筑登之親雲上
沖縄の采地を持たない筑登之家の士族の称号
(筑登之から転送)
筑登之親雲上︵ちくどぅんぺーちん︶は、琉球王国の位階および称号。位階は従七品で、領地︵采地︶は有しない。いわゆる下級士族である。
琉球士族は、大きく分けて領地を有した殿内︵とぅんち︶、領地を有しない里之子家︵里之子筋目︶、筑登之家︵筑登之筋目︶に分かれる。筑登之親雲上はもっぱら筑登之家の者が昇進してなった。冠は黄冠をかぶり、銀簪を挿した。
筑登之家の者は、子 → 筑登之 → 筑登之親雲上 → 親雲上と出世していく。親雲上︵ペークーミー︶は地頭職で領地を有したが、筑登之家の者がここまで出世するのはまれであり、大抵は筑登之親雲上にとどまった。筑登之家は琉球士族の大半を占め、そのほとんどは無禄士族であり、一握りの者だけが難関の科︵コー、科挙︶に合格して、王府に勤め俸禄をもらうことができた。