1918863

明治の生世話物の傑作

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内容

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全体の構成

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*印が今日主に上演される場面。

  • 序幕   
    • 湯島天神境内の場
    • 御茶の水土手際の場
  • 二幕目
    • 本郷通町勢揃いの場
    • 天神前梅吉内の場
  • 三幕目
    • 菊坂盲目長屋の場
    • 同竹町質見世の場
  • 四幕目  
    • 小日向関口内の場
    • 天神前梅吉内の場
  • 五幕目
    • 小石川水道橋の場
    • 西念寺墓場外の場
    • 日蔭町松蔵の場
  • 六幕目  
    • 菊坂道玄借家の場
    • 加州候表門の場
    • 本材木町自身番の場

序幕

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本郷通町勢揃いの場

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調稿

第二幕

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御茶の水土手際の場

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悪党道玄が持病に苦しむ百姓太次右衛門を介抱する振りをして殺害し金子を奪う。おりしも通りかかった加賀鳶の頭松蔵に見咎められるも、道玄は悠然と按摩の笛を吹いて立ち去る。

第三幕

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菊阪盲目長屋の場

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道玄は殺害した太次右衛門の妹おせつを女房に迎え、太次右衛門の娘おあさを近所の豪商伊勢屋に奉公に出しているが、毎日酒と賭博に入り浸り女按摩おさすりお兼を愛人にしている有様。おせつの嘆きをよそに、道玄とお兼はおあさを苦界に売り飛ばしおあさが主人から五両恵んでもらったことをねたに悪事をたくらむ。

竹町質店の場

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おあさの贋手紙をこしらえた道玄とお兼は、伊勢屋の主人に面会しおあさが同衾したと因縁を吹っかけ強請りを働くが、駆けつけた松蔵に、道玄の落とした煙草入れを証拠にお茶の水の殺人を仄めかされ、二人はすごすごと退散する。

「もとより話の根無し草、嘘をまことに拵えて金を強請りにきた道玄・・・」「しかも正月十五日、月はあれども雨雲に、空も朧の御茶の水・・・」など黙阿弥得意の五七調の名台詞「厄払い」が聴き所である。

第四幕

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菊坂道玄借家の場

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長屋では、赤犬が血のついた衣類を道玄宅の床から掘り出して大騒ぎである。実は道玄が御茶ノ水の殺人のとき返り血のついた服を埋めて証拠隠滅を図っていたのであった。一大事とばかり道玄はお兼ともに逃亡をはかるが、すでに遅く捕り手に踏み込まれる。お兼はあえなく捕縛され、道玄はほうほうの態で逃げ去る。

加州侯表門の場

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加賀藩上屋敷の表門まで逃げてきた道玄だが、悪運尽き捕り手に捕縛される。

ここは世話だんまりで演じられ、道玄の滑稽な逃げ方が笑いを誘う。

解説と逸話

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調

  調

24 (1949) 1

80

5




初演時の配役

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