「MX Master」かなりサイコ~っ♪
ロジクールのハイエンドマウス「MX」シリーズがひっさびさに刷新されました。何と6年ぶり。最新のハイエンドマウスは「MX Master(型番:MX2000)」。2015年4月2日に発売され、実勢価格は1万4000円弱です。高級マウスですが、「そろそろロジクールのMXシリーズ最新型が欲しい」と思っていた方も多いのではないでしょうか。ワタクシもそのひとり。予約注文して購入し、現在まで約10日程度使用しております。
ロジクールの「MX Master (型番:MX2000)」。2015年現在、同社のハイエンドマウスと位置付けられています。ホイールとボタンの合計数は8個で、UnifyingおよびBluetooth Smartに対応した充電式ワイヤレスマウスです。充電はUSB充電で、バッテリー交換には非対応。
で、いきなりワタクシ的結論から言ってしまいますと、これかなりサイコーです。かつてのロジクール製ハイエンドマウス﹁MX Revolution﹂について﹁これは後戻りできない使い勝手!!﹂と感じていましたが、この﹁MX Master﹂のほーがもっと﹁後戻りできないっっ!!﹂という感触が強いです。また、もちろんこれは人によるとは思いますが、﹁MX Master﹂は使い始めてアッと言う間にワタクシの手に馴染みました。
詳細は後述しますが、サイコー度が高いのがスクロール速度が自動的︵手動でも︶変わるスクロールホイールと、親指で回せるサムホイールです。ドキュメントを上下にゆっくりでも素早くでもスクロールできるのに加え、左右にも自在にスクロール可能。ワタクシとしてはそのホイール位置もグレイトで、このフィット感&使用感の良さから予備としてもう1個買いたくなりました。
ワイヤレスマウスとしてロジクール独自のUnifying規格に加え、一般的なBluetooth Smartに対応している点もナイス。合計3台までの端末とペアリングできるので、ワタクシはWindowsデスクトップPCとMacBook Air、MacBook Proとペアリングして使っています。
てなわけで、今回は﹁MX Master﹂についてアレコレと。なお、ご参考までに過去にレビューしたロジクール製マウス記事のリンクを提示します。
●2004年10月﹁Logicool MX-1000﹂
●2006年10月﹁Logicool MX Revolution﹂
●2009年10月﹁Logicool Performance Mouse M950﹂
●2013年5月﹁Logicool G700s Rechargable Wireless Gaming Mouse﹂
●2013年10月﹁Logicool G602 WIRELESS GAMING MOUSE﹂
最後の﹁G602﹂から、今回レポートする﹁MX Master﹂に乗り換えたカタチですな。
﹁MX Master﹂ってどんなマウス?
まずは﹁MX Master﹂の概要から。﹁MX Master ︵型番:MX2000︶﹂はワイヤレス式のマウスで、無線方式はBluetooth Smartおよび﹁Unifying﹂︵ロジクール独自の無線方式︶です。最大3台までの端末とペアリングでき、本体裏面の﹁Easy-Switchボタン﹂により接続先端末を切り換えて使えます。電波到達距離は約10m。
無線接続方式はBluetooth Smartのほか、Unifyingにも対応。写真のようなUnifyingドングル(USBレシーバー)に対し、最大6台のUnifyingデバイスを接続できます。たぼえば1つのUnifyingドングルに、「MX Master」などのUnifying対応マウス、Unifying対応テンキーパッド、Unifying対応タッチパッドなどを接続して同時に使えます。ネジ穴のような赤いマークがUnifying対応を示しますが、「MX Master」はこのマークがグレーでした。 レーザー式マウスで、机面やマウスパッドを1000dpiの解像度でスキャンします。Darkfieldレーザートラッキングにより、透明なガラステーブルの上や光沢のある面など、通常のレーザーマウスが動作しない場所でも問題なく使用可能だということです。
電源は内蔵のリチウムポリマー二次電池で、本体のmicroUSBポートとPCのUSBポートやUSB-ACアダプタをケーブル接続して充電します。満充電からの最大動作時間は約40日。USB充電中もワイヤレスマウスとして使用可能です。
本体背面には、上から電源ボタン、コネクトボタン(ペアリング用)、Darkfieldレーザートラッキングセンサー、Easy-Switchボタンが並びます。3台までの端末とペアリングでき、Easy-Switchボタンにより接続先端末を切り換えます。マウス前方のmicroUSBポートから充電して使います。 また、上部ホイールは「オートシフト機能」対応で、ホイールを回すスピードに合わせて垂直方向のスクロールスピードが変化。遅く回すと1行ずつ、スイッと速く回すと高速のスクロールとなります。左側にはサムホイールと呼ばれる親指用ホイールが装備され、これを回すことでドキュメントの水平スクロールを行えます。ほか、左側面下方にある親指を乗せられるような部分は押下可能で、ジェスチャー機能を使えたり特定の機能を割り振ったりできます。
上のホイールは回転させるスピードによって垂直スクロール速度が大幅に変化する「オートシフト機能」に対応。ホイール手前のボタンを押せば、マニュアルでスクロール速度を調節することもできます。左側には親指で回せるサムホイールがあり、ドキュメントの水平スクロールが可能。その下にある赤矢印の部分はボタンで押下できます。 対応OSはWindows 7/8以降、Mac OS X 10.8以降。サイズは幅85.7×奥行き126×高さ48.4mmで、質量は約145g。2年間メーカー保証付き。……あれ? なんか保証期間が短くなった!? とか思ったり。
手にした感じもバッチリ♪
まずは手にしてみた感じですが、ワタクシ的にはバッチリでした。いきなりフィット。もしかしたらワタクシ的マウス史上でいちばん快適に握れている製品かもしれません。
もちろんこれは人によって違うと思います。手の大きさなどによって違いますし、マウスの握り方によっても﹁手にした感じ﹂が大きく違ってくるでしょう。
ちなみに、以前の記事でも書きましたが、マウスの持ち方は大きくわけて2つあると考えています。﹁かぶせ持ち﹂と﹁つまみ持ち﹂です。
手のひらでマウスを覆うようにする持ち方。手のひらはマウスの背中︵パーム/バックアーチ︶に触れるケースが多いと思います。主に手首~肘を使ってポインタを操作することになります。
マウスの左右サイドを指(親指と薬指/小指あたり)でつまむようにする持ち方。マウスに触れるのは5本の指のみ。手首と5本の指でマウスを操作しますので、より繊細なポインタを操作が可能だと思います。ワタクシの場合はコレです。
ご自分の握り方で﹁MX Master﹂がシックリくるかどうかは、実際に実機に触れてお確かめいただきたいところ。ですが、ワタクシがアレコレ試したところ、どちらの握り方でも快適に使えるマウスなのではないか、と感じられました。
具体的には、まず、マウスの手前︵お尻︶の部分が短いこと。つまみ持ちをしても手のひらがマウスに付きにくいことと、かぶせ持ちにしても手首の動きを邪魔しない点で、ナニゲに優れた形状だと思います。
また、ボタン数が多すぎず、ある程度集中した位置にあるので、最小限の指の動きで各ボタンを操作できる点もいいと感じました。2つのクリックボタンも縦に長く、どこに触れてもわりと均等なクリック感で押下できます。
多用する戻る/進むボタンもイイ感じでした。マウス左側上部手前にある、重なった2つのボタンですが、小さめながら押しやすく、すぐに慣れることができました。ボタンは上下にあると意識しても使えますが、親指を手前にズラすと﹁戻る﹂で前方にズラすと﹁進む﹂になる︵デフォルトの設定︶という感覚でも使えて、これも優れた設計のボタンだと感じられました。
若干疑問を感じたのは、マウス左側下にあるジェスチャーボタンです。親指で押しながらマウスを動かすことで、各種ジェスチャー操作とするよう想定し装備されているボタンですな。Windows 8なら、左/右スナップやウィンドウの最大化やデスクトップの表示、Mac OSならデスクトップ切り換えやMission Control表示やアプリケーションExpose表示が、デフォルトでは設定されています。
機能的には便利なんですけど、ボタンの押下感がちょっと重めで、マウスを動かすべき距離も少し長めな感じ。これまた人によりますが、ワタクシ的には﹁けっこー強く押して、いつもより大胆に動かさないといけない﹂というあたり、想定された使い方では役立てにくいと感じました。もしかしたら慣れで便利化するかもしれませんが、現在はジェスチャーボタンに別の機能を割り振ろうと考え中って感じです。
ボタン操作でもうひとつ疑問点があります。それは、デフォルトの設定ではスムーズスクロール機能が有効になっていること。この機能が有効になっていると、ドキュメントの垂直スクロールがカクカクせずヌルリと滑らかになって快適です。
しかし、GoogleマップやYahoo!地図で﹁地図の拡大縮小﹂のために使うと、拡大し過ぎたり縮小し過ぎたりでたいへん困ります。ただし、スムーズスクロール機能を無効にすればこの問題は回避できます。また、サムホイールにズームイン/アウトを割り振って、地図をサムホイールで拡大縮小するという手もあります。でも、もうちょっとこう、スッキリ解決できるようにして欲しい感じです。
それ以外は全体的にかなり快適。ワタクシの操作方法や手のサイズにバッチリとマッチしている﹁MX Master﹂なので、かなり本気で予備購入を考え中です。
若干余談ですが、ボタン数についてワタクシ的には﹁MX Master﹂のソレで十分だと感じています。が、﹁もっと欲しい!!﹂と感じられる方もあるかもしれません。このあたりも人それぞれで、マウス選びの難しさかもしれません。
なお、このマウスのボタン機能をしっかり利用&堪能するためには、専用ソフトウェアの﹁Logicool Options﹂が必須です。﹁MX Master﹂の機能設定~カスタマイズ用ソフトですな。Windows用とMac用がありますので、ご参考までに下にそのスクリーンショットを並べてみます。左がWindows用、右がMac用です。
「Logicool Options」ソフトウェアの表示例。これはマウスのポインタ速度や感度など基本的な設定を行っている様子です。Windows版もMac版もほぼ同じですな。 「Logicool Options」ソフトウェアでは、各ボタンのカスタマイズも行えます。 上部ホイールは「オートシフト機能」対応ですが、上部ホイール手前のモードシフトボタンで1行ずつスクロールするのか連続的に高速スクロールするのかを任意に変えることもできます(デフォルト設定)。モードシフトボタンにほかの機能を割り振ることもできます。 マウス左側下部にある、親指で押せるジェスチャーボタンのカスタマイズ。非常に細かくカスタマイズできます。 マウス左側にある重なった2つのボタンのカスタマイズ。こちらは上側(前方)のボタンの設定です。 マウス左側にあるサムホイールの設定。水平スクロール速度を細かく調節できるほか、ほかの動作を割り振ることもできます。
カスタマイズの詳細についても、ワタクシの場合は﹁この程度できれば十分OK﹂という感覚なんですが、﹁もっと詳細にデキて欲しい﹂と感じられる方があるかもしれませんな。まあそのあたりも﹁人によって印象が異なる部分﹂だと思います。人が直接触れるインターフェースは、なかなか選ぶのが難しいものです。キーボードもそうですが、マウスだとさらにそうだと思います。ともあれ、他者のレビューやレポートが﹁とりわけ文面通り受け取りにくい類のハードウェア﹂でありますので、やはりぜひ一度実際に試用して判断してください。
2つのホイールがイイっ!!
ワタクシにとっては難点が非常に少なくジョリーグッドなポイントがたっぷりの「MX Master」ですが、とりわけイイのが2つのホイールです。マウス上部にある「オートシフト機能」対応のホイールと、マウス左側にあるサムホイールですな。
「MX Master」にはクリックボタンの間にある垂直スクロール用ホイールに加え、左側に水平スクロール用のサムホイールがあります。
まず、マウス上部にある﹁オートシフト機能﹂対応のホイールから。これは6年前に発売されたロジクールのハイエンドマウス﹁MX Revolution﹂に搭載されていた、﹁MicroGearプレシジョンスクロールホイール﹂とよく似たものです。
このホイールは、ゆっくり回転させると軽い﹁カクカクカク﹂という感触とともに、ドキュメントが1行︵など設定した行数︶毎に垂直スクロール︵クリック・トゥ・クリック︶します。また、回転させるスピードがある一定速度を超えると、﹁カクカクカク﹂という半ロックのような感触がなくなり、スイーッと空回りしているような感じで高速回転し、ドキュメントも高速で垂直スクロールします。
結果、通常はフツーのスクロールホイールとして使えて、必要とあらば長~いドキュメントを一気にスクロールさせられる超高速ホイールとして使えるというわけです。﹁このウェブページ、上下に長くてスクロールさせるのが面倒﹂という場合でも、ホイールをクイッと高速回転させれば、ページの端から端まで一気にスクロールできて快適です。
なお、ホイールの回転タイプは、ホイール手前にあるボタンを押すことでも切り換えられます。たとえば、カクカク回転感ナシの回転タイプに固定し、ゆっくり回せば数行ずつスクロールし、スイッと速く回せば高速スクロールし、その中間も選べる、というアナログっぽいホイールとして使うのも現実的です。
もうひとつのサムホイールは、水平スクロールのためのホイール。単純に、ドキュメントの水平スクロールを親指で行えるようになるホイールです。これがまあヒッジョーに便利。前述の﹁Logicool Options﹂ソフトウェアで水平スクロール速度を調節でき、またホイール自体も繊細に動かせますので、数文字単位の水平スクロールも可能です。ちなみに、これに似た機能、Mad Catzのハイエンドゲーミングマウス﹁Cyborg R.A.T.9 Gaming Mouse﹂や﹁M.O.U.S.9 ︵MC-M9E︶﹂にも搭載されていましたな。
ともあれ、この2つのホイールを使うと、垂直スクロールをゆっくりでも爆速でも行えて、水平スクロールも自在。しかも片手の人差し指と親指だけで垂直&水平スクロールをコントロール可能。もうウィンドウのスクロールバーにポインタもっていく必要とかなくなっちゃって超快適なわけですよ!! ふむ~っ!!
というわけで、サイズ的にもボタン位置&数的にも感度的にもサイコー度が高いと感じられた﹁MX Master﹂。さらにこれら2つのホイールのコトを改めて書いていたら﹁やっぱイイなコレ﹂という気分になり、はい、ワタクシもう1個﹁MX Master﹂、今ポチりました~♪ って予備じゃないんですよコレ。常用のため。取っ替え引っ替え使ってるMacBookが3台あるんで、Mac専用に1個買い増した感じです。そのうち予備も買うかも!?
とかいう話はさておき、マジで久々に非常に秀逸なマウスが登場したと感じられました。ので、興味のある方はぜひ一度実際に﹁MX Master﹂を試用し、﹁イイのかどうなのか﹂をご自分で確かめてみてください。