日本電気
日本電気株式会社(にっぽんでんき[注釈 1]、英: NEC Corporation)は、東京都港区芝五丁目に本社を置く住友グループの電機メーカー。日経平均株価およびTOPIX Large70の構成銘柄の一つ[10][11]。
日本電気本社ビル(NECスーパータワー) | |
種類 | 株式会社 |
---|---|
機関設計 | 指名委員会等設置会社 |
市場情報 | |
略称 | NEC、日電 |
本社所在地 |
日本 〒108-8001[1] 東京都港区芝五丁目7番1号 |
設立 | 1899年(明治32年)7月17日 |
業種 | 電気機器 |
法人番号 | 7010401022916 |
事業内容 |
システムプラットフォーム事業 ネットワークサービス事業 パブリック事業 エンタープライズ事業 |
代表者 | 森田隆之(取締役代表執行役社長兼CEO) |
資本金 |
4278億3100万円 (2024年3月期)[2] |
発行済株式総数 |
2億7284万9863株 (2021年3月期)[3] |
売上高 |
連結:3兆4773億23百万円 (2024年3月期)[4] |
営業利益 |
連結:1880億59百万円 (2024年3月期)[5] |
純利益 |
連結:1496億06百万円 (2024年3月期)[6] |
純資産 |
連結:1兆5618億26百万円 (2021年3月期)[7] |
総資産 |
連結:3兆6685億64百万円 (2021年3月期)[8] |
従業員数 |
単独:22,210人 連結:105,246人 (2024年3月31日現在) |
決算期 | 3月31日 |
会計監査人 | 有限責任あずさ監査法人 |
主要株主 |
日本マスタートラスト信託口 16.44% 日本カストディ銀行(信託口) 6.56% 日本電信電話株式会社 4.77% 住友生命保険相互会社 2.05% ステート ストリート バンク ウェスト クライアント トリーティー 505234 1.82% (2022年3月31日時点)[3] |
主要子会社 | NECグループを参照 |
関係する人物 |
岩垂邦彦(創業者、初代社長) ウォルター・T・カールトン(創業者) 丹羽保次郎 小林正次 小林宏治(元代表取締役会長) 関本忠弘(元代表取締役会長) 大内淳義(元代表取締役会長) |
外部リンク |
jpn |
概要
編集沿革
編集創業から1980年頃まで
編集1980年頃から1990年代まで
編集2000年代から現在まで
編集採用・人事
編集2018年以降はキャリア採用を大幅に増やしていると紹介されている[101]。
歴代社長等
編集※ 梶井剛の任期途中の1943年2月以降から社長を置く。それまでは専務がトップマネージメント。
代 | 氏名 | 在任期間 | 役職 |
---|---|---|---|
1 | 岩垂邦彦 | 1899年 7月 - 1926年12月 | 専務 |
2 | 大畑源一郎 | 1926年12月 - 1932年 6月 | 専務 |
3 | 志田文雄 | 1932年 6月 - 1938年 4月 | 専務 |
4 | 梶井剛 | 1938年 7月 - 1943年 2月 1943年 2月 - 1946年 1月 |
専務 社長 |
5 | 佐伯長生 | 1946年 1月 - 1947年 6月 | 社長 |
6 | 渡辺斌衡 | 1947年 6月 - 1964年11月 | 社長 |
7 | 小林宏治 | 1964年11月 - 1976年 6月 | 社長 |
8 | 田中忠雄 | 1976年 6月 - 1980年 6月 | 社長 |
9 | 関本忠弘 | 1980年 6月 - 1994年 6月 | 社長 |
10 | 金子尚志 | 1994年 6月 - 1999年 2月 | 社長 |
11 | 西垣浩司 | 1999年 3月 - 2003年 3月 | 社長 |
12 | 金杉明信 | 2003年 3月 - 2006年 3月 | 社長 |
13 | 矢野薫 | 2006年 4月 - 2010年 3月 | 社長 |
14 | 遠藤信博 | 2010年 4月 - 2016年 3月 | 社長 |
15 | 新野隆 | 2016年 4月 - 2021年 3月 | 社長 |
16 | 森田隆之 | 2021年 4月 - 現職 | 社長 |
製品
編集コンピュータ
編集社内カンパニー制時代はNECソリューションズに属していた。
NECのコンピュータの歴史
編集スーパーコンピュータ(HPCサーバ)
編集サーバ
編集- エンタープライズサーバ
- メインフレーム
- ACOS-2シリーズ
- ACOS-4シリーズ
