efWING
構造
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炭素繊維強化プラスチック︵CFRP︶を構造部材かつ懸架装置として使用しており、川崎重工業によれば、この構造により軽量化や脱線に対する安全性向上が達成されている[1]。
台車のフレームの主構造部分である側梁と1次サスペンションと呼ばれている側梁と軸箱の間に設けられた軸ばねを炭素繊維強化プラスチック︵CFRP︶製の弓形状ばねに置き換え、弓形状ばねが側梁と軸ばねの両方の機能を併せ持つことで側梁と軸ばねを不要とした構造を持ち、加えて台車のフレーム自体もCFRP製とすることで軽量化と構造の簡素化を図った台車である[4]。実用された台車で、主構造部分にCFRPが採用されたのは世界初とされる[5]。
運用
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2014年︵平成26年︶に熊本電気鉄道の6000形電車に初採用され、同年3月14日から営業運行に用いられている[6][7]。また、東京メトロから熊本電気鉄道が譲り受けて改造を行った01形電車についても、台車がefWINGに換装されて運用されている[8]。
2016年︵平成28年︶5月には四国旅客鉄道︵JR四国︶が121系電車を7200系としてリニューアルするのに合わせて、台車にefWINGを採用することを発表した[9]。JR四国によれば、2016年2月から4月にかけてefWINGを使用しての走行試験を実施しており、安全性と乗り心地改善を確認している[10]。台車の一部には、川崎製オートバイやジェットスキーのイメージカラーであるライムグリーンを彩色している[11]。
2018年からニューヨーク市地下鉄のR160A形の車番#8395で試験採用されている。
ギャラリー
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熊本電気鉄道01形
KW206形台車
(2015年5月23日) -
JR四国7200系7203
S-DT67ef形台車
(2016年6月28日)
脚注
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(一)^ abc“世界初、サスペンション機能を持つCFRPフレームを採用した次世代の鉄道車両台車 efWING”. 川崎重工業株式会社. 2016年5月25日閲覧。
(二)^ “鉄道車両用台車 [efWING]”. 日本デザイン振興会 (2014年4月11日). 2016年5月25日閲覧。
(三)^ “日本産業技術大賞 過去の受賞 第41回~第44回”. 日刊工業新聞社. 2016年5月25日閲覧。
(四)^ “efWING”. Kawasaki Heavy Industries, Ltd.. 2016年5月25日閲覧。
(五)^ 鈴木貢、2016、﹁鉄道技術 来し方行く末 軌道に追従し運動性能を向上する車両技術﹂ (pdf) 、﹃RRR﹄73巻6号、鉄道総合技術研究所 pp. 28–31
(六)^ 草町義和 (2014年3月16日). “熊本電鉄、﹁くまもん電車﹂の営業運行開始…efWING装着”. レスポンス. 2016年5月25日閲覧。
(七)^ ﹃世界初の鉄道車両用の台車︵efWING®︶を装着した車両が運行を開始しました﹄︵pdf︶︵プレスリリース︶熊本電気鉄道株式会社、2014年3月14日。2016年5月28日閲覧。
(八)^ 杉山淳一 (2016年6月1日). “︻連載︼鉄道ニュース週報22ブルーリボン賞・ローレル賞、候補車両の顔ぶれに疑問”. マイナビニュース. 2016年6月29日閲覧。
(九)^ 草町義和 (2016年5月19日). “JR四国、旧国鉄121系電車をリニューアル…CFRP台車﹁efWING﹂導入”. レスポンス. 2016年5月25日閲覧。
(十)^ ﹃121系近郊形直流電車のリニューアル工事について﹄︵pdf︶︵プレスリリース︶四国旅客鉄道株式会社、2016年5月11日。2016年5月25日閲覧。
(11)^ “川崎重工、炭素繊維強化プラスチックのバネを採用した鉄道車両用軽量台車をJR四国に納入”. 日経BP環境経営フォーラム (2016年5月20日). 2016年6月29日閲覧。