世界大百科事典(旧版)内のブリッジウォーター運河の言及
【運河】より
…産業革命の開始にともない,従来海上輸送にたよっていたニューカスル石炭に加えて,さらに多くの石炭の輸送が必要となった。1761年開通したブリッジウォーター運河は,ワースリーの石炭をストレトフォードなどの,北西地方の急速に発展する都市に輸送するためのものであった。それはやがてマンチェスターまで延長され,マンチェスターおよびその周辺の産業に多大の影響を与え,さらにリバプールの貿易,とくにアメリカ産原綿の輸入に役立った。…
【運河狂時代】より
…ヨーロッパ大陸やアメリカにも似た現象がある。沿岸航行と河川航行が盛んだったイギリスでは,むしろ運河建設は遅かったが,1761年に完成したブリッジウォーター運河が,ワースリーからマンチェスターへの石炭積出用として大成功して以来,産業革命の中心となったランカシャーやミッドランドをはじめ全国に運河が掘られた。ミッドランドのトレント渓谷とランカシャーのマージー川を結ぶ大幹線運河Grand Trunk Canal(別名,トレント・マージー運河)を軸として,セバーン,テムズ両川などとも連絡したので,主要な都市がことごとく内陸水運で結ばれたのである。…
【石炭鉱業】より
…また,石炭鉱業は輸送コストに敏感な産業であったから,運河の開削や鉄道の敷設など,交通機関の発達を促す要因ともなった。ブリッジウォーター運河やストックトン~ダーリントン間の最初の鉄道などはいずれも石炭輸送のために建設されたものである。その生産過程がきわめて労働集約的であることも,この産業の大きな特徴であり,それだけに一方では,労働コスト引下げ圧力が強く作用し,産業革命期には児童労働を多用する産業の典型であった。…
【ブリッジウォーター公】より
【マンチェスター】より
…産業革命期に世界の綿工業の中心となった立地条件としては,ペナイン山脈から流れる河川による水車動力,蒸気機関に豊富な燃料を供給したランカシャー炭田,港湾都市リバプールとの近接などがあげられる。1761年に開通したイギリス最初の本格的な運河であるブリッジウォーター運河(ワースリー~マンチェスター間)が石炭の輸送を効率化したのをはじめ,原綿の輸送費を軽減したマンチェスター運河(1894)の意義も大きい。1830年には世界初のリバプール・マンチェスター鉄道も開通した。…
※「ブリッジウォーター運河」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」