複合三部形式
複合三部形式(ふくごうさんぶけいしき)は、楽曲の楽式のひとつである。唱歌形式をそれぞれ組み合わせたもの、または三部形式を大きく発展させたものとされる。
三部形式(下図)
A | B | A(') |
---|
の各部が、さらにいくつかの部分から構成されたものをいう。
この記事の図において、Aなどの記号は旋律を表し、同じ記号︵A'とA'︶はその旋律が同一であること、プライム︵'︶の有無は、類似していること、異なる記号︵AとB︶は異なっていることを示す。
複合三部形式は、複楽章を持つ楽曲の中間楽章ないし終楽章の他、古典派以降の多くの器楽曲に見られる。 その最も基本的なものは、各部が二部形式、または三部形式となったものである。例えば、各部が三部形式となったものは、
複合三部形式は、複楽章を持つ楽曲の中間楽章ないし終楽章の他、古典派以降の多くの器楽曲に見られる。 その最も基本的なものは、各部が二部形式、または三部形式となったものである。例えば、各部が三部形式となったものは、
主部 | 中間部 | 主部 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
A | B | A | C | D | C | A | B | A |
となる。
上の表で、﹁主部﹂の語は定まった言い方ではない。また、中間部を﹁トリオ﹂︵Trio︶と呼ぶことが多く、多くの曲で中間部の冒頭にTrioと書かれている。
またこの規模の楽曲では、曲の前後に序奏、結尾部Coda(コーダ)を加えているものがある。発達したコーダの中には、中間部の再現を行うものも多い。
序奏 | 主部 | 中間部 | 主部 | コーダ | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
A | B | A | C | D | C | A | B | A |
2回の主部は若干違っているもの、2回目に装飾の付けられているものもあるが、全く同じであることも多い。全く同じ場合には、D. C.︵ダ・カーポ︶やD. S.︵ダル・セーニョ︶を使って略記する場合がある。
主部 Fine 中間部 D. C.
習慣的な反復記号は、主部や中間部ごとに、それぞれの要素に付けられることが多い。この場合、多くは2回目の主部には反復記号が付けられない。
A
B A
C
D C
A B A ︵各部が三部形式の曲の場合︶
D. C.やD. S.を使っている場合には、D. C.やD. S.で戻った後︵2回目の主部︶反復記号を無視する。舞曲の場合には、2回目の主部を除き、習慣的な反復記号を省略しないで演奏するのが通例である。
![反復開始](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/b/b0/Repeat_open.png)
![反復終了と反復開始が背中合わせの記号](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/c/cb/Repeat_close_open.png)
![反復終了と反復開始が背中合わせの記号](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/c/cb/Repeat_close_open.png)
![反復終了と反復開始が背中合わせの記号](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/c/cb/Repeat_close_open.png)
![反復終了](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/5/59/Repeat_close.png)