扉を開けて (小説)
新井素子による日本の小説
概要
編集あらすじ
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根岸美弥子と美弥子の唯一の友人斉木杳は、それぞれ超能力を持っている大学生である。同級生の山岸桂一郎が超能力者かもしれないと、ある満月の夜の13日の金曜日に待ち合わせたところ、3人そろって時空の歪みに吸い込まれてしまう。
大きな扉を開けてみると、そこは﹁中の国﹂と呼ばれる異世界。中の国は﹁西の国﹂の植民地となっており、将軍デュラン三世の圧政に苦しめられていた。美弥子は、神官ラディンと伝説の女王の復活を待つ人々に祭り上げられ、伝説の女王ネリューラとして民衆を救うための戦いを始める。途中、﹁東の国﹂のディミダ姫と出会い、中の国と東の国の軍勢は合流して、デュラン三世のいるシャワの都へと進む。
ラディンの正体はデュラン三世であり、歴史を流れさせるため、ネリューラ伝説を利用し、異世界から美弥子らを呼び寄せたのも彼だった。美弥子らはデュラン三世を倒し、元の世界へと戻った。
登場人物
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根岸美弥子
本作の主人公[1]。通称ネコ。超能力は月の満ち欠けによってパワーが上下する。
斉木杳
瞬間移動の超能力を持つ。美弥子同様に超能力は月の満ち欠けによってパワーが上下する。
山岸圭一郎
自身の身体をライオンに姿を変える超能力を持つ。
ラ・ミディン・ディミダ
﹁東の国の鬼姫﹂と異名を取る。
ラディン
デュラン三世
書誌情報
編集- CBSソニー出版
- 1982年、ISBN 4-7897-0008-9、表紙画、挿画:南伸坊
- 集英社コバルト文庫
- 1985年、ISBN 4-08-610755-4、表紙画、挿画:長尾治
- 2004年、ISBN 4-08-600495-X、表紙画、挿画:羽海野チカ - 新装版
- 集英社・愛蔵版
- 1996年、ISBN 4-08-609043-0、表紙画、挿画:沢田としき
本作を収録する作品集
編集- 新井素子SF&ファンタジーコレクション2
- 柏書房、2019年
- 「斉木香の憂鬱」「二分割幽霊綺譚」を併録
アニメ映画
編集
1986年11月にキティ・フィルム制作、東宝配給で劇場公開された。同時上映は萩尾望都原作のアニメ映画﹃11人いる!﹄。
キャスト
●根岸美弥子 - 藤本恭子[2]
●斉木杳 - 井上和彦[2]
●山岸圭一郎 - 佐藤政道[2]
●ラ・ミディン・ディミダ - 平野文[2]
●ラディン/デュラン三世 - 野沢那智[2]
●トワド - 島田敏[2]
●ワンス - 池田勝[2]
●スメガ - つかせのりこ[2]
●キラ - 坂本千夏[2]
●クンニ - 深見理佳[2]
●ミセ - 貴家堂子[2]
●ネリューラ - 勝生真沙子[2]
●黒騎士 - 安原義人[2]
●アルタリア - 荒勢[2]
●大学教授 - 篠沢秀夫[2]
スタッフ
●製作 - 多賀英典[2]
●企画 - 落合茂一[2]、高橋豊[2]
●企画協力[3] - 竹宮惠子[2]
●プロデューサー 古徳稔[2]、出崎哲[2]
●脚本 - 小出一巳[2]、出崎哲[2]
●原作 - 新井素子[2]
●監督 - 清水恵蔵[2]
●絵コンテ - 出崎哲
●演出 - 冨永恒雄、金子隆悠季
●作画監督 - 小林ゆかり[2]
●美術監督 - 新井寅雄[2]
●撮影監督 - 諫川弘[2]
●編集 - 尾形治敏[2]、伊藤勇喜子[2]、西昭彦[2]
●キャラクター・デザイン - 四分一節子[2]
●音楽 - マーク・ゴールデンバーグ[2]
●音楽監督 - 及川禅[2]
●主題歌 - DATE OF BIRTH﹁思い出の瞳﹂
●挿入歌 - 藤本恭子﹁愛されたくて﹂
漫画
編集
亜藤潤子の作画で、﹃花とゆめ﹄︵白泉社︶1986年20号から同年24号まで連載された。話数表記は﹁ACT.○﹂。
コミックスは花とゆめコミックスから全1巻。コミックスには﹁カーテンコール﹂が描き下しされている。
- 書誌情報
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- 扉を開けて 花とゆめコミックス
- 1986年12月 ISBN 4-592-11816-2
- 扉を開けて 花とゆめコミックス
パソコンゲーム
編集参考書籍
編集- 『アニメ版 扉を開けて』CBSソニー出版、1986年。ISBN 4-7897-0256-1。 - アニメ映画公開に併せた特集本。設定資料やアニメ映画の場面紹介の他、新井素子と出崎哲の対談が収録されている。
脚注
編集関連項目
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●新井の小説
●ラビリンス―迷宮― - 東の国を舞台とする。この世界にかつて遺伝子操作、人工衛星の打ち上げなどの技術があったことが語られている。
●ディアナ・ディア・ディアス - 中の国の南方にある﹁南の国﹂を舞台とする。
●二分割幽霊綺譚 - 斉木杳、山岸桂一郎、根岸美弥子の名前が出てくる。