*この連載は、作家の合田一道氏が主宰するノンフィクション作家養成教室「一道塾」(道新文化センター)が担当しています。
第2回

挽歌(原田康子著)

 

「霧に包まれたロマンの街」に変貌




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現在の幣舞橋は1976(昭和51)年に架橋された。翌1977年に橋上彫刻「道東四季の像」が完成し、市民や観光客を今も楽しませている。夕日の名所としても有名。

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この物語が書かれてから約60年たつ今も、幣舞橋からは怜子が見た時と同じように夕日が美しく眺められる。
海霧の影響を受けて暗い印象だった釧路を『挽歌』は怜子と桂木との物語にふさわしく「霧にむせぶロマンの街」に変貌させた。夏でも冷涼な街で、この残酷なまでに一途な愛は燃焼し、黄金色に染まる海面のきらめきの中、夕日とともに水平線の向こうに吸い込まれるように沈んでいったのかもしれない。

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