- ACOS-6シリーズ
- DIPS系メインフレーム
- NEDIPS(NTTへのOEM)
- PCサーバ
- Express5800シリーズ
- 統合プラットフォーム(NEC Solution Platforms)
- Cloud Platform Suite
- Data Platform Suite
- Application Platform Suite
ストレージ
編集- iStorage
ワークステーション・ファクトリコンピュータ
編集- ワークステーション
- Express5800/50シリーズ
- シンクライアント
- USシリーズ
- ファクトリコンピュータ
- FC98-NXシリーズ
- ShieldPROシリーズ
- FC-NOTEシリーズ
- NBCシリーズ(ボードコンピュータ)
POS
編集- TWINPOSシリーズ
- 初期TWIN-POSにはMS-DOSを使用するシリーズもあった
ロボット
編集人工衛星・宇宙探査機
編集ソフトウェア
編集NECのパッケージソフトは、そのほとんどが企業システム向けである。下記ソフトウェア以外に業種(医療、製造業など)に特化したパッケージソフトの開発、販売も行っている。事業部ごとに企業向けパッケージソフトを販売しており、例えば医療ソリューション事業部では電子カルテの販売を行っている。カスタマイズのことが多い。多くの製品は多重下請けにより開発されている。[112]
- 高可用性ソフト CLUSTERPRO
- サービス実行基盤 WebOTX
- トランザクションモニター
- 統合運用管理ソフト WebSAM
- 情報管理ソフト InfoFrame
- グループウェア StarOffice
- セキュリティ対策ソフト InfoCage
- ERPパッケージ EXPLANNER
- 統合開発環境 SystemDirector
- その他
通信・ネットワーク機器
編集放送機器
編集- BB.LiNK
周辺機器
編集エネルギーコンポーネント
編集ソリューションサービス
編集分社/子会社化した部門の製品
編集分社化
編集NECの半導体の歴史
編集集積回路(IC)
編集メモリ
編集- (旧・NEC日立メモリ)
有機ELディスプレイ
編集- (旧・サムスンNECモバイルディスプレイ)
2001年(平成13年)1月に韓国のブラウン管メーカーサムスンSDI(旧・サムスンNEC)と合弁会社「サムスンNECモバイルディスプレイ」を同国に設立して、NECエレクトロンデバイスが保有するカラー有機ELディスプレイ技術と基本特許、日本内の事業拠点などを共有。NECは2004年(平成16年)に有機ELなどの次世代ディスプレイ事業から撤退を決め、有機EL特許と合弁会社の全株式をサムスンに譲渡している[125][126]。元・合弁会社はその後「サムスンOLED」→「サムスンモバイルディスプレイ」となって、2012年からはサムスン電子のS-LCDと統合され「サムスンディスプレイ」の有機EL事業部になっている。
電子部品
編集- (旧・NECトーキン)
液晶ディスプレイ
編集- (旧・NEC液晶テクノロジー)
インターネットサービスプロバイダ
編集- (旧・NECビッグローブ)
照明
編集- ホタルック:消灯後もしばらく光り続ける蛍光灯。阪神・淡路大震災の教訓を基に開発された。
- ライフルック
パソコン
編集- PC98-NXシリーズ
- LAVIEシリーズ
- ハローキティ ノートPC(ハローキティ誕生30周年限定モデル)
子会社化
編集携帯電話
編集- NTTドコモ向け Nシリーズ
- ソフトバンク向け Nシリーズ
過去の製品
編集これらの製品はすべて生産終了している。
マイコン
編集LSI
編集サーバ
編集- EWS4800シリーズ(生産終了)
- UP4800シリーズ(受注停止)
- N6300シリーズ(生産終了)
- N5200シリーズ(生産終了)
- N7200(生産終了)
- N6850(生産終了)
- System3100シリーズ
- System7100シリーズ
- FTシリーズ(提供終了)
- PO-POSシリーズ(生産終了)
- NX7000シリーズ
- NX7700i
- CX5000シリーズ(SUNからのOEM)
- シグマグリッド
- シグマブレード
- TX7シリーズ
パソコン
編集- PC-8000シリーズ
- PC-8200シリーズ
- PC-8800シリーズ
- PC-6000/6600シリーズ
- PC-100シリーズ
- PC-9800シリーズ
- PC-9821シリーズ
- VALUESTARシリーズ
- ValueOneシリーズ
