コガネムシ(読み)こがねむし

日本大百科全書(ニッポニカ) 「コガネムシ」の意味・わかりやすい解説

コガネムシ
こがねむし / 金亀子
黄金虫
[学] Mimela splendens


17236712

 Scarabaeidae25000300216()810376()()5


分類


()()


食糞類

2

(1) ()Heliocopris

(2) 

 


食葉類

6

(1) 10

(2) 

(3) 

(4) 

(5) 

(6) 


民俗

ファーブルの『昆虫記』で知られるスカラベ・サクレ(タマオシコガネの1種)は、古代エジプト人にとって神聖な昆虫であった。土の中に入り、のちにまるで生き返ったように現れる生態から、この虫は不死の象徴となり、ミイラに添えて葬られた。この習俗の起源はきわめて古く、先王朝期(前3500以前)の墓からも発見されている。花崗岩(かこうがん)や宝石をこの虫の形に刻んだ御守りもあり、それには、魂の裁判のとき神々が敵意をもたないことを願う文字が彫られているものもある。ヘリオポリスの人々によって祀(まつ)られた神ケプリ(ケペリ)は、この虫の神格化で頭部を虫の形にした男、あるいは顔の部分を虫にした男、頭上に虫をのせた男などの姿で描かれ、1匹の虫の形で表現されることもある。ケプリという語には、「スカラベ・サクレ」と同時に「自ら生成するもの」という意味があり、生命の更新を表す神として崇拝された。太陽を運行する神とも考えられ、この虫が玉を転がすように、巨大な虫の姿で太陽を転がしているとも想像された。特定の甲虫類を御守りにする習俗は世界各地にあった。ヨーロッパではシレジア人が、季節の最初のコフキコガネ属の一種をとらえ、小さな布袋に縫い込んで発熱の際の御守りにした。中国では愛される呪(まじな)いに甲虫類を飼う習俗があり、コガネムシの一種も用いたらしい。日本では、よくコガネムシの胴を糸で結び子供のおもちゃにした。『松翁道話』(1814)には、平安後期の盗賊熊坂長範(くまさかちょうはん)が子供のとき糸につけて遊んでいたコガネムシが銭箱に入ったので引き上げると銭をつかんできた、それが盗みの始めであると書かれてある。金銭にしがみつく人間を例えてコガネムシともいう。日本では一般にコガネムシは珍重されなかった。ヒメコガネなどコガネムシ類を集め、干してニワトリの餌(えさ)にした地方もある。

[小島瓔


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改訂新版 世界大百科事典 「コガネムシ」の意味・わかりやすい解説

コガネムシ (黄金虫/金亀子)


Scarabaeidae1Mimela splendens131723mm67

 23008103763C23312

︿︿


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コガネムシ」の意味・わかりやすい解説

コガネムシ
Mimela splendens

 
 20mm67 Scarabaeidae8103476 ( ) 1 7000 300  

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百科事典マイペディア 「コガネムシ」の意味・わかりやすい解説

コガネムシ

 
118mm使2()  

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小学館の図鑑NEO[新版]昆虫 「コガネムシ」の解説

コガネムシ
学名:Mimela splendens

種名 / コガネムシ
解説 / 広葉樹の葉を食べます。
目名科名 / コウチュウ目|コガネムシ科
体の大きさ / 17~24mm
分布 / 北海道~九州
成虫出現期 / 6~8月
幼虫の食べ物 / 植物の根

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