世界大百科事典(旧版)内のみょうが浅草けんちんの言及
【ミョウガ(茗荷)】より
…すしというのは室町時代から行われていた野菜のすしの一種で,︽料理塩梅集︾(1668)によると,桶などに飯と刻んだミョウガを交互になん重にも敷きつめ,重石︵おもし︶をかけて漬けこむものであった。以上のようなもののほか,江戸時代の料理書には丸のまま熱湯をくぐらせたミョウガを串︵くし︶にさして,トウガラシみそをつけて焼く︿みょうが田楽﹀,縦に刻み調味して煮たミョウガを,固くしぼってノリ巻にした︿みょうが浅草けんちん﹀などというものが見られる。ミョウガはさわやかな辛みと香気をもつ日本的な食品として愛好されるが,食べると物忘れするというので鈍根草︵どんごんそう︶の異名があり,空腹のあまり,かたわらの料理のミョウガをつまみ食いした稚児を見て,そばにいた人が修業中の若い人は物忘れをしないために食わないものだというと,稚児は空腹を忘れるためにもっと食おうといった(︽軽口露がはなし︾)というような笑話がいくつも伝えられている。…
※「みょうが浅草けんちん」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」