いい加減モデリング番外−カメラの章
遮光モルトの巻
カメラのメンテナンスをする上で避けて通れないのがモルトの貼り替えです。プロにお願いするのが早いですが、そんなに難しいことではありませんし、モルトが加水分解を起こしているだけの完動品のカメラがゴロゴロしている以上、身につけて損はないスキルです。
さて、モルトは厚さサイズ共に様々なものがカメラ屋さんで売られています。通販も出来ます。しかし、現在のものは品質が非常に良くなったとはいえ、加水分解を起こしたモルトやスポンジを沢山見ているとイマイチ信用が出来ないというか。面倒なので定期的に貼り替えとかしたくありません︵笑︶。
そこで、安くて経年変化に強い材料で代替しようというのが今回の企画。
![material](./material.jpg)
まず、材料。要は遮光できてクッションになればなんでも良いのです。上から﹁フェルト﹂﹁フランネル﹂﹁毛糸﹂。これに、写真には写っていませんが、フィルムのパトローネの縁に付いている﹁テレンプ﹂。このあたりが、実績があって簡単に入手できるものです。むろん、他の布で試してみるのも良いかと思います。
﹁フェルト﹂﹁フランネル﹂は書道用の下敷きとして売られているものが薄くてゴム引きだったりして良いかもしれません。厚手のクッション︵ミラーボックスの上のミラー受け部分とか︶としては手芸用の﹁フェルト﹂や﹁テレンプ﹂がちょうど良さそうですし。裏蓋の所の溝に入れるのは毛糸が最も簡単で歴史的にも長く使われています︵モルトが使われるようになる前は毛糸が使われていた。より古い毛糸使用のカメラで、毛糸は劣化していないということでモルトよりも信頼性は上と考えられる︶。
![cut](./cut.jpg)
![material2](./material2.jpg)
裏蓋の入る溝に貼るのなら、細切りにする必要があります。私は、裏に両面テープを貼った状態でロータリーカッターで裁断します。これで細切りの出来上がり。上から﹁テレンプ︵細切りにする長さがない︶﹂﹁フェルト﹂﹁フランネル﹂﹁毛糸﹂。実際問題、色々試した限りでは毛糸が一番楽です。切断しなくていいし︵笑︶。
![paste](./paste.jpg)
先ほども書いたように、面倒なので両面テープが裏に貼られています。で、奥に貼り込んでいくのですが。裏紙を剥がしながら、横にくっつかないように慎重に貼ります。結構面倒です。横にアルコールを塗っておくとくっつかないと本には書いてありますが。なかなか難しい。
毛糸なら向きが関係ないので。先に細切りの両面テープを貼ってしまい、裏紙を剥がした後で毛糸を詰めていけば簡単に遮光できます。こちらが断然オススメ。
ゴム系ボンドG17をベンジンで溶いて塗った後に貼り込むと楽だということも本には書いてあるので、毛糸を使用する時にはそちらがいいかもしれません。ただ、ノリを使うと、後処理︵と失敗した時︶が結構大変なので、その辺は個人の裁量で。
というわけで、遮光モルトの攻略です。両面テープとフェルトと毛糸ならモルト1枚買うお金の半額以下で入手可能で、しかもカメラに換算したら何台分修理できるのやら。
おそらく、最も簡単で効果が高い修繕だと思います。
︵2009.06.10︶
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