民族楽器
民族楽器︵みんぞくがっき︶とは、楽器のうち、特定の民族との結びつきが強く、通常特定の民族によって演奏される楽器のことである。また、特定の民族の演奏する音楽︵民族音楽︶を演奏するために使われる楽器である。
特定の民族との結びつきが弱く、多くの民族によって演奏されている楽器のほとんどは、西洋音楽で用いられる楽器であるから、それ以外の楽器が民族楽器に該当する。一般には、﹁クラシック音楽の楽器(古楽器を含む)﹂﹁ジャズの楽器﹂﹁電気楽器﹂﹁電子楽器﹂を除く、﹁世界各地の民族固有の伝統楽器﹂という意味で用いられる。また、日本では、日本音楽で用いられる楽器は民族楽器から除かれることも多い。
ヨーロッパ以外の地域では、伝統楽器に近代的・現代的な改良・変更が加えられたものも含まれる。例えば中国の﹁古筝﹂(Gu Zheng グージェン)・﹁琵琶﹂(Pipa ピーパ)は弦やフレットを大幅に増加し、弦の材質および調弦機構にも現代的改良が施されているが、﹁民族楽器﹂に分類される。
厳密には、アイルランド等のヨーロッパ諸国でも、同様の﹁改良﹂を行った﹁民族楽器﹂を用いている場合が多い。例としては、フィドル、アイリッシュ・ハープ、バグパイプなどが挙げられる。
近年は﹁民族楽器﹂がポピュラー音楽や現代音楽に用いられることも多いが、その場合も﹁民族楽器﹂であることに変わりはない。