春名徹
春名 徹︵はるな あきら、1935年︵昭和10年︶12月13日 - ︶は、日本のノンフィクション作家、漂流民研究家。妻は作家の入江曜子。
来歴・人物 編集
東京府生まれ。都立日比谷高校を経て、1959年東京大学文学部東洋史学科卒業。
中央公論社勤務を経て、作家活動に入る。東洋史研究から江戸期の漂流民の研究に興味を移し、1980年︵昭和55年︶、﹃にっぽん音吉漂流記﹄で大宅壮一ノンフィクション賞、日本ノンフィクション賞を受賞。
また國學院大學・学習院大学各講師、調布学園女子短期大学(現・田園調布学園大学短期大学部)教授を歴任。
史学会、日本文芸家協会、日本ペンクラブ、各会員[1]。
紫禁城の黄昏 編集
入江と共訳した岩波文庫版レジナルド・ジョンストン﹃紫禁城の黄昏﹄は、同書の祥伝社版を監修した渡部昇一から、満洲侵略を日本側の悪と決めつけるために、都合の悪いいくつかの部分︵溥儀が日本の侵略に協力的であった描写︶を省略していると批判された。詳細は「紫禁城の黄昏#岩波文庫版への批判」を参照
著作 編集
単著 編集
●﹃にっぽん音吉漂流記﹄晶文社、1979年5月。 ●﹃にっぽん音吉漂流記﹄中央公論社︿中公文庫﹀、1988年11月。ISBN 4-12-201568-5。 ●﹃世界を見てしまった男たち﹄文藝春秋、1981年7月。 ●﹃世界を見てしまった男たち 江戸の異郷体験﹄筑摩書房︿ちくま文庫﹀、1988年3月。ISBN 4-480-02209-0。 ●﹃漂流 ジョセフ・ヒコと仲間たち﹄角川書店︿角川選書 132﹀、1982年1月。 ●﹃大いなる海へ﹄講談社、1985年7月。ISBN 4-06-202133-1。 ●﹃中浜万次郎 世界をみてきたジョン=マン﹄講談社︿講談社火の鳥伝記文庫﹀、1986年7月。ISBN 4-06-147563-0。 ●﹃音吉少年漂流記﹄田代三善絵、旺文社︿旺文社ジュニア・ノンフィクション﹀、1988年3月。ISBN 4-01-069497-1。 ●﹃マルコ=ポーロ﹄宮本忠夫画、講談社︿少年少女伝記文学館 第4巻﹀、1988年8月。ISBN 4-06-194604-8。 ●﹃音吉少年漂流記﹄旺文社︿必読名作シリーズ﹀、1989年4月。ISBN 4-01-066028-7。 ●﹃島の旅島の人﹄木内博写真、世界文化社、1995年7月。ISBN 4-418-95513-5。 ●﹃細川幽斎 栄華をつかんだ文武両道の才﹄PHP研究所︿PHP文庫﹀、1998年10月。ISBN 4-569-57205-7。 ●﹃北京 都市の記憶﹄岩波書店︿岩波新書﹀、2008年4月。ISBN 978-4-00-431126-3。 ●﹃細川三代 幽斎・三斎・忠利﹄藤原書店、2010年10月。ISBN 978-4-89434-764-9。共著 編集
●﹁一八六二年幕府千歳丸の上海派遣﹂、田中健夫 編﹃日本前近代の国家と対外関係﹄吉川弘文館、1987年4月。ISBN 4-642-01270-2。 ●﹁荀彧﹂、尾崎秀樹、立間祥介・寺尾善雄 著、尾崎秀樹、陳舜臣 編﹃名将の戦略﹄講談社︿中国の群雄6﹀、1998年5月。ISBN 4-06-191886-9。 ●﹁三成をめぐる七人の男たち﹂、新人物往来社 編﹃石田三成 野望!関ケ原﹄新人物往来社︿新人物文庫20﹀、2009年8月。ISBN 978-4-404-03735-0。翻訳 編集
●W.ヒントン﹃翻身 ある中国農村の革命の記録﹄1・2、加藤祐三共訳、平凡社、1972年。 ●W.ヒントン﹃百日戦争 清華大学の文化大革命﹄平凡社、1976年。 ●ベイジル・ホール﹃朝鮮・琉球航海記 1816年アマースト使節団とともに﹄岩波書店︿岩波文庫﹀、1986年7月。 ●レジナルド・ジョンストン﹃紫禁城の黄昏﹄入江曜子共訳、岩波書店︿岩波文庫﹀、1989年2月。ISBN 4-00-334481-2。 ●ニム・ウェールズ﹃中国に賭けた青春 : エドガー・スノウとともに﹄入江曜子共訳、岩波書店、1991年。ISBN 978-4000013635。論文 編集
●﹁開国と漂流民群像﹂対談鶴見和子・春名徹述、山下恒夫再編﹃江戸漂流記総集 石井研堂これくしょん﹄ 第5巻、日本評論社、1992年12月。ISBN 4-535-06615-9。 ●﹁アジアにおける銃と砲﹂、荒野泰典ほか 編﹃アジアのなかの日本史﹄6巻、東京大学出版会、1993年4月。ISBN 4-13-024126-5。関連項目 編集
●紫禁城の黄昏 ●ジョセフ・ヒコ ●清華大学 ●ジョン万次郎 ●文化大革命 ●細川幽斎 ●マルコ=ポーロ脚注 編集
- ^ 日外アソシエーツ現代人物情報より