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(※) input文とprint文
input文はコマンドの入力を命令するプログラム、print文は文章の出力を命令するプログラム。

 

――堀井さんの商業デビュー作『ラブマッチテニス』ですが、これはなぜテニスゲームだったんでしょうか?

『ラブマッチテニス』

堀井雄二氏の商業デビュー作。1983年2月中旬、PC-6001向けに発売されたテニスゲーム。エニックスが主催した第一回ホビープログラムコンテストで佳作となり商品化された。選択画面や勝敗後の画面で対戦相手たちや主人公が会話でかけあいをするのが最大の特徴。主人公は女子大生で対戦相手は大学の先輩たち、相手によってゲームの難易度が変化する。

スポーツゲームにキャラクター性、アドベンチャーゲーム的な要素を組み合わせた先駆的な作品。このようなスタイルのゲームは80年代後半に本格的に出てきたものであり、テニスゲームに限れば、ナムコの『ファミリーテニス』(87年)、RPGを組み合わせたキャンペーンモードがある『プロテニスワールドコート』(88年)が続く。『ラブマッチテニス』はスポーツゲームのストーリーモードの萌芽的なスタイルといえる。


 


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『ポートピア連続殺人事件』


(PC)

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(※) PC-6001版『ポートピア連続殺人事件』のボイス
PC-6001は音声機能があり、性別、アクセント、長音、発声速度をコントロールして、合成音声を出力できた。『ポートピア連続殺人事件』では、表示されているテキストをそのまま読み上げるのではなく、テキストとテキストの行間にある台詞を読み上げるような使い方がなされている。近年で例えると『ダンガンロンパ』シリーズに近い。

 

――『ポートピア連続殺人事件』制作のきっかけはどういったものだったんでしょうか。

堀井氏:
アドベンチャーゲーム自体には興味はあったんです。外国にはこういうゲームがあるというアドベンチャーゲームの記事があったんですよ。それを読んで、テキストをやり取りしてゲームをプレイするというのが、面白そうだなと思って。(※)

(※) 外国のアドベンチャーゲームの紹介記事
日本で最初期に外国のアドベンチャーゲームが紹介されたのは82年4月号「月刊アスキー」や、82年「ログイン」第2号で掲載された記事のように『ミステリーハウス』を作ったシエラオンラインのゲームが多かった。
一方、かつて堀井氏は87年5月号「Beep」で、シエラオンライン社ではなくインフォコム社の『デッドライン』について言及している。 “あるとき、雑誌にアップルの「デッドライン」というゲームが出ているのを見て、「人間がコンピュータと会話しながらゲームをやるのか、面白そうだな」と思ったんです。これが「ポートピア」を作るきっかけになりました。” 
『デッドライン』は主人公が刑事の推理アドベンチャーゲーム。アドベンチャーゲーム=宝探しゲームから、会話主体と証拠集めのゲーム性に変化させ、しかもすべての登場人物がゲーム内の進行に合わせてそれぞれ行動しているという当時ではもっとも先進的なアドベンチャーゲームである。このゲームが本格的に日本で紹介されたのは82年11月に発売された「ログイン」第3号であるが、堀井氏が読んだのはこの記事ではなく、もっと小さくシンプルな記事だったという。

 




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(※) 現状から動かないのではなく、プレイしながら事件が展開するドラマティックな仕立て
アドベンチャーゲームの起源である『コロッサル・ケーブ・アドベンチャー』(76年)からシステム的にも物語的にもゲーム内における時間概念がすでに存在しており、当時としてはクライマックスでドラマティックな展開があった。それを継承して『ミステリーハウス』では部屋にもともと死体があるという形で擬似的に連続殺人が起こっているように見せていた。このようにアドベンチャーゲームは初期から時間概念が内包されていたが、日本にアドベンチャーゲームが輸入されると、マイクロキャビンの『ミステリーハウス』や、新紀元社の『幽霊船』のように時間概念がない現状から動かない宝探しに特化するアドベンチャーが最初期の商業作品となった。『ポートピア連続殺人事件』が制作されたのは、国内アドベンチャーがそのような状況の最中である。

かつて堀井氏はこの発言をミステリの文脈からも使っており、その観点からも踏まえる必要がある。“推理小説っぽいアドベンチャーにも二つのタイプがあって、ひとつはすでに事件は完結してて、過去にさかのぼって解決していく。外国の推理探偵物によくあるタイプですね。で、もうひとつは、事件が同時進行していて、それを追いながら解決する。僕が好きなのは、後者なんです。” 「広告批評」96号 87年7月 










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――プレイヤーが入力した台詞に反応する相棒ヤスという存在は、コンピューターから発せられる対話文そのものを擬人化した存在といえるのではないでしょうか?

