精選版 日本国語大辞典 「あらたま」の意味・読み・例文・類語 あらたま (一)歌集。斎藤茂吉著。大正一〇年︵一九二一︶刊。作者の第二歌集で写生短歌への方向を定めた。 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
日本大百科全書(ニッポニカ) 「あらたま」の意味・わかりやすい解説 あらたま 斎藤茂吉の第二歌集。1921年︵大正10︶1月春陽堂刊。1913年9月から1917年12月までの作品746首を収める。大局的にみれば第一歌集﹃赤光(しゃっこう)﹄からの連続であり、この2冊を初期歌集として一括してよいが、1914年ごろから、﹃赤光﹄の混沌(こんとん)をはらんだ激しい生の炎がようやく澄み、透明な寂寥(せきりょう)感の支配する象徴的世界を現出する。﹁草づたふ朝の蛍よみじかかるわれのいのちを死なしむなゆめ﹂。この生のあわれの自覚のうえに﹃梁塵秘抄(りょうじんひしょう)﹄などからの摂取が加わってなった生命主義的象徴世界は、後半、より現実につきつつ、1917年末の長崎移住を機に﹃つゆじも﹄の歌境へと引き継がれる。 ﹇上田三四二﹈ ﹃佐藤佐太郎著﹃茂吉秀歌 上﹄︵岩波新書︶﹄ [参照項目] | 斎藤茂吉 | 赤光 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例