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Amazonは本日、無料のゲームエンジン﹁Lumberyard﹂を正式発表した。ハイクオリティな3Dゲーム開発を対象としたマルチプラットフォーム対応エンジンとなっており、Crytek社の﹁CryEngine﹂をベースしている。今後は業界におけるゲームエンジンの一角へと成長するか注目を浴びそうだ。 ﹁Lumberyard﹂は完全無料のゲームエンジンとなっており、サブスクリプション費用やロイヤリティなどは一切発生しない。その代わりにAmazonのクラウドコンピューティングサービスの﹁Amazon Web Service︵AWS︶﹂や、昨年買収したゲーム映像配信サービス﹁Twitch﹂などが統合されており、これがAmazonにとっての”うまみ”となる。﹁Lumberyard﹂がネイティブで対応しているサーバー技術やデータベースサービスは﹁AWS﹂のものだけであり、この﹁AWS﹂および﹁Twitch﹂の利用者を﹁Lumberyard﹂を通じて増やそうというのが狙いである。 そのため公式FAQにおいては、﹁Amazon EC2﹂﹁Amazon Lambda﹂﹁Amazon DynamoDB﹂などに代わる非AWSのWebサービスの利用はできないと説明されている。ただし第三者ではなく、自身でハードウェアを用意した上でのサーバー管理や、SteamworksおよびApple Game Centerなどの販売サービスへゲームを接続することは認められているようだ。 なお今回の﹁Lumberyard﹂の発表と共に、マルチプレイヤーゲームをより容易にディプロイしたりスケールしたりするAWSの新サービス﹁Amazon GameLift﹂も発表されている。これは﹁Lumberyard﹂専用のサービスとなっており、海外メディアGamasutraの取材によれば1000人の日間アクティブユーザー数ごとに1.5ドルの費用が必要となる。 参考記事: Amazon、ゲームエンジン﹁CryEngine﹂のCrytekと大規模なライセンス契約を締結か 2015年4月には、AmazonがCrytekと大規模なライセンス契約を結ぶとのリーク情報が海外を駆け巡っていたが、それが実現した形だ。そして予想以上にAmazonが本腰を入れてゲームエンジンビジネスに参入してきたという感がある。公式サイトで紹介されているように、﹁Amazon GameLift﹂は現在トリプルA級では主流のマルチプレイヤーゲームの管理をより容易にし、また﹁Twitch﹂との統合は海外にてファンコミュニティを拡大する上では欠かせない機能である。AWSサービスの利用がほぼ必須ではあるものの、サブスクリプションやロイヤリティが存在しないというのもデベロッパーたちにとっては大きなインパクトがあるだろう。 すでに﹁Lumberyard﹂はPC/PS4/Xbox Oneに対応しており、近日中にもモバイルやVRプラットフォームにも対応するとのことだ。現在は公式サイトにてベータ版の配信が開始されている。