分量がある文書を作成する際には、文書全体の「アウトライン(骨格、構成)」をきちんと作り上げてから内容を記述する必要があります。今回は、「読みやすく分かりやすい提案書」にするアウトラインの作成方法について紹介します。
読みやすい、分かりやすい文書は、全体が階層構造になっています。文書は、一般的に下記のような階層で構成されています。
●大見出し︵章︶
●中見出し︵節︶
●小見出し︵項︶
階層構造は、複雑で大量の情報を含んだ文書の内容を、分類・整理するために必要不可欠です。階層化した文書は、各トピックで記述される範囲が決まっているため、焦点を絞って読むことができます。このことは、読者の理解を大いに助けます。
階層構造の方法について、順を追ってみていきましょう。まず﹁大見出し﹂の層に分割します。その後に各﹁大見出し﹂を﹁中見出し﹂の層に、さらに必要であれば﹁中見出し﹂を﹁小見出し﹂に分割します。それぞれの層での分割の数は5から10程度にします。分割数が多すぎると、読み手が文書の全体像を把握できなくなる恐れがあるためです。
記述量による分割方法もあります。分かりやすい文書にするためには、1つの項目の記述量が1ページ内に収まるように分割するといいでしょう。
提案書の﹁大見出し﹂には、次のような項目が考えられます。
●システムの導入について︵説得するための材料や情報︶
●導入システムの概要
●開発プロジェクトの進め方
●見積もり
これらの﹁大見出し﹂の下にある﹁中見出し﹂の項目は、次のようなものが考えられます。さらに必要であれば、﹁小見出し﹂の層に分割します。
- システム導入の背景
- システム導入の必要性
- システム導入の目的
- 顧客の現状
- 現状の問題点
- システム導入の効果・成果・目標
- システム導入における課題
- 実現の方針・方策・方法
- 対象となる業務の範囲・領域
- 導入するシステムの構成
- システム導入後の業務フロー
- システムの品質条件、性能条件
- 開発するシステムの範囲
- 開発プロジェクトの進め方
- 顧客に納入する成果物
- 開発体制
- 開発スケジュール
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