証券
証券会社
解説
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広義の証券は有価証券とそれ以外の無価証券に分けられることがある[1]。現代的な意味での有価証券は、中世に地中海沿岸地方で商取引のために用いられるようになった船荷証券や手形に起源があるとされる[2]。これらの証券やその後に発達した商取引上の諸証券を包摂する概念として﹁有価証券﹂と表現され、1861年のドイツ旧商法で採用された[2]。ところが、ドイツ旧商法は有価証券について定義を与えなかったため、その定義をめぐって化体説や私法関係説などが唱えられた[2]。なお﹁無価証券﹂の概念はICO発行体が有価証券規制を回避するために発行したユーティリティトークンに用いられた例がある[3]。
また、証券は私権を表章する要因によって分けられることもある[2]。
証拠証券︵単純証拠証券︶
証券と無関係に完成した法律行為を単に証明するにすぎない証券︵動産売買契約書、金銭借用証書、賃貸借証書、領収証書など︶[2]。
有価証券
権利の発生に証券が必要となるもの︵設権証券︶及び権利の譲渡や行使に証券が必要となるもの[2]。
免責証券︵資格証券︶
証券の所持人が弁済受領する資格を証し、義務者はその者に引き渡せば免責されるもの︵下足札や携帯品の預かり証など︶[2]。
なお、特に資本証券︵有価証券のうち債券や株式︶については、規制のため各国法で﹁証券﹂の定義や範囲が設けられている[1]。
脚注
編集出典
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(一)^ abc張小寧﹁証券犯罪の総合的研究(1) : 実効的規制のための基礎的考察﹂﹃立命館法学﹄第342巻、立命館大学法学会、2012年、943-1013頁、CRID 1390572174831072896、doi:10.34382/00006808、hdl:10367/3847、ISSN 0483-1330。
(二)^ abcdefgh住ノ江佐一郎﹁証券市場における取引の客体としての有価証券の本質と機能について-上-﹂︵PDF︶﹃立命館経済学﹄第5巻第3号、立命館大学経済学会、1956年10月、253-293頁、CRID 1520009409639514112、ISSN 02880180。
(三)^ 岩下直行﹁証券業界と仮想通貨、ICO (金融イノベーション特集)﹂﹃月刊資本市場﹄第393巻、資本市場研究会、2018年5月、4-15頁、CRID 1050289864803672448、hdl:2433/265513、ISSN 09123245。