ヘテロ接合バイポーラトランジスタ (Heterojunction Bipolar Transistor) は、ヘテロ接合の隣りにベース構造を有するバイポーラジャンクショントランジスタ (BJT) のことで、英語の単語の頭文字をとってHBT(エイチビーティー)と呼ばれる。ヘテロ構造の効果により、バイポーラトランジスタに比べ、電流増幅率を落とさずに動作速度が向上することができ、最高で500GHz以上で動作する超高速トランジスタの構造の名称である。構造的にはベース層の片側のみをヘテロ構造にしたSHBTと両側をヘテロ接合にしたDHBTなどがある。

動作原理

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HBTnpn

Herbert Kroemer1950sHBT2000HBT

構造および製造方法

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Si-LSIHBTSiGe/SiAlGaAs/GaAsGaInP/GaAsGaInAs/InPInGaN/GaN GaInP/GaAsGaAsMOCVDMBEn-GaAs (n>1E18cm-3) n-GaAs (n - 1E16cm-3) p-GaAs (p>2E19cm-3) n-GaInP (n - 1E17cm-3) GaAs (n>1E18cm-3) n-GaInAs (>1E19cm-3) GaInP1.9eVGaAs1.42eV - 0.3eV0.2eVC()

SiGeSi-LSIUHV-CVDSiGeSiC

HBTHEMTnm

HBTの電気特性

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 (Gummel Plot)  (β) 

SiGeIBM20Bi-CMOS20050.13μm210GHzInP2007Fmax=710GHzUCSB780GHz

用途

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Si系のCMOS-LSIが高速になり1~10GHz近辺では、CMOSとHBTやHEMTが競合するようになっているが、大雑把には情報処理分野ではSi系LSI、アナログ系で耐圧も必要な時には化合物半導体によるディスクリート素子または小~中規模ICが用いられる。化合物半導体系では、第3世代携帯電話のパワーアンプ等に採用されているほか、各種光通信用高速素子、ミリ波レーダ、高速の通信機器などにも用いられている。

関連項目

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