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Androidの内なるLinuxコマンドを実行できる「Android Terminal Emulator」。ウィンドウをいくつも開けたり、表示内容をメール発信できたりとかなり強力なターミナルアプリだ

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「Android Terminal Emulator」の入手は普通のアプリ同様、Google Playからできる。「端末エミュレータ」といった単語で検索すると先頭に表示されるはずだ

 実行すると、表示されるのは「$」のシンプルなコマンドプロンプト。そう、UNIX/Linuxを使ったことのある人なら経験あるであろう、あのプロンプトが表示されるのだ。

 ちなみにAndroidに実装されているシェルは、UNIX由来のkshをコンパクトに作りこんだ「mksh」で、それ用に作ってやればシェルスクリプトなども当然実行できる。

【Android Terminal Emulator】
ポチポチとスクリーンをタッチしてソフトウエアキーボードからLinuxコマンドを打ち込んで実行することができる

 コマンドは、画面に表示されるソフトウエアキーボードからポチ、ポチ、と打ち込んでいけばいい。たとえば「uptime」というコマンドを打ち込んでやると、システムは「up time: 13 days, 03:47:02……」と、ZenFone 5の電源が入ってから13日と3時間47分02秒経っていることを教えてくれる。

 このアプリのダウンロードページには「あなたの内側に秘めている開発者魂を解き放ちましょう!」と説明が書かれている通り、スマートフォンのスマートさのガワをひっぺがして遊んでみたい少年の心を持つ者にはなんとも心惹かれてしまうアプリなのである。

 残念ながら、Android用のアプリというのは、Android内にあるLinuxカーネルより上のレイヤーにある仮想マシン上で動くように作られているため、このコマンドプロンプトから呼び出すというようなことはできないが、その代わり今まで母艦PCに接続してADBからデバッグ用コマンドで行っていた操作や、UNIX/Linux用に作られたさまざまなコマンドやアプリの実行が可能。Linuxマシンとして使う分にはかなりのことができる。

 ちなみに、ATEをインストールするとコマンド類はadb(アンドロイドデバッガー)からも使えるscreenshotなどのほか、システムディレクトリである/system/bin/*に入っているものが利用可能となる。また、筆者は使っていないのだが、busyboxなるLinuxの各種コマンドを実行可能にするツールや、vimなどのエディタも配布されているそうである。

SL4Aを使ってPerlスクリプトを、Android端末上で作ることもできる

 さらには、たとえばプログラミング好き人間のためには(こちらはGoogle PlayではなくAPKをインストールしなければならないのでハードルは高くなるが)、Androidには「SL4A」というIDE環境も用意されていて、スクリプティング言語であるPythonやPerlを使うこともできる。この環境では、各言語用のAndroid APIも用意されているのでたとえばPerlからAndroidのカメラを操作したり、GPSでの位置情報を得たりすることさえも可能となるようだ。

 ここまで来るともうガチすぎて何のことだかわからなくなってしまった読者も多いかもしれないが、とにかくAndroidをLinuxとして使おうというユーザーたちの努力とその成果は、ものすごいものである。

 もしLinux経験者であったり、プログラミングスキルがあるユーザーがいたら、これらのツールをちょっと触ってみてほしい。これらは、あなたの開発者魂を本当に解放してくれるかもしれないと、筆者は思うのだ。