珍味
概要
編集「高級食材」も参照
珍味と呼ばれるものは味に独特な癖があるものが多く、好みがはっきり分かれるものが多い。誰にでも美味と感じられる食材の味を甲とし、これに準ずるものとして乙な味︵おつなあじ︶と表現されることもある。独特の渋み、えぐみ、匂いなどは印象に残りやすく、後でまた食べたくなることもある。また、ヤリイカ、タラ、ホタテガイなど、現代の日本では一般的な魚介類の加工品で、乾燥させたものを珍味と呼ぶこともある。
下手物料理︵げてものりょうり︶と呼ばれる、ある時代や文化圏において食材としての一般性が低い、もしくは皆無といった食材を使った料理の中にも、珍味に入れることができるものは多い。例えば、ナマコは日本や中国などの東アジア諸国において高値で取引されているが、西洋のように料理すら存在しない文化圏もある。
また、同じ文化圏内でも、時代によって﹁ゲテモノ﹂か﹁珍味﹂か判断が分かれる食材も存在する。例えば、大トロは現代ではマグロの最高級部位として扱われているが、江戸時代以前の日本では、﹁ねこまたぎ︵猫も跨ぐほど不味い︶﹂として切り捨てられていた部位であった。