紙垂
注連縄や玉串、祓串、御幣などにつけて垂らす、特殊な断ち方をして折った紙
紙垂︵しで︶とは、注連縄や玉串、祓串、御幣などにつけて垂らす、特殊な断ち方をして折った紙である。単に垂とも表記し、四手とも書く。
紙垂
吉田流紙垂、製作方法の一例
文献での紙垂の例として、古事記の天の岩戸伝承のなかで書かれている、岩戸の前で賢木の枝に下げた﹁白丹寸手︵しらにきて︶﹂﹁青丹寸手︵あをにきて︶﹂がその初出と言われている。
﹁しで﹂という言葉は動詞﹁垂づ︵しづ︶﹂の連用形で、﹁しだれる﹂と同根である。古くは木綿︵ゆう︶を用いていたが、現在では紙︵通常は奉書紙・美濃紙・半紙︶を用いるのが一般的である。
断ち方・折り方にはいくつかの流派・形式があり、主なものに吉田流・白川流・伊勢流がある。ほかにも二垂・八垂にするものなどがある。また、注連縄作りの伝承の中で、旧字﹁絲﹂の象形に見えるように﹁いと、いと、いと﹂と発声しながら折るという口伝もある。
落雷があると稲が育ち豊作なので、紙垂は、雷光・稲妻をイメージし、邪悪なものを追い払う。
玉串・祓串・御幣につけた場合は祓具としての意味だが、注連縄に垂らして神域・祭場に用いた場合は聖域を表す印となる。また、相撲の横綱は、横綱土俵入りの際に紙垂を垂らした綱をつける。
関連項目
編集外部リンク
編集- 紙垂(しで)の作り方、つけ方 - ウェイバックマシン(2005年12月30日アーカイブ分)(日本神道へのいざない)
- 紙垂について(紙垂と〆の子)