1502年にバスコ・ダ・ガマがセイシェル南部のアミラント諸島を「発見」して以来、アラブ人やポルトガル人が訪れていた。1742年にフランス領であったモーリシャスの総督マエー・ド・ラブルードネBertrand-François Mahé de La Bourdonnais(1699―1753)の命により探検隊が派遣され、1770年代にモーリシャスから開拓者が来島した。主島のマヘ島は総督名、国名は当時のフランスの蔵相ジャン・モロー・ドゥ・セシェルJean Moreau de Séchelles(1690―1761)に由来する。フランスとイギリスによる争奪戦のすえ1794年にイギリス海軍が支配し、1814年のパリ条約でイギリスの領有権が承認された。19世紀には当時イギリス領であったモーリシャスの属国として支配されていたが、1903年にアミラント諸島、コスモレド諸島などの多数の島々をあわせて広くセイシェル諸島としてイギリスの直轄植民地となり、総督が置かれた。1976年にイギリス連邦内の共和国として独立した。
[寺谷亮司 2022年3月23日]
セイシェルの主要産業は観光産業であり、国内総生産(GDP)の約30~40%を占める。1971年のマヘ国際空港の開設以来、観光ホテルや外国人観光客が急増した。2019年の観光客数はおよそ43万人で、人口の約4倍の外国人観光客が訪れていることになる。農業や漁業は零細で、工業は食品加工に偏っており、貿易は大幅赤字を続けている。輸出品は、かつてはシナモン、バニラなどのスパイスやコプラ(ココヤシの果実の胚乳を乾燥させたもの)などの農産品であったが、近年ではマグロ缶詰が約9割を占め、ほかには冷凍水産品などの漁業関連品が多い。一方、輸入品としては主食の米などの食料品、石油製品、機械製品が多い。通貨はセイシェル・ルピー。
[寺谷亮司 2022年3月23日]
日本とは1976年(昭和51)に外交関係を樹立した。日本国大使館はなく、在ケニア日本国大使館が業務を兼轄している。日本へは、おもに冷凍マグロを輸出し、自動車を輸入している。在留邦人数は7人(2019)。
[寺谷亮司 2022年3月23日]
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報
タコノキ科の常緑高木。小笠原諸島に特産する。幹は直立して太い枝をまばらに斜上し,下部には多数の太い気根がある。葉は幹の頂上に密生し,長さ1〜2m,幅約7cmで,先は細くとがり,縁には鋭い鋸歯(きょし)...
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