- BASIC言語
オフコン
編集- Express5800/600シリーズ
- Express5800/700シリーズ
クラウド端末
編集- クラウドコミュニケーター
- LifeTouch - android OS 2.1搭載のタブレット型端末
- LifeTouch NOTE - android OS 2.2を搭載したスマートブック
携帯情報端末(PDA)
編集ワープロ専用機
編集- 文豪シリーズ
家庭用ゲーム機
編集- PCエンジン
- PCエンジンシャトル
- PCエンジンコアグラフィックス
- PCエンジンコアグラフィックスII
- PCエンジンGT
- PCエンジンLT
- PCエンジンスーパーグラフィックス
- CD-ROM²
- PCエンジンDuo
- PCエンジンDuo-R
- PCエンジンDuo-RX
- PC-FX
デジタルビデオレコーダー
編集サービス
編集研究者
編集IEEE Fellow(米国電気電子学会フェロー)の称号が授与されたNECの研究者と業績[139]。
- 1971年:植之原道行 - GaAsパラメトリック増幅器の開発への貢献
- 1976年:林厳雄 - 半導体レーザーの実現への貢献
- 1993年:丸田力男 - デジタル信号処理技術への貢献
- 1994年:渡辺孝二郎 データモデムのデジタル信号処理技術への貢献
- 1995年
- 加藤康雄 - デジタル信号処理の開発グループを主導
- 内田禎二 - 光通信システムの開発への貢献
- 1996年
- 1997年:本城和彦 - GaAs集積回路の開発への貢献
- 1998年
- 榎本忠儀 - マルチメディア向けマイクロプセッサの開発への貢献
- 日比野孟俊 - ガーネット膜の液相エピ成長への貢献
- M. Madihian - マイクロ波・ミリ波集積回路の開発への貢献
- 西谷隆夫 - DSP向けアーキテクチャの開発への貢献
- 2001年
- 赤岩芳彦 - 変調技術の分散動的チャネル割り当てへの貢献
- 森野明彦 - System-on-a-Chipの開発グループを主導
- 2002年:南谷崇 - 非同期VLSIの理論と設計への貢献
- 2003年:小関敏夫 - ビデオ圧縮技術の開発への貢献
- 2005年:葛原正明 - III-V族μ波パワーデバイスの開発への貢献
- 2006年:渡辺貞 - スパコンアーキテクチャの開発への貢献
- 2008年
- 井上嵩梓 - バルク波圧電デバイスおよび応用への貢献
- 矢野薫 - デジタル伝送システムの開発グループを主導
- 2010年
- 吉川公麿 - 集積回路の相互接続技術の開発への貢献
- 寺西信一 - 固体撮像素子の開発への貢献
- 2011年:杉山昭彦 - 音声およびオーディオ信号処理への貢献
- 2012年:最上徹 - 表面チャネルpMOSFET技術への貢献
- 2019年:多田宗弘 - VLSI向け銅配線技術への貢献
研究・特許
編集製造・研究拠点
編集NECの組織は論理的にはビジネスユニット-事業本部-事業部の階層構造をとっている(研究所はビジネスユニット上の階層をR&Dユニットと位置づけている)。これとは別に、物理的な所在地として下記の事業場・研究所がある。
事業場
編集- 本社地区(旧・三田事業場含む)(東京都港区):NECスーパータワー以外にも田町駅周辺の多くのビルに入居しており、「NEC村」と呼ばれる。
- 玉川事業場(神奈川県川崎市中原区下沼部):通信機器生産および研究開発
- 府中事業場(東京都府中市日新町)宇宙開発事業部:コンピュータおよび通信機器生産
- 相模原事業場(神奈川県相模原市中央区下九沢):研究開発
- 我孫子事業場(千葉県我孫子市日の出):通信機器生産
研究所
編集関連会社
編集広告・販売推進
編集スポーツ大会のスポンサリング
編集- 日本ゴルフ協会(JGAオフィシャルスポンサー)
- NEC軽井沢72ゴルフトーナメント(1992年から毎年8月にNECグループの主催により行われている女子プロゴルフトーナメント)
- NEC車いすテニスツアー
- NEC車いすテニスマスターズ
- 東京ヴェルディバレーボールチーム - ユニフォームスポンサー
- 延岡西日本マラソン - 2008年(第46回)より大会のメインスポンサーで、セイコーグループと協力して運営・記録システムを提供
- 福岡国際マラソン - 2012年(第66回)大会よりマイナビと共に協賛
- 1992年パリ-モスクワ-北京マラソンレイド - メインスポンサー
- 2020年東京オリンピック - ゴールドパートナー(原則1業種1社に限定される国内最高位のスポンサー[142])
スポーツチーム運営、選手のスポンサリング
編集CM
編集提供番組
編集提供クレジットは、少なくとも1991年ごろまで「NEC日本電気グループ」(家電製品のCMを提供するときには「新日本電気」(のちに「日本電気ホームエレクトロニクス」。現在は業態ごとに分社化(テレビ、家庭パソコンなど一部撤退あり))としたものがある)としていたが、CIを一新した1992年以後は正式社名を略した「NEC(グループ)」で統一している。2020年4月以降は全国ネットでのテレビ番組でレギュラー提供を行っていないため、特別番組での提供のみとなる。
現在
編集- NEC軽井沢72ゴルフトーナメント(フジテレビ系列 大会冠協賛・主催者。一部の住友グループ数社他と共同提供)
- ケーブルナビゲーション〔CTY(三重県四日市市のケーブルテレビ局)。複数提供〕
- Business Link(テレビ神奈川)
- BEAT COASTER(FM PORT・16:55の「FM PORT Weather」のみ)
- ガッツナイター(東海ラジオ)
- 銀シャリ橋本の○○WORLD(eo光チャンネル)
過去
編集日本テレビ系列
編集- あすの世界と日本
- それは秘密です!!(「TIME21」の移行により降板)
- TIME21(冠スポンサー)
- スーパーテレビ情報最前線(冠スポンサー、1991年4月から1992年3月は300秒、1992年4月から1993年3月は370秒、1993年4月から1995年9月まで並び1996年1月から3月は120秒、1996年4月から2001年9月は90秒、2001年10月から番組終了まで60秒)
- アンテナ22
- 新装開店!SHOW by ショーバイ2 → 速報!歌の大辞テン(60秒、1996年4月 - 1998年3月)
- ザ!世界仰天ニュース(2006年4月 - 2009年3月)
- 真相報道 バンキシャ!
- ダウンタウンDX(読売テレビ制作) - 2004年4月から2009年3月まで
- 金曜ロードショー(2009年4月 - 2011年9月)[注釈 8]
- news zero(月曜日のみ) 2020年3月まで
ほか
TBS系列
編集テレビ朝日系列
編集- NECサンデー劇場
- 欽ちゃんのどこまでやるの!?
- 宇宙船サジタリウス(PT)
- アニメ80日間世界一周
- テスト・ザ・ネイション(協賛も兼ねていた)
- やべっちFC〜日本サッカー応援宣言〜
- いきなり!黄金伝説
- 木曜ドラマ
- クイズ雑学王(2009年10月7日の「シルシルミシルゴールデン3時間スペシャル」より※ 「相棒8」のスペシャル提供時も同様 〜 2010年3月31日の「シルシルミシルゴールデン春の3時間スペシャル」をもって降板。→2010年4月より報道ステーションの水曜日提供へ戻る)
- 報道ステーション(金曜日放送分は2010年4月から2014年3月まで、水曜日放送分は2020年3月まで並び2020年10月から2021年3月まで)
- 日曜エンターテインメント(当初は60秒。2014年10月より30秒) 2013年4月 - 2015年9月
フジテレビ系列
編集テレビ東京
編集- 開運!なんでも鑑定団(テレビ東京) - 2008年4月から2011年3月まで
- 空から日本を見てみよう(2009年12月までの一時期提供。→2010年4月よりガイアの夜明けに出戻る)
- 日経スペシャル ガイアの夜明け(2010年4月から2014年3月まで、一時提供降板時期あり。その後復帰も「Crossroad」に提供枠移転に伴い再び降板。番組は今も継続中。)
- NEC Presents ミライダネ!(テレビ東京系列) - 2017年4月1日 〜 2018年3月31日[注釈 10]
- 岡本綾子のNECスーパーゴルフ(1社提供だったが末期は同社を含む複数社提供となった)
- BB-WAVE.tv 〜勝利の方程式〜(1社提供)
- NEC presents Crossroad(・一社提供→2016年10月1日放送からは当社を筆頭とした複数社提供となった)
- ドラマBiz
全国独立放送協議会
編集- tvkニュース930α(テレビ神奈川・火曜日のみ)
- キラりん滋賀(びわ湖放送・月曜日のみ) - びわ湖放送の地元である滋賀県内にNECの工場(当時は関西日本電気、現在のルネサスエレクトロニクス)があった縁から提供されていたものと思われる。当該番組終了とともに降板。
脚注
編集注釈
編集出典
編集参考文献
編集- 長船廣衛『半導体のあゆみ』日本電気文化センター〈C&C文庫〉、1987年6月30日。ISBN 4-930916-27-5。