堀井氏:
そのとおりです。コンピューターとやり取りするより、キャラクター同士でやり取りしたほうが、温かみがあって面白いだろうと。(※)

(※) 『ポートピア連続殺人事件』のキャラクター同士のやり取り
『ポートピア連続殺人事件』は、まずプレイヤーである刑事が「キキコミ シロ」とコマンド文を入力して相棒のヤスに命令すると、ヤスが台詞で返してくる。プレイヤーが入力するコマンド文自体がボスの台詞として機能しており、それに反応するプロトコル文もヤスの台詞として機能しているので、「地の文」が存在しない。またオープニングのあらすじの説明や、システム的な文章やゲームの仕組みを説明する文章も、ヤスの台詞になっている。

 

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(※) 『ポートピア連続殺人事件』の構造に似た海外のアドベンチャーゲーム
比較的この構造に似たゲームは同時期のインフォコムの『Suspended』(83年)である。プレイヤー側はコマンド文ではあるが、対話相手は物語内に複数いるコンピューターの台詞になっている。このゲームは日本ではほとんど紹介されなかったが、後で「電子小説批評序説」(87年)や「ゲームライフ」(17年)の冒頭に取り上げられている。ほかにも人間のキャラクターが相棒として常にいたが、地の文が存在したゲームとして、ペンギン・ソフトウェアの『ザ・クエスト』(83年)、アドベンチャー・インターナショナルの『Questprobe』シリーズ(84-85年)などがある。

 

――ちなみに、『ポートピア連続殺人事件』の後でエニックスからアドベンチャーゲームとして『ウイングマン』や『北斗の拳』が発売されていますが、同じく地の文が相棒のキャラクターの台詞に置き換えれている手法が使われています(※)。集英社とつながりがあった堀井さんですし、これらのゲームに関して、何か裏で絡みはあったのでしょうか?

堀井氏:
いや、そういう記憶は特にないですね。担当も違いますし。

(※) 『ポートピア連続殺人事件』が影響を与えたゲーム
『ポートピア連続殺人事件』のコンピューター側の応答文を擬人化して、そのキャラクターを通してゲームに干渉する手法を受け継いだゲームが80年代にはいくつかある。エニックスの『ウイングマン』(84年)や『北斗の拳 バイオレンス劇画アドベンチャー』(86年)、リバーヒルソフトの『黒猫荘相続殺人事件』『白バラ連続殺人事件』(共に84年)『ゾーディアック』(85年)。80年代後半には少し変化する形でエニックスの『ジーザス』(87年)やコナミの『スナッチャー』(88年)。『ウイングマン』のゲーム化は「少年ジャンプ」で集英社とエニックスがタイアップしてアドベンチャーゲームのシナリオコンテストを企画したときに、読者から『ウイングマン』のシナリオが送られてきたことが発端となっている。

 

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(※) アドベンチャーゲームの東西南北の移動方式
日本では堀井氏の登場によって80年代前半だけで廃れしまったが、国内外において東西南北の移動方式こそがアドベンチャーゲーム本来の移動方式である。比較的近年の作品でいうと『Myst』の移動方式を想像してもらえればわかりやすいだろう。アドベンチャーゲーム始祖『コロッサル・ケーブ・アドベンチャー』はTRPGの『ダンジョン&ドラゴンズ』から影響を受けて生まれており、この経緯からマス目を少しずつ移動する地続き的なウォーゲームの空間の伝統をアドベンチャーゲームは色濃く受け継いでいた。刑事ものの『デッドライン』も東西南北の方角移動方式である。

 




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(※) 中村光一氏
チュンソフトの創業者、現在はスパイク・チュンソフト会長。ゲームクリエイターとして『ドア・ドア』『ニュートロン』『弟切草』『かまいたちの夜』『風来のシレン』など様々なゲームを世に送りだす。堀井氏関連のゲームではファミコン版『ポートピア連続殺人事件』『ドラゴンクエストI~V』に関わった。堀井氏とは第一回ゲーム・ホビープログラムコンテストで出会う。『ドラゴンクエスト』以前には堀井氏と同じく中村氏もRPGに夢中で85年にはチュンソフトとしてRPGを作りたいと抱負を語っていた。

 

(※) 千田幸信氏
エニックスのゲームプロデューサー。現在はスクウェア・エニックス取締役。『ドラゴンクエスト』のプロデューサーとして有名。またそれ以前からゲームクリエイターとしてデビューして間もない堀井氏、中村氏をバックアップした。すぎやまこういち氏を『ドラゴンクエスト』に引き入れた立役者。

 

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