獺祭魚
獺祭魚︵だっさいぎょ︶、獺魚を祭る︵たつうおをまつる︶とは、カワウソ︵獺︶が、捕らえた魚を供物に並べ先祖を祭る様を指す。カワウソは捕らえた魚を川岸に並べる習性があり、これを祭儀になぞらえた。転じて多くの書物を調べ、引用する人の様を指す。
また、七十二候の一つ︵雨水初候︶で、立春末候の魚上氷の後、雨水次候の鴻雁来の前にあたる。
出典は、礼記月令孟春の条の﹁東風凍を解き、蟄虫は始めて振く。魚冰に上り、獺魚を祭り、鴻雁来る﹂。春になってカワウソが漁をはじめ魚を捕らえることを言った。日本においては、俳句の季語になっている。
晩唐の政治家、詩人である李商隠は作中に豊富な典故を引いたが、その詩作の際に多くの参考書を周囲に並べるように置いた。上記の比喩から、自ら獺祭魚・獺祭と号した。またそれ以降、その様を指して用いられるようになった。[1]
正岡子規は自らを獺祭書屋主人と称した。子規の命日である9月19日を獺祭忌と呼ぶこともある。[2][3]
脚注
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(一)^ “獺祭魚と・ 李商隠︵山口県医師会報第 1878号︶”. 山口県医師会 (2017年2月). 2021年1月12日閲覧。
(二)^ “獺祭命名の由来 - 獺祭の蔵元|旭酒造株式会社”. www.asahishuzo.ne.jp. 2021年1月12日閲覧。
(三)^ “9月19日は獺祭忌(だっさいき)。近代俳句の改革者・正岡子規の命日です ︿tenki.jp﹀”. AERA dot. (アエラドット) (20170917T183000+0900). 2021年1月12日閲覧。