクレス座DQ型星とも呼ばれる[2][3]。
新星ペルセウス座GK星は中間ポーラーとされている。
ほとんどの強磁場激変星では、主系列星の伴星の物質は白色矮星の重力によって剥ぎ取られ、降着する。このような系では、白色矮星の磁場は降着円盤が形成できないほど強い。落ち込むガスは、白色矮星の双極子磁力線に沿って降着ストリームを形成する。
強磁場激変星の磁場の強さは、通常、1000万から8000万ガウス︵1000から8000テスラ︶である。おおぐま座AN星は既知の最も強い磁場を持つ激変星で、その磁場の強さは2億3000万ガウス︵23000テスラ︶にもなる[4]。
ポーラーという名前は、このような星系が直進の光と偏光(polarized light)と両方を発生することに由来する。偏光は、強磁場激変星の研究にとって重要で、これを研究することで連星の配置等の情報が得られる。
出典
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(一)^ ﹃シリーズ現代の天文学第7巻 恒星﹄︵第I版第I刷︶日本評論社、62-63頁頁。ISBN 978-4-535-60727-9。
(二)^ ab﹃天文学大事典﹄︵初版第1版︶地人書館、614、637頁頁。ISBN 978-4-8052-0787-1。
(三)^ ab﹃オックスフォード天文学辞典﹄︵初版第1刷︶朝倉書店、375頁頁。ISBN 4-254-15017-2。
(四)^ Krzeminski, W. and Serkowski, K. (August, 1977). “Extremely high circular polarization of AN Ursae Majoris”. The Astrophysical Journal Letters 216: L45. Bibcode: 1977ApJ...216L..45K. doi:10.1086/182506.
●Coel Hellier (2001). Cataclysmic Variable Stars: How and Why They Vary. Springer Praxis. ISBN 1-85233-211-5