精選版 日本国語大辞典 「かんらん」の意味・読み・例文・類語 かん‐らん【坎】 (一)〘 名詞 〙 ( 形動ナリ・タリ ) 志を得ないで不遇な状態にあること。生活が困窮しておちぶれること。また、そのようなさま。轗軻(かんか)。かんりん。 (一)[初出の実例]﹁或登金巖。而遇雪坎。或跨石峯。以絶粮轗軻﹂(出典‥三教指帰︵797頃︶下) (二)[その他の文献]︹楚辞‐九弁︺ 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
日本大百科全書(ニッポニカ) 「かんらん」の意味・わかりやすい解説 カンラン(橄欖)かんらん / 橄欖[学] Canarium album Raeusch. カンラン科︵APG分類‥カンラン科︶の常緑高木。中国原産で、ムクロジに似る。魚の骨が刺さったのを治すとの説から、和名ウオノホネヌキという。葉は互生し複葉で、小葉は長楕円(ちょうだえん)状披針(ひしん)形、全縁で硬い。花は白色の小花で、葉腋(ようえき)の短い枝に総状につき、開く。萼(がく)は浅く3裂し、花弁は直立する。果実はモクセイ科のオリーブに似ており、卵状楕円形で長さ2.5センチメートル、秋に熟して下垂する。核果は熟しても緑色なので緑欖(りょくらん)ともいわれる。中国でオリーブに橄欖の字をあてるので、混同されることがある。日本へは江戸時代に渡来し、種子島(たねがしま)などで植栽される。果実は生食、塩漬け、蜜(みつ)漬けにするほか、果実酒にして滋養剤とする。種子は欖仁(らんにん)といい、中国料理に用いる。 ﹇古澤潔夫 2020年9月17日﹈ カンラン(寒蘭)かんらん / 寒蘭[学] Cymbidium kanran Makino ラン科︵APG分類‥ラン科︶の多年草。東洋ランの1種。葉は細長く50センチメートル、濃緑色で表面は光沢があり革質。線状葉は直上し、先端はしなやかに屈曲する。花茎は11月から翌年の1月ころ、葉間から束生し40~50センチメートルとなり、5~12個の花を総状につける。花は芳香があり、花径5~6センチメートルで赤褐色の条斑(じょうはん)がある。細くとがった外弁は開出し、内弁は突き出る。舌弁は3裂し、前裂片は下方より後方に反り返る。本州の中部地方南部から沖縄に自生するが、少なくなっている。園芸品種としては、舌弁に砂状の斑点が散在する月光や、白色で覆輪の雪光(せっこう)、平重(ひらがさね)などのほか、南国(なんごく)、折鶴(おりづる)などもある。植え替えは4、5月か10月ころにする。 ﹇猪股正夫 2019年5月21日﹈ カンラン(キャベツ)かんらん →キャベツ 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「かんらん」の意味・わかりやすい解説 カンラン(寒蘭)カンランCymbidium kanran ラン科シュンラン属の地生ランで紀伊半島,九州,四国などの樹林下に自生する。シュンランなどとともに東洋ランの仲間として扱われ,気品のある草姿から愛好者が多い。線状の葉は根出し,弧を描くようにしなる。 50cm前後の花茎に5~10花を咲かせ,花被片は細く先端がとがるのが特徴。花色は淡緑色,黄緑色,桃色,紫紅色などで,筋や斑 (ふ) の入り方が異なるさまざまな種類がある。品種数は数千に及ぶが,野生では採取されつくして,絶滅に近い状況にある。開花期は10月~1月。冬は寒風を避けて日にあて,夏は直射日光があたらない半日陰がよい。四季を通じてやや乾燥ぎみに管理し,肥料焼けを起こしやすいため,施肥はかなり控えめにする。 カンラン(橄欖) カンラン Canarium album; Java almond tree カンラン科の常緑高木で,インドシナ原産。高さ15~20m,幹の直径 1mにもなる。葉は互生し,奇数羽状複葉。5月頃,葉腋に集散花序を生じ,3弁の白色の小花をつける。核果は卵状楕円形で長さ25~30mm,緑色または淡黄色に熟する。一種の香気と酸味があり,生で食べるほか,蜜漬,塩漬にする。熱帯各地に栽培される。同属の C. ovatumや C. luzonicumはピリー piliと呼ばれ,フィリピン原産でいずれもカンラン同様食用になる。またカナリーノキ C. communeはマレーシア原産で街路樹にされる。なお,オリーブにこのカンランの名を与えたことがあるが誤用である。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
普及版 字通 「かんらん」の読み・字形・画数・意味 【蘭】かんらん 涙の流れるさま。字通「」の項目を見る。 【乱】かんらん 酔いつぶれる。字通「」の項目を見る。 【坎】かんらん 不遇。字通「坎」の項目を見る。 出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報