CiRCUS
概要/性能
編集経緯
編集ドコモは通商産業省のΣプロジェクト制定に関わったNTTとNTTデータに関連し、サン・マイクロシステムズのSolarisなどUNIXのSVR4を優先的に使用してきた。
1999年2月に運用を開始したサン/伊藤忠テクノサイエンスによる第1世代ゲートウェイ「GRIMM(グリム、Gateway Service Representative Internet Market Mobile Access Exchange)」システムは、すでに7月に通信障害を生じ、2000年3月28日に全国規模で接続不能で端末600万台が影響し、4月以降は不安定度を増して障害が続発して新聞主要各紙の1面で取り上げられ、国会でも質問された。
GRIMMの障害状況と改善されない運用に痺れを切らしたドコモは、数十億円を投じたシステムの破棄を決定して多くのSIerに提案を要求した。機能面を重視した入札の結果、NECとNTTデータによるHPサーバを使用した次世代ゲートウェイシステムの構築が決定され、システム検討と構築は1年間と短期間だが無事に運用を開始した。
実際の基盤設計や要件定義以降は、NEC府中にあるUNIX、特にHP-UXの技術を持つ部門から中核を担う人間が設計し、MC/ServiceGuardやLVMといった高負荷用パッケージを担当する主任技術職らも尽力した。
GRIMMとCIRCUSは、サンとHPのサーバに対する基本設計、NECと伊藤忠テクノサイエンスのシステム構築や運用に関する経験値、がそれぞれ異なる。
- | GRIMM
(サン/CTC) |
CiRCUS
(HP/NTTデータ・NEC) |
---|---|---|
設計思想 | 中小規模のシステムにおいて最大の効果を狙う | 大規模システムでの運用を中心とする |
ハードウェアの信頼性 | 中規模上位・大規模エントリーモデルのハードウェア障害が多発 | 少々コストが高いが、ハードウェアの信頼性が高い |
OSの実装/信頼性 | Solarisには標準LVMが無い。
(VERITAS製を購入) |
HP-UX用LVMを標準実装。
(HPがVERITAS製LVMをソースレベルで購入し、完全社製品化) |
OSの改修や対応 | 標準のSolarisを使用。 | HPのアライアンスによりHP-UX 11iを開発・先行投入。最優先で対応。
(11iのiはinternet-enabledのi) |
クラスタパッケージ | VCSによる(大規模システムの実績が乏しい) | MC/ServiceGuardによる(大規模システムの実績が豊富) |
大規模システムの構築経験 | 少ない | 汎用機からの蓄積経験